かつて新日本プロレスの同門だったライガー、船木、佐野が、ドリームチームを結成。3人と同時代を過ごした鈴木は、青木、タイチと組んで、反対コーナーに立つ。
　
　ライガーは、現在の“獣神サンダー・ライガーバージョン”とデビュー当時の“獣神ライガーバージョン”のハーフマスクで入場。そして、鈴木に向かってマントを投げつけるが、鈴木がそれを拾って観客席に投げ捨ててしまう。
　
　そんな中、船木とタイチの先発で試合がスタート。今回もまともに闘おうとしないタイチへ容赦ない罵声が浴びせられる。すると船木が、軽々とタイチを蹴散らした。
　ライガー対鈴木の場面。鈴木がライガーのマスクに手をかけ、止めに入った村山大地レフェリーと言い争いになる。さらに、青木とタイチも反則プレーでライガーを痛めつけて行く。
　その後、タイチがライガーを挑発し、ショートタイツ姿に変身してロープへ走る。だが、ライガーが風車式バックブリーカーで逆襲。タッチを受けた佐野は、ローリングソバットでタイチ、青木、鈴木を次々と蹴散らし、なおもタイチにローリングソバットを見舞う。しかし、タイチは顔面攻撃、顔面キックでお返し。
　佐野対鈴木の場面。鈴木が、串刺しフロントハイキック、ランニングローキック。そして、卍固めを極めるものの、船木がカットに入る。怒った鈴木が船木へ襲い掛かると、そのあいだに復活した佐野がローリングソバットで逆襲した。
　船木対鈴木の場面。船木が、キック連射でダウンを奪い、腕ひしぎ逆十字固め。そこからチョップ合戦になるが、鈴木が攻撃をかわしてスリーパーホールド。そして、アキレス腱固めで船木を捕らえると、青木がダイビングボディプレスをお見舞い。続いて鈴木は、ゴッチ式パイルドライバー式に行くが、佐野がキックでカットした。
　船木対青木の場面。船木、ライガー、佐野がトリプルドロップキックで青木を倒し、ライガーがパワーボムホイップ、佐野がダイビングフットスタンプ、船木が腕ひしぎ逆十字固めで追撃。
　さらに、ライガーがコーナー最上段からのプランチャ、佐野がプランチャで鈴木とタイチを分断。そして船木は、青木をバックドロップからフォールするものの、カウントは2。
　すると船木は、浴びせ蹴りで青木に追い討ちをかけ、最後はスタンディング片羽締めでギブアップを奪った。

──素晴らしい勝利おめでとうございました。感想を教えてください。
佐野「う〜ん、そうだね。久々っていうのもあるけど、まあちょっと時間が経てば空気でわかってくような感じがしたんでね。まあ、短い闘いだったけど、もっともっとやりたかったなっていう。相手も簡単じゃないからね、なかなかリズムを掴ませてもらえなかったけど」 
船木「やっている時もそうなんですけど、コーナーで帰っきた時に佐野さんと話をしたり、ライガーさんと話をしたんですけど、二度とないと思っていたので、本当にいい空間でしたね」 
ライガー「相手が相手なんで、そんなノスタルジックに浸っている訳にはいかない。この中では自分が年長者なんで足を引っ張らないように。あとは“鬼に金棒”ですよ。あとは何もない」 
──同窓会のような雰囲気は漂っていましたが、お三方がそれぞれシングルマッチで向かい合うっていうのはいかがでしょう？
佐野「見たい人がいれば可能性もあるけど。気持ち的にはあるけど、どれだけ期待されるかじゃないですかね？
船木「やるのはいいと思いますね。あとはそれぞれの会社がの社長が話し合えばいいと思います」
ライガー「僕は難しいこと考えないで、昔のオールスターで猪木さんが『馬場さんやりましょう！』と。それで馬場さんが『よしやろう！』と。その返事、受け答え、会話、頭に残っていますんで、僕は彼らに『是非やりましょう！』と言いたいです。返事は聞かなくていいよ」
