2009年6月、同年8月、2010年1月と、シングル戦で杉浦に3連敗を喫した後藤が、リベンジを懸けて4度目の対戦。その決意を表すかのように、歌舞伎の連獅子で用いる赤い“獅子毛”を被って入場。
いきなり激しいエルボー合戦になり、そこから杉浦がカウンターフロントハイキック。だが、後藤はすぐにショルダータックルでやり返した。
その後、後藤がフライングメイヤーからサッカーボールキック。対する杉浦はカウンターキチンシンクでやり返し、ブレーンバスタースラムで後藤のボディをトップロープへ打ちつける。
しかし、後藤はラリアットを相打ちに持ち込み、なおもラリアットを放つ。すると、杉浦はカウンターローリングソバットでやり返すが、後藤は2段助走式ラリアットを発射。これはかわされたものの、すぐさまローリングラリアットで杉浦を倒し、串刺しニールキック、バックドロップ、ジャーマンスープレックスホールドに繋げる。
対する杉浦は、串刺しフロントハイキック2連発で逆襲。さらに、後藤が串刺しラリアットで反撃しても、すぐさま串刺しフロントハイキックでやり返し、スピアーで追い討ち。さらに、ジャーマンスープレックスホイップで、後藤の後頭部をコーナーへ激突させる。
杉浦の攻撃は続き、串刺しランニングニーアタック、コーナーでエルボー連打。さらに、ジャーマンスープレックスホイップ、ランニングニーアタック、ドラゴンスープレックスホールドと畳み掛ける。
続いて杉浦はオリンピック予選スラムを狙うが、後藤が回避。それでも杉浦は、左右のエルボー連打、左右の張り手連打で後藤に追撃。だが、後藤はバックドロップ2連発で逆襲。
さらに後藤は、ラリアット、顔面へのヘッドバット、特攻ラリアット、裏昇天と一気に畳み掛け、最後は昇天・改で杉浦に引導を渡した。
──今ようやく勝った気持ちは?
後藤「最高です。最高」
──この試合が始まる前、かなり追い込まれている状況でしたが、どんな気持ちで臨みました?
後藤「ただ、負けるわけにはいかないし、新日本の看板を背負っているというのもありましたし、応援してくれているファンの声もほっとけなかったし、いろんな思いが交錯した試合でしたね。ただ、こんなに最高の気分になるっていうのは、その前の3連敗という試合があったからだと思うんですよね。あの3連敗がなかったらこんなに最高の気分にならなかっただろうし、こんな気持ちいい空間にならなかった。今になって言えることだけど、そういう意味では杉浦、俺に3連敗をくれてありがとう、と。3連敗の間にいろんなこと考えたし、苦しんだし、それがあって今の俺がここにいるんだと思います」
──4度目の対戦になりましたけど、杉浦はどんな選手でしたか?
後藤「力は強いし、エルボー一つとっても重いし、選手としても日本トップレベルと言っていいんじゃないですかね?」
──今日勝ったことで一段落。
後藤「まだまだこれで終わったとは思ってないし、ただやっとおれが返せた、成長を見せつけることができたという点で一区切りつけたのかなと。俺の成長を実感できたということですね」
──勝利を収めた今、2012年の後藤洋央紀の目標を聞かせてください。
後藤「とりあえず年末、コンプリートプレイヤーズ。コンプリートだか、コンクリートだかわかんなけいど、そいつらやられてますからね。まずあいつらにペイバックして目にもの見せてやるよ、と。俺の怒りは沸点に達しているよ、ということですね。裕二郎? 田中? 二人まとめてやってやるよ」
──そのうえでベルトを当然。
後藤「もちろん。田中に関してはインターコンチのベルト、年末に負けているといのもあるし好都合だよ。この勢いであいつらにペイバックしてやる。とにかくありがとうございました」
——4連勝とはなりませんでした。
杉浦「今日は完敗です。向こうのほうが強かっただけです」
——これまでの3勝と、今日では相手が違いましたか?
杉浦「やっぱ気合が入ったんじゃないですか。気迫が。前回までだったら俺が打ち負かして終わってたけど、今回は反撃してきたし。気持ちがこもってましたよ、一発一発の」
——今日の結果を受けて今後、後藤選手とは?
杉浦「まあ、もういいっしょ。負けてるんで、やれと言われればやりますけど。もうシングルで4回、タッグあわせたら7、8回やってるんでね。どうせ新日本とやるなら他の選手ともっとやりたいので。やれと言われれば後藤選手とやりますけど、こちらから望むのであれば別の選手とやりたいです」
——いまの言葉のなかで、誰か気になる選手はいますか?
杉浦「やっぱりチャンピオンでしょ。そのときにベルトを巻いてる人間ですね」
——2012年はIWGP挑戦もあるかもしれない?
杉浦「頑張ってまではやらないよ。他の団体のベルトなんだから。やっぱりGHCが上だと思うし。本来ならGHCはノアの人間が狙うべきだから。それを放っておいてIWGPをやろうとは思わないし。ただ頭の片隅にちょっと置いておくだけで。その程度」
——2012年、新しい杉浦選手がスタートしていくと思いますが、一番近いところでタッグなのか、シングルなのか、タイトルなのか何を狙ってスタートしますか?
杉浦「それはノア内のベルト、シングル、タッグ、どちらでもいいですけど今年一年はベルトを狙っていきたいです」
——去年はベルトを失って、これから新しい動きに向けて杉浦選手のなかで具体的に考えていることは?
杉浦「まず、タッグでうちの丸藤、副社長と組んでるんで。なにか大きな動きを見せたいし。シングルは次が決まってるんでそれが終わってからね。どっちがチャンピオンになるかわからないけど、ふがいようだったらいつでも行く準備はできてます」