NJPW 40th anniversary Tour KIZUNA ROAD
- 日時
- 2012年7月22日(日) 15:00開場 16:00開始
- 会場
- 山形・山形市総合スポーツセンター
- 観衆
- 3,500人(超満員)
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第8試合 60分1本勝負
ダブルメインイベントII IWGPヘビー級選手権試合- (第58代王者)
- (挑戦者)
※棚橋が2度目の防衛に成功レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
棚橋が田中をロープへ追い込み、覆いかぶさるようにしてエルボーを乱打する。これに対して田中は、スピアーで反撃し、馬乗りになってエルボー連打をお返し。
しかし棚橋は、串刺し攻撃をカウンターバックエルボーで阻止すると、コーナー2段目に飛び乗ってフライングボディアタック。そこから低空ドロップキック、ニークラッシャー、変型ニークラッシャー、膝へのエルボー、レッグロック、リバースインディアンでスロックと畳み掛ける。
しかし、田中がスイングDDTで棚橋を場外へ追いやり、場外マット上で垂直落下式ブレーンバスター。リングへ戻ると、串刺しジャンピングエルボー、首4の字固めで追い討ちをかける。
苦しくなった棚橋は、ロープ際のラリアットで田中を場外へ落とし、エプロンで助走をつけてトペコンヒーロに行く。しかし、田中がかわして自爆させ、リング下から持ち出したテーブルの上に棚橋を寝かせる。そして、コーナー最上段にのぼるが、棚橋が脱出してリングへ転がり込んだ。
それでも田中の攻勢は続き、逆水平チョップ連射、左右の張り手連射。しかし棚橋は、串刺し攻撃を回避して突破口を作り、スレッジハンマー、ショートレンジドロップキック、張り手、膝への低空ドロップキック。そして、テキサスクローバーホールドを極めるものの、田中はすぐにロープエスケープ。
その後、棚橋がコーナー最上段にのぼるが、田中が追いかけてチンクラッシャーの形で棚橋の頭部を金具へ叩きつける。そして、棚橋を場外のテーブルへ寝かせると、コーナー最上段からダイビングボディプレスを敢行。これでテーブルは真っ二つになり、棚橋は甚大なダメージを被る。
リングに戻った田中は、ジャンピングエルボー、ラリアット、パワーボムで棚橋に追い討ち。しかし棚橋は、スライディングラリアットをかわし、グラウンドドラゴンスクリューで逆襲。そして、2回目のテキサスクローバーホールドを極めて急角度で絞り上げるが、田中は辛うじてロープへ手を伸ばす。
続いて棚橋はダルマ式ジャーマンスープレックスホールドを決めるが、次のTWELVE SIXは田中が回避してDスクリューでお返し。そこから、串刺しラリアット2連発、カウンターラリアットに繋げる。そして、コーナー最上段からスーパーフライを敢行するも、棚橋が両膝でブロック。
しかし田中も負けておらず、棚橋のハイフライフローを両膝でブロック。さらに、雪崩式ブレーンバスターで追撃すると、今度こそスーパーフライで棚橋を押し潰す。
続いて田中は、スライディングラリアットからフォールに行くが、棚橋がキックアウト。そして、2発目のスライディングラリアットをかわすものの、田中が追走式バックエルボー、カウンターラリアット、垂直落下式ブレーンバスター、後頭部へのスライディングDと猛攻に出る。
さらに田中は、正面からもスライディングDを放つが、棚橋が腕をキャッチしてドラゴンスープレックス。これを田中がバク宙で着地すると、間髪入れずにその場飛びスリングブレイドに繋げる。
大「棚橋」コールの中、両者は長時間のエルボー合戦を展開。そこから田中が左右のエルボー連打で押し込み、ローリングエルボーを放つ。だが、棚橋がかわし、今後こそドラゴンスープレックスホールドを決める。
それでも田中は立ち上がり、スリングブレイドをかわす。しかし、棚橋がその場飛びスリングブレイドで田中を倒し、背中にハイフライフローを投下。そして、田中の体をひっくり返して正面からもハイフライフローをさく裂させ、激戦に終止符を打った。
COMMENT
棚橋「ハァ……。途中で、何度も、強烈な打撃で、何度も意識が飛びそうになりましたけど、ホントに限界かと思いましたけど、勝ててよかったです」
——上回った要因は?
棚橋「ホントに限界かと思いましたけど……俺に限界はなかったです!ホントに自信に溢れたファイトで、闘ってなお、リスペクトの気持ちは、変わらないですね。めずらしいレスラーです」
——さらに自分を高められた?
棚橋「田中選手のスキル、スピード、パワー、テクニックを試合中に、追い越した。試合中に進化できる。俺のいいところです!」
——山形でのIWGP戦、雰囲気はいかがでした?
棚橋「この山形で、タイトルマッチができたということ。こんなにも大成功だったということ。これは新日本プロレスにとって、とても大きな快挙です。ありがとうございました!」
——日本全国で防衛ロードをする?