──被災地へのメッセージをいただいてもよろしいでしょうか？
佐野「まだまだ大変な日々の中で暮らしておられると思いますけど、少しでも役に立てるこういう場に参加できたことを嬉しく思います。本当にこういう機会を楽しめたし、少しでもみんなに伝わればなと思います」 
船木「この間も仙台に行ったんですけど、仙台の港とかもまだまだ地震の跡が残っていまして、これからまだ復興はかかると思うんですけど、最後まで諦めないで頑張ってほしいですね。自分たちも頑張って試合をして、勇気を与えられるような試合ができればと思います」 
ライガー「半年経って落ち着いた感はありますけど、ところがどっこい被災地っていうのはこれからが復興に向けて歩き出す一歩だと思いますんで。その一歩、一歩、僕たちが試合を通して勇気づけて、頑張ろうっていう気持ちになってくれれば嬉しいし、プロレスには人生が詰まっていると思いますし、プロレスの試合にはね。苦しいこともある、悲しいこともある、つらいこともある。でも、勝った時の喜び、それが被災者のみなさんに伝わると思います。今は復興に向けて苦しく大変だと思いますけど、それができた時、凄い喜びを分かち合えるんじゃないかと思います。それはプロレスの試合も一緒でね。そういうところを共有できればと思います」 
──ライガーさん、マスクの顔はデビュー当時の獣神ライガーのマスクだと思いますけど。
ライガー「僕は佐野直喜っていう人間に負けたくなかったし、船木誠勝にも一緒にイギリス遠征して、負けたくなかった。船木選手とはイギリスから帰ってきて進む道が違いましたけど、僕はライガーやってやるという気持ちがありました。そのお互いのライバル心、キャリアがどうとか、歳がいったからどうとかじゃなくて、今でも負けたくないし、佐野さんも船木も『ライガーなんかには負けてねえよ』って絶対思っているし、その意味も含めて原点回帰。いま新日本のリングはデヴィットや田口といったが凄い試合をしている。俺はチャレンジャーなんでね。キャリアがどうとか過去は関係なく、俺はチャレンジャーとして、初心に戻って頑張りたいと思いますし、まだまだこの2人に負けたくないという頑張りの気持ちのあらわれです。
──ということは今日は武道館にカルガリーの風が吹いたということですか？ 
ライガー「カルガリーとイギリスと」 
船木「リバプールです（笑）」 
──失礼しました、リバプールです。
ライガー「あっちゃこっちゃから吹きました」
 
 
鈴木「あいつら25年以上もやってるのに、たいしたことなかったな」
——それはどんなところで感じましたか？
鈴木「どんなところ？ 俺だったらよ、こんな奴らが相手だったら1分で終わらせるぞ。（タイチに向かって）お前のせいで負けたらしいよ」
タイチ「いや、違います。アイツ（青木）です。あの若いのです。青木です。青木のせいです」
鈴木「何が青木だコノヤロー」
タイチ「（青木に向かって）お前、なに負けてるんだコノヤロー」
青木「うるせえな、コノヤロー。あんなのチョークに決まってんだろ！」
タイチ「テメェが負けたから俺らが負けたんだろ」
青木「うるせえな」
タイチ「第一、なんでお前が鈴木軍に入ってるんだよ」
青木「入りたくて俺は入ったんじゃねえよ」
鈴木「弱いヤツは勝手にやっておけ」
タイチ「ボス、なんですかコイツ」
鈴木「文句あるならそこでやっつけろ！ オイ、青木！ こいつをぶっ飛ばしたら一緒にやろうぜ」（と言って控室へ）
タイチ「ちょっと待ってください、ボス！ 違いますよ」（鈴木を追いかける）
——青木選手、今日の試合を振り返っていかがでしたか？
青木「知らねえよ。そんなもん、最後はチョークだろ」