5月のアメリカ遠征で行なわれたトーナメントを制し、初代IWGPインターコンチネンタル王者となったMVPが、決勝戦の相手である矢野とリターンマッチ。
　
　いきなりペットボトルの水を浴びせてMVPを激怒させた矢野が、そしらぬ顔で握手を求める。MVPが仕方なくこれに応じると、ニヤリと笑った矢野は手を思い切り握る。ところが、すぐMVPに握り返され、悶絶してしまう。
　ここからMVPが、フライングメイヤー、サッカーボールキック、低空ランニングキックで追撃。そして、顔面攻撃を受けてもひるまずに反撃すると、矢野の頭をエプロンから場外に出し、ランニングニーアタックを食らわせる。
　リングに戻ると、MVPがジャンピングニードロップで追撃。そして、コーナーへのぼるものの、矢野が脚を掴んで引きずり落とし、場外に追い込んで鉄柵攻撃。さらに、観客のミネラルウォーターを強奪して、MVPに浴びせかける。
　リングに戻り、矢野がコーナーのクッションを取り外し、むき出しになった金具へ何度もMVPを叩きつける。さらに矢野は、止めに入ったレッドシューズ海野レフェリーにも暴行をくわえ、「ヤノ！トー！ ル！」アピールを観客と大合唱。
　しかし、MVPはカウンターフロントスープレックスで反撃し、エルボー連打、ショートレンジラリアット、ボーリンエルボー、フィッシャーマンズスープレックスホールドと一気に畳み掛ける。
　続いてMVPがバックを取ると、矢野はロープを掴んで抵抗。しかし、MVPが強引に引っこ抜いてジャーマンスープレックスホイップ。すると矢野は、赤霧で丸め込んで流れを変え、強力から鬼殺しに繋ぐものの、持ち上げられずに失敗。すかさずMVPがエビ固めを繰り出すが、矢野も回転して切り返す。
　すると、MVPが再びバックを取るが、矢野は海野レフェリーの服を掴んで抵抗。だが、海野レフェリーが張り手で振りほどき、MVPがジャーマンスープレックス。これを3連続で決め、矢野にダメージを与える。
　さらにMVPは、コーナー最上段にのぼるが、矢野が追いかけて雪崩式ブレーンバスターで逆襲。しかし、その直後にMVPが自分の脚を矢野の脚に絡ませて押さえ込み、勝利への執念を見せる。
　だが、矢野はマンハッタンドロップでMVPの動きを止め、両脚を掴んで投げ飛ばし、コーナーの金具に激突させる。そして、今度こそ鬼殺しを決めてフォールに行くものの、カウントは2。
　劣勢となったMVPは、矢野の突進をかわしてコーナーの金具に激突させ、プレイメーカーの体勢に入る。すると、切り抜けた矢野が逆さ押さえ込みを繰り出すが、MVPが跳ね返してジャパニーズレッグロールクラッチホールドで3カウントを奪った。
　
　試合後、MVPがファンに勝利をアピールしていると、矢野が背後からの急所攻撃で腹いせ。そして、CHAOSチェアーで殴打すると、どこからかハサミを持ち出し、なんとMVPの髪の毛を切り落としてしまう。
　矢野は、不敵な笑みを浮かべ、またもや「ヤノ！ トー！ ル！」とアピールするものの、その非道ぶりを目の当たりにしたファンが声を揃えることはなかった。
　その後、ようやく起き上がったMVPは、キング・ファレの指摘を受けて自分の髪の毛が切られたことにようやく気づく。そして、手で頭を押さえつつ、足早に退場して行った。

ＭＶＰ「（髪の毛を切られたあとを見て、呆然としながら）…………。俺は、ヤノとはもっとハードな試合になると思った。ただ、アイツには俺へのリスペクトが何もなかった。ヤツには威厳も何もない……。アイツがいろいろなことをしようとしたのはわかるが。そして、……俺は6年も髪の毛を切っていなかった! なのにアイツは髪を切りやがった！ ヤノよ、これからはべルトなんか関係ない。俺自身の尊厳を賭けた闘いだ！（机を勢いよくひっくり返して）オイ、ヤノはどこだ！ どこだ？ どこなんだ！！」
　 
矢野「オイ、バカが！油断してんじゃねぇバカヤロー！俺の狙いが“ベルト獲り”だと思ってんのか？コノヤロー！オマエな、脳ミソおかしくなっちゃってんだバカヤロー！オイ！手始めだ、こんなものは。オマエのすべて奪ってやる、バカタレ！」