棚橋「今日の山形のみんなに背中を押されるかたち、シッカリとパワーを受け取って、次に繋げていけます。そして、みなさん、最後まで残ってくれて、ありがとうございました。じゃあ、最後にもう一回、山形の皆さん!愛してま〜す!!」
——次は、いよいよG1ですが?
棚橋「あっ、……いま、思い出した。スライディングDをもらったあとに、本当に数秒だけ、意識が飛んでて……気付いたときに、うしろからエルボーを食らってたんで。その5秒、10秒とかは、無意識でしたね。俺、スライディングD返しました?ま、でも(田中将斗は)スゲーな……。ま、とにかく『G1 CLIMAX』、今日、一番、加速したのは、俺なんで。シングル王者として、『G1』優勝を目指します」
——あらためて、今日の凄い動員に関しては?
棚橋「……うれしいすね。ずっと(闘魂)三銃士のいた頃、山形は第1体育館で見てて、ずっと第2体育館で全力を尽くしてきたけど、第1に届かなくて。全力が届いて、今日という日を迎えて……噛みしめてます」
——ファンには、なんて声をかけていたんですか?
棚橋「感謝の気持だけですね。ファンの目を見て、『ありがとう』『ありがとう』と、それしか言ってなかったです」
田中「強いね。スタミナ、受け、持っとるね。悔しいいっちゃ、悔しいけど、やりきったよ。やりきった!全て出したし。全て出して、負けたんやったら、ここでんナンボでも、負け惜しみ言ったら!出し切って負けらオマエ、本望だろ?でも、俺は自分の足で帰って来た。それが棚橋に対する意地や。今回のね、タイトルマッチにごぎ着けるまで、前回から2年。今度やったら最短で、今やった途端、一番遠い距離にチャレンジャーとしての位置におるかもしれへん。でもよ、上がり続けたら、一番最短で、その位置を狙えるまでになってやるから!俺はまだまだ。明日から、20年目に突入すんねん。まだまだ、まだまだ、俺は進化し続ける、自信がある。この前の2年前より、今の俺の方がスゲー。次2年後?その前にチャレンジ来るかもしれん。その時はオマエ、もっと俺は強えぇぞ。もっと俺のスタミナはスゲーぞ。パワーも。今日は完敗。でも明日から、俺の20年目がスタートする。東北、震災あって、今日はみんなに元気を与える俺なりの、これがスタイルや。棚橋応援すりゃあいい。それが日頃のうっぷん、声に出して叫べるんやろ?そやろ?色んなうっぷんあるものが、『棚橋!棚橋!』言うて、東北の人間が、ストレス解消させられる。それ逆言ったら、俺が逆の意味で、東北を元気づけてやるっていう、そういう意味かもしれへんし。俺は声援で応えるつもりはない。でもガッチリ、俺の前に立つヤツにはガッチリ痛めつけてよ、その相手に声援送るように、俺が元気つけてやるわ。観に来た人に。それが俺なりのやり方や」
——最後、新日本のファンからも、ハイタッチを求められてるシーンがありましたが?
田中「俺が最初上がり続けた頃は、そんなものは一切なかったね。ZERO1ファンが、少数派で応援しに来てくれて、その人達が俺の名前を叫んでくれる。それぐらいしかなかった。でも上がり続けて、俺は俺なりの、スタイルで、このリングで、闘って来て、なにを見せれたかって言ったら、あの言葉に詰まってるんちゃう?確かに悔しいけど、気持ちいい負けやねん。ま、こんなこと言ったらアカンのかもしれへんけど、そんなに獲れやんもんでもない。棚橋と俺との差は、これぐらい(少しの差)かもしれへん。次やる時は、こうなっとるかもしれへんし、こうなっとるかもしれへん(棚橋が上になってるかもしれないし、自分が上になっているかもしれない)。そんなもん、俺だってわからへんし。でも俺はこうなるように(自分が大差をつけて上に)なるように、日々、もう今日終わった時点から、それ目標にしてやっていくから」
——やはりIWGPヘビー級のベルトに執着心は持っている?
田中「いやーやっぱり、獲れへんかったからって、他のベルト云々って言うつもりはないし、俺ホンマにいろんなベルト巻いてきたけど、今、俺の腰に巻かれてへん、今が一番欲しいベルトは変わらへん。IWGPヘビーのシングルのベルトや。俺がこんな小っちゃい頃によ、テレビ付けたら、タイトルマッチをやってて、それを見て『プロレスラーになりたい』って思った。そのベルトが今日まで、チャンピオンの次に、俺が一番近かったんや。今日やることによって、またすぐ俺にはチャンスは回ってけえへん。一番遠い位置かもしれへんけど、上がり続けることによって、一番近い位置に、数ヵ月後には来てるかもしれへん」
——またここから田中将斗選手の一歩が始まる?
田中「そりゃそやろ。諦めたらね、(IWGPヘビーのベルト)巻くの諦めるんやったら、俺はもう引退するよ。プロレスラーで『トップを取れない、自分はもう無理やな』って思った時点で、俺はたぶん引退するね!今の、この位置から、俺は退化したら、その時は俺の引退からもしれへん。俺はでも常に、今の位置よりアップしていくよ。歳いったからって、まだまだ体力が落ちる歳ではない。やり続ける!」