東京ドーム大会で恒例となった1分時間差バトルロイヤル・ニュージャパンランボー。
最初にマイケル・エルガンが入場し、2番目に登場したビリー・ガンと対決。エルガンがショルダータックルを連発するも、ガンがことごとく受け止める。
続いて3人目のBONE SOLDIERが現れ、エルガンとガンへ地獄突き。だが、SOLDIERは2人の集中攻撃を浴びて動きが止まってしまう。
そこへ4人目のチーズバーガーが登場。SOLDIERに突き飛ばされたものの、タイガー服部レフェリーとの衝突を免れる。そして、トップロープをずらしてSOLDIERを場外へ転落させ、オーバー・ザ・トップロープで失格させた。
そこからガンがパワーを利した攻撃でチーズバーガーをいたぶる中、5人目の獣神サンダー・ライガーがチーズバーガーに加勢。残されたガンはエルガンと組むかに思えたが、すぐさま串刺しボディアタックを食らわせる。その直後、ガンはフェイマサーを繰り出すが、エルガンが回避し、ラリアットでガンをオーバー・ザ・トップロープへ追い込んだ。
そこへ7人目の小林邦昭が現れ、ライガーにショルダータックル。さらに、カウンターバックスピンキックからのフィッシャーマンズスープレックスホールドで3カウントを迫る。
さらに小林がライガーのマスクへ手をかけると、8人目のタイガーマスクがリングイン。小林へローキック連射を浴びせるも、小林がバックスピンキックで報復。そして、タイガーのマスクへ手をかけるが、ライガーがカットへ入る。
すると小林は再びライガーのマスクを狙うが、タイガーが妨害し、回転十字固めで3カウントを奪取。そこへ9人目の中西が入場し、野人ハンマーでチーズバーガー、ライガー、タイガーを次々となぎ倒す。そして、エルガンのラリアットを回避し、スピアーで吹き飛ばす。
続いて中西は野人ダンスを敢行し、チーズバーガー→ライガー→タイガーの順でラリアットをお見舞い。しかし、エルガンとはラリアットが相打ちになる。そこへ10人目の田口が登場し、中西にジャンピングヒップアタック。そして、残りの選手たちと協力して中西を押さえ込み、失格させた。
その直後、タイガーが田口へハイキックを食らわせ、ライガーが掌底で追撃。そして、ライガーが田口にロメロスペシャルを極めるが、タイガーがライガーの肩を押さえて失格させる。怒ったライガーがタイガーに詰め寄ると、田口がタイガーを丸め込んで3カウントを奪った。
続いて11人目のヨシタツが入場し、エルガンとやり合う。そんな中、田口がチーズバーガーに逆エビ固めを極め、ヒップアタックで追い討ちをかける。そこへ12人目の永田裕志が現れるも、田口がいきなりジャンピングヒップアタックをお見舞い。すると永田が腕固めで巻き返すも、ヨシタツがカットに入って大ブーイングを浴びる。
その後、永田とヨシタツがエルボー合戦を繰り広げ、永田がニーリフトを連発。するとヨシタツはミドルキック3連射で反撃し、ペディグリーを仕掛ける。だが、永田がバックスープレックスで回避。そして、タイナーからEOJを炸裂させてヨシタツを失格させる。
次に13人目の天山広吉が登場し、永田へヘッドバット、ハンマーブロー、顔面かきむしり。しかし、田口が天山を捕まえ、モンゴリアンケツを連発。そして、永田にジャンピングヒップアタックを放つが、永田が回避してフロントネックロック。さらに、キック3連発を尻へ食らわせる。
続いて14人目のヒロ斉藤が入場する中、永田が天山のモンゴリアンチョップを受け止めてミドルキック。そこにヒロが割って入り、天山のスローイングから永田に串刺しバックエルボー。そして、セントーンから3カウントを奪う。
ここで15人目のスコット・ノートンが登場し、場内が大歓声に包まれる。そのノートンは田口のジャンピングヒップアタックを2連続で受け止め、強烈な逆水平チョップをお見舞い。そして、超竜ボム1発で田口を仕留める。
その直後、天山、ノートン、ヒロ、チーズバーガーが結託し、エルガン1人と対峙。だが、エルガンはトレイン攻撃から脱出し、天山のラリアットをヒロに誤爆させる。そして、天山に延髄斬りを見舞うと、ラリアットからの押さえ込みでヒロを失格させる。
続いてエルガンはノートンと対決し、ショルダースルーで場外へ落として失格へ追い込む。そして、天山にブレーンバスターを仕掛けるも、チーズバーガーが妨害。
するとエルガンは、天山&チーズバーガーの連携攻撃から逃れ、チーズバーガーのフライングボディアタックをキャッチ。そのままチーズバーガーを投げて天山にぶつけると、ロープ際のラリアットで天山を失格させる。
これでエルガンとチーズバーガーの一騎打ちとなり、チーズバーガーがエルボー連打。しかし、エルガンがすべて受け止め、強烈なエルボーでお返し。そして、襟首を掴んでチーズバーガーを強引に持ち上げ、パワーボムの体勢に入る。だが、チーズバーガーが脱出し、ラリアットをかわしてトラースキック。
しかし、エルガンがチーズバーガーを捕まえ、パワーボムホイップでニュートラルコーナーへ叩きつける。そして最後は、エルガンボムで3カウントを奪い、新日本プロレス復帰戦のニュージャパンランボーを制した。
●優勝者:マイケル・エルガンのコメント
──お疲れ様でした。まずは復帰戦が東京ドームとなって久し振りにリングに戻ってきましたけど、今日の感覚はいかがですか?
