NJPW 40th anniversary Tour NEW JAPAN CUP 2012
- 日時
- 2012年4月8日(日) 17:30開場 18:30開始
- 会場
- 東京・後楽園ホール
- 観衆
- 2,040人(超満員札止め)
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第7試合 無制限1本勝負
「NEW JAPAN CUP 2012」決勝戦※後藤洋央紀がNJC2012を制す。レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
棚橋がコーナー2段目からのフライングボディアタックで先制し、ストンピング連射、レッグロックで膝を攻撃する。
続いて棚橋は、後藤の左脚をセカンドロープへ固定し、膝に低空ドロップキックを発射。さらに、その状態から逆関節で絞り上げる。
劣勢の後藤は、棚橋のフライングボディアタックを受け止め、そのまま担ぎ上げて牛殺しを敢行。さらに、鉄柱攻撃で追い討ちをかける。
リングに戻った後藤は、棚橋の両脚をコーナー最上段に引っ掛け、ネックブリーカーを敢行。さらに、キャメルクラッチで追撃するが、棚橋がエルボー、エルボースマッシュ、太陽ブロー、チョップ連射、フライングフォーアームで逆襲。
続いて棚橋は、串刺しドロップキック、膝へのカウンター低空ドロップキックで後藤を場外に追いやり、コーナー最上段からボディアタック式ハイフライフロー。
大ダメージを負った後藤がエプロンに立つと、棚橋はロープ越しにドラゴンスクリュー。さらに、グラウンドドラゴンスクリューを連発すると、テキサスクローバーホールドで追撃。
これを後藤がロープへ逃れると、棚橋はさらにドラゴンスクリュー。そして、スリングブレイドを繰り出すが、後藤がかわして棚橋を突き飛ばす。すると、棚橋がトップロープを掴んで逆上がりをするが、後藤が飛び込んでラリアットを食らわせ、2人一緒に場外へ転落。これで場外戦となり、後藤が棚橋を鉄柵へ叩きつけ、ラリアットで観客席へ叩き込む。
棚橋がカウント19でリングに戻ると、後藤はエルボー連打、串刺しニールキック、ローキック、ジャーマンスープレックスホールドで追撃。そして、牛殺しの体勢に入るが、棚橋が空中でスリングブレイドに切り返す。
すると、後藤が追走式ラリアットを後頭部へ叩き込むも、棚橋は倒れずにカウンタースリングブレイドでお返し。
両者へのコールが交錯する中、後藤が昇龍結界を極めるが、棚橋は脚をロープへ伸ばす。すると後藤は、ミドルキックを連射し、蹴り脚を掴まれると張り手を見舞ってもう1発ミドルキック。さらに、PKから昇天を狙うが、棚橋が脱出して低空ドロップキックで逆襲。
それでも後藤が2段助走式ラリアットに行くと、棚橋がかわしてスリングブレイド。続いて、背後からのスリングブレイドで後藤を叩きつけ、背中にハイフライフローを投下。そして、素早く体をひっくり返して2発目のハイフライフローに行くが、後藤がかわして自爆させる。
両者への大コールで場内が騒然とする中、両者はエルボー合戦を開始。お互いに激しく打ち合い、観客がさらにヒートアップする。そこから棚橋が張り手を放つと、後藤も応戦して張り手合戦が勃発。ここは棚橋が押し込むが、後藤はローリングラリアットで逆転。
続いて後藤は、バックドロップで棚橋を叩きつけ、昇天の体勢に入る。しかし、棚橋が背後に着地し、ドラゴンスープレックスホールド。
またもや両者への大コールで騒然となる中、先に立ち上がった棚橋の足に後藤がしがみつく。それをストンピングで振り解いた棚橋は、TWELVE SIXをお見舞い。そして、コーナー最上段にのぼるものの、後藤がニールキックで動きを止め、雪崩式牛殺しの荒技を敢行。
続いて後藤は、特攻ラリアットから裏昇天へ行く。これを棚橋が切り返して押さえ込むが、カウントは2。すると棚橋は張り手を放つものの、後藤は顔面へのヘッドバットで逆襲。そして、もう1度裏昇天に行くが、踏ん張りがきかずに体勢が崩れてしまう。
しかし後藤は、3回目で裏昇天をさく裂させ、最後は昇天・改で激闘を制した。
COMMENT
後藤「ありがとうございます。インターコンチネンタルの王者として、ここはもちろん負けられないし、このベルトが俺を後押ししてくれましたね。今まで勝ったことのない棚橋に勝った。これはもの凄く大きなことだと思います。5.3、あの生意気なオカダと、いや外道か?アイツらの口を封じてやります」
——これまで勝てなかった棚橋選手に勝てた。理由はどこにありますか?