エルガン「今の気分が最高かと言われたら嘘になる。なぜならば本来なら自分はIWGPのチャンピオンシップで出場したかったから。今日ここで内藤が棚橋と試合するというとこについても自分は納得がいかない。ここは自分がしっかりと勝ってチャンピオンベルトを取りたかった。ただ、このニュージャパンランボーで勝てたという事実はうれしく思っている。2017年、自分はしっかりと復帰して、IWGPのヘビー級、インターコンチネンタル両方に挑戦したいと思っている」
──ケガから復帰して、コンディションは100パーセント戻っているんですか?
エルガン「ケガの状態は良くなっている。ただ、骨を摘出した股関節の部分で感覚がない部分が残っているので100%と言うと嘘になるが、ほぼ治っていると言っていいと思う。そして、ここ数カ月練習していると、今日の試合中も素晴らしい気分だったので、復帰に向けて準備万端といったところだ」
──このあとIWGPヘビー、インターコンチネンタルのタイトルマッチが行なわれますが、どんな気持ちでご覧になりますか?
エルガン「難しい質問だけども、自分自身はチャンスを取り上げらたという気持ちでいる。今日のインターコンチネンタルも自分が試合をするチャンスがあったのに取り上げられた。G1に関しても自分が挑戦権を獲得できたはずなのに、それすらもできていない。なので、実際にこの試合を今日会場で観ることに関しては苦い、そして苦しい思いが湧き上がってくるだろう。とはいえ、どちらか片方か両方かわからないけど、どちらの勝者に関しても、2017年は自分と対戦しないといけないということを彼らは憶えていてほしい」
──2017年、ニュージャパンランボー優勝でスタートしました。今後の展望を教えてください。
エルガン「一番初めに満足していないと言ったことで、自分がハッピーでなはいと理解したかもしれないが、今日の結果についてはとてもうれしかった。獣神サンダー・ライガーやタイガーマスクのようなレジェンドと一緒にリングに上がれたこと、もちろんビリー・ガンと一緒にリングに上がれたこともとても光栄でうれしかった。ただ、何をしても満足というものは長くは続かない。私はこれ以上のものを手にするに値するレスラーだと思っている。それを残念ながらケガが取り上げてしまった。ただ、2017年の目標はさらにクリアになったと思う。もちろんIWGPインターコンチネンタル選手権にも挑戦するし、ヘビー級でも闘っていきたいと思っている。そして、日本の中で伝説を残すつもりだ」
──難しい質問だと思いますけど、IWGPヘビーとインターコンチ、まずはインターコンチのほうが強いんですか?
エルガン「その2つ、どちらかと言われればIWGPインターコンチネンタルのほうが自分にとっては優先順位は高い。なぜならば内藤とまだ終わってない仕事があり、まずこれを完了させなければならないと思っているからだ。そして家族も待っている。時間が限られた中で自分が先に取らなければならないのはインターコンチだろう。それはまたなぜかと言うと自分自身が初めて獲得したタイトルだからだ。それを取り返すのが第一だ」
──かつてエルガン選手と同じようなパワーファイターでスコット・ノートン選手と肌を合わせてみて、いかがでしたでしょうか?
エルガン「それは大変大きな、そして光栄な事実だ。今日、私がスコット・ノートンと同じリングに上がるとわかったときはうれしかった。なぜなら私は彼を観て育ってきたからだ。彼のような存在、そしてハルク・ホーガンのようなレジェンドと呼ばれるファイターにあこがれてここまで来たので、その彼と同じリングに上がれたことは何事にも代えられないことだった。今日ここで起こったことはもちろん優勝もうれしいし、IWGPとインターコンチネンタルのタイトルマッチをこれから観なきゃいけないのはつらいけど、今日は特別な1日として記憶に残ると思う」
●スコット・ノートンのコメント
ノートン「(※インタビュールームに集まった報道陣の顔を眺めて)元気ですか? なにか質問は?」
――ひさしぶりの新日本のリングでの闘いでしたけど、感想、感覚、雰囲気はいかがでしたか?
ノートン「何て言ったらいいのかなあ……アドレナリンが噴き出してくるのが、自分でもわかった。それに、みんながまだ覚えていたことがうれしかった。長く離れていたけれど、自分自身にとっても、(新日本に)戻って来れたことがいい経験になったし、とてもうれしかった。リング上にライガーがいるのを見て、戻ってきたんだなあと実感した。ニュージャパンではこれまで多くの試合をしてきたし、活躍の場も与えてもらったけど、(自身のキャリアの)終盤に間違いを犯してしまった。もっと長くニュージャパンのリングに上がれていたらなあと今は思っている。そんな思いがある中で、自分に入場曲がかかって盛り上がってくれたファンを目の当たりにしたことはすごくうれしかった」
――リング上にはかつての仲間たちがいたと思うんですけど、彼らを見てどう思いましたか?
ノートン「最高の気分だった。ニュージャパンには才能あふれるファイターたちはたくさんいて、彼らに囲まれた自分がいたこと、昔の仲間たちとあの時と同じレベルの試合ができたことはうれしかった。あの空間にいれたことで、過去の自分に戻れた気がした。サイコーだ。このようなチャンスをいただけたことをすごく感謝しているし、パワーボムを決めたり、逆に投げられたりもしたけど、そんなことすべてが自分を作り上げているんだということを思い出させてくれた。これが自分なんだということを、改めて力強く確信した。これこそがリアルなんだと思えたこと、ここにいることは現実なんだと思えたことが、すごくうれしい」
――かつて闘っていたときにはIWGPヘビー級のベルトも巻きましたが、現在の新日本プロレスという団体はどのように映ってますか?
ノートン「“いい”という一言だけでは収まらない、“素晴らしい”団体になっていると思う。それは新日本という団体が、時間をかけて努力してきた結果だと思う。才能あるレスラーがいて、素晴らしい試合を繰り広げてきた結果だと思うし、そういうところすべてが尊敬に値する。今は若い世代の選手も出てきて、自分は彼らの父のことを知っている年代になってきた。若い世代も才能を受け継いで、しっかりした試合ができているところも素晴らしい。才能だけでなく、パワーのある選手もいる。俺たちの時代もムタ(武藤)やチョーノ、テンザンなど才能ある素晴らしい選手がいたし、その中で自分の一時代を繰り広げられたと思うし、今のニュージャパンも自分たちがいた当時と同じぐらいのレベルに近づいているんじゃないかと思う。何よりもニュージャパンの素晴らしいところは、年代にかかわらず、最高のレスラー、才能あふれた素晴らしいレスラーを次々と輩出してきたことだと思う」
●小林邦昭のコメント
──まずはこの世界最高峰の東京ドームのリングいかがでしたか?
小林 「近年ニュージャパンランボーがあったけど、なかなかこう上がるっていうわけにはいかなくて。ただ、去年の盛り上がりを見て、これなら出てもいいかなと思って。でも、昨日ちょっと足を傷めちゃって、思うように動けなかった。まあ点数としたら50点ですね(笑)」
──今、50点とご自身で採点されましたけど、来年も出たいなとお気持ちは沸いてきますか?
小林「ええ、5000万出たら(笑)。わかんねえよ(笑)。今日みたいなああいう試合はもう来年は見せられないと思う。さっきメールが来て、なかなかやってたって言うけど、全然そんなことないと思うんだよね」
──新日本の若いレスラーと肌をわせて感じたことはありますか?
小林「やっぱりレベルが高いですよね。今日、人数が多いんで、第0試合に出た選手たちもセミとかメインを取ってもおかしくない選手たちですから。内心は次はいいかなって感じになっちゃう(笑)」
──4代目ですけど、タイガーマスク選手とも対峙しましたけどもその点についてはいかがですか?
小林「そうですね。まさか、あそこで自分が意識して出すとは思わなかったですね、覆面を。取っちゃえばよかったですね(笑)。でも、あの場面はタイガーマスクのほうが湧きましたよね、ライガーよりかは。タイガーマスクがね」
──引退試合はライガー選手でしたけど。
小林「まあ、16年、17年ぐらい前になりますかね。まあ、あのときはライガーからのご指名でしたけど。僕は違う人を指名したんですけど(笑)」
──小林選手は第1回の1989年東京ドーム大会に出場されていますよね。
小林「え〜っと、対ライガー?」
──対ライガー。しかも、ライガー選手のデビュー戦でした。
小林「ああ、10何年前ですか?」
──27年前です。
小林「ええ、そんなになるんですか!? そんな前? じゃあ、ライガー何年やってるんですか、トータルで?(笑)」
──年齢不詳です(笑)。
小林「ああ、そうか、そうか(笑)。そんなになるんですね」
──そういう観点からリングに立ってみてどうですか?
小林 「大いにいいことですね。近年、同じ年の人とかいろんな人が不幸続きっていうこともあって。この間も永源(遥)さんがね、亡くなってちょっとガクッとしたんですけど、いろんな古い選手が、ヒロ斎藤とかががんばってて、自分も力づけられますよね。もうそろそろ自分も片足どころか両足棺桶に入ってるようなもんだから」