後藤「新たな扉が開いたってことでしょう。ここから後藤洋央紀の新たな扉が開いた。その始まりが5.3。俺の進化を見せたいと思います」
——現IWGPチャンピオンオカダ・カズチカ選手に対しての印象は?
後藤「まだシングルでやったことないし、俺からしたら、まだ若手の1人だし。そこはやってみないと、なんとも言えない。ただ、インタビューとか見てるとアイツがデカいこと言ってると、大口を叩いてると、そこだけは俺の頭の中に入ってますから。頭に来る、そういう印象」
——若造であると?
後藤「俺の中ではまだ“若造”だよ。『NEW JAPAN CUP』、新日本の強豪を倒したって言ってもね、まだ1人、オカダとはねやってないわけだから。俺の『NEW JAPAN CUP』はまだ続いてるぜ」
——『NEW JAPAN CUP』を振り返って、印象に残ってる試合は?
後藤「1回戦から全部ですよ。トーナメントだしね、そんな気を抜いてたら、それで終わりだよ。俺の中では全試合が勝負だったし、全試合が印象に残って
ます」
——過去2回の優勝と比べて、今回違うところは?
後藤「決勝の相手が棚橋だった。勝ったことのない相手だった。そこに尽きるんじゃないでしょうかね?」
——喜びも違いますか?
後藤「もちろん!俺の中でなにか一皮剥けたような、そんな感覚が今あります。2回経験してるけど、こんな充実感は、3度目にして、初めてです」
——この勢いをもって、福岡に乗り込みたいですね?
後藤「そうですね、次のシリーズ、どういうカードが組まれるか、それはわからないですけど、俺のこのモチベーションと、体力と技っていうのは、絶対に落とさせないし、落ちないし。福岡、最高のものを見せられると思います!」
——棚橋選手に初めて勝てた要因は?
後藤「そうだね。今年になって、インターコンチ王者になって。自分としても王者の自覚が出始めたということで、間違いないんじゃないすか。王者vs王者? いや、向こうが挑戦しに来るんだと。そういう気持ちですよ。インターコンチのベルトを持ってる、NEW JAPAN CUPを制した。あとは何がいるんだと? 俺がチャレンジャー? いや、俺がチャンピオンだ。そのぐらいの気持ちで行きますよ。オカダが俺に挑戦してくるんです」
——1年ぶりのIWGP戦ですが?
後藤「すべてが、違うからね。1年前と。そこは見てのお楽しみ。ただ、俺の意識の中では、まったく違うものになっているし」
——新日本のエースを破りました。
後藤「俺がチャンピオンになる状況は、整っていると思ってるんで。あとはその機会。それが5.3。あとは待つだけです」
※コメントルームで大の字になってダウンしてしまった棚橋。
棚橋「ああ……。オカダにしろ、内藤にしろ、アンダーソン、後藤!……なんだ。まさか、俺が下の世代で苦しむようになるとはな……。クッソー」
——棚橋選手、答えられますか?
※棚橋、大の字になったままで
棚橋「……動けないすけど、答えられます」
——かつて、ベルトをかけて3度敗ってきた後藤選手に決勝で敗れた。この結果、どう受け止めてますか?
棚橋「ああ、ホントに新日本プロレスは早ええな……。焦るぜ。ホントに焦る……それだけです」
——もの凄い激闘でした。エースとしての役割をはたせましたか?
棚橋「無念です……。棚橋コールに応えられなかったこと。俺が一緒に盛り上がれなかったこと。……それがくやしいです」
——後藤洋央紀の闘いぶりは?
棚橋「……こうでないと。ただ、ただ、いつも言ってるように、俺は全力でやってるから。俺の全力をハネ返されたときどうするか。これからの課題です。ああ……。こんなにボロボロになったのは、『チャンカン(チャンピオン・カーニバル)』以来っす……」