クアーズ ライト Presents DESTRUCTION'09
- 日時
- 2009年11月8日(日) 16:30開場 17:00開始
- 会場
- 東京・両国国技館
- 観衆
- 7500
-
第9試合 60分1本勝負
IWGPヘビー級選手権試合- (第53代王者)
- (挑戦者)
※王者が2度目の防衛に成功レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
グラウンドの攻防のあと、手四つの力比べになり、棚橋がダブルリストアームサルトからストンピング連打。しかし、その足を掴んだ中邑はアキレス健固めで反撃。棚橋も脚を取って中邑の脚を極め、両者はもつれてロープブレイクとなる。
棚橋は中邑の右ミドルをキャッチして、左ヒザへ低空ドロップキック。ここからヒザへの集中攻撃を開始する。これに対し中邑は、棚橋のプランチャをかわしてミドルキック。リングに戻ってからは、徹底したボディ攻撃で試合を優位に進める。
棚橋はドラゴンスリーパーで突破口を開き、フライングフォーアーム、エルボー&太陽ブロー連打、エルボースマッシュ連打、ダイビングサンセットフリップ。
これに対し中邑は延髄斬りで反撃し、棚橋を前方に投げ捨て、そのボディに低空の膝蹴りを見舞う。さらにストマックブロックで追い討ちをかけた中邑は、スリングブレイドをかわしてスリーパーホールド。だが、これを前方に投げ捨てた棚橋は、スリングブレイドで逆襲。
棚橋が張り手を放つと、中邑も張り手連打でお返しし、ミドルキック連射でダウンさせる。それでも、すぐに起き上がった棚橋が張り手を放つが、続いての一撃 に中邑が飛びつき腕ひしぎ逆十字固めを合わせる。だが、これをすり抜けた棚橋がグラウンドでのドラゴンスクリュー。さらにテキサスクローバーホールドで追 撃する。これに対し中邑は、腕ひしぎ逆十字固めと脇固めで対抗。
両者へのコールが交錯する中、中邑がキック連射。しかし、続いての串刺し攻撃は 棚橋にかわされて失敗。それでも中邑は、ゼロ戦キック、タイガースープレックスホールド、リバースパワースラムで反撃。だが、すぐに立ち上がった棚橋は、 ダルマ式ジャーマンからスリングブレイド。そして、うつ伏せにダウンした中邑へコーナー最上段からハイフライフローを投下する。そして、正面から2発目の ハイフライフローでダイブするものの、かわされて自爆。すかさず中邑が後頭部へボマイェを見舞うとダブルダウンとなり、両者はカウント9で同時に立ち上が る。
ここで中邑は、棚橋の側頭部へハイキック。これを棚橋がダッキングでかわすと、中邑は返しのバックスピンキック。そして、すぐさまフロントネックロックを極める。
「落とせ」コールと「棚橋」コールが交錯する中、中邑はスリーパーホールドへ移行。これで棚橋がグッタリすると、リバースパワースラム。そして、十分に助 走をつけたボマイェを発射。しかし、これをかわした棚橋がスクールボーイで丸め込む。さらに棚橋は、ドラゴンスープレックスホールドから変型ファルコンア ロー。そして、ハイフライフローでダイブ。ところが、中邑はパンチでこれを迎撃し、ハイキック、もう1発パンチ。最後はボマイェで棚橋を粉砕した。
2度目の防衛に成功した中邑は、これまで巻いていなかったIWGPヘビーのベルトをその腰に巻き、「これで暫定王者じゃなくなったでしょ。これが本物の IWGP!」と勝利者インタビューに答える。そして、「一つ指名できるなら、永田裕志。借りは早めに返したいしね。まぁ、俺の希望が通るかどう か。(IWGP)実行委員会、あとは決めてくれよ」と、次期挑戦者に永田を指名した。
そして、最後に中邑は「誰が言ったかは覚えちゃいねぇ。過 去には勝てねぇ。昔の思い出とは闘えない。俺は29歳。プロレスもまだ7年。そんなこっちゃ分かんない。過去と闘って何が悪い! 昔を越えようとして何が悪い! 未来は俺が作る! 生きたいように生きる! なりたい自分になる! それがプロレスラーだろ! 以上!」と、思いのたけをぶちまけた。
COMMENT
中邑「まぁ、リングに上がり、肌と肌、拳と拳、身体と身体で、それだけでしかわからない感情っていうのはあるよね。棚橋弘至、リングの上で感じたよ」
——これで新日本の未来を作るのは、中邑さんになったが?
中邑「自分は生きたいように生きる。なりたい自分になる。そのためなら手段は選ばないね。まだまだ、強くもなりたい。自分がどこまで行けるのかそれも試したい。止まってられない!」
——挑戦者として永田裕志の名前が出てきましたが?
中邑「先シリーズ、デッカイ借りを作っちまったからね。まぁ、(IWGP)実行委員会? 会社が俺の言うことを聞くかどうかは知らないよ。チャンピオンとして挑戦者を指名したってこと。希望が通るならね、永田裕志。まずはあの男、それだけです!」
——リング上で「これで暫定王者じゃなくなっただろ」と言ってましたが。これから、どういう王者像を目指す?
中邑「ベルトに輝きを、プロレスに未来を……俺は“最強”を目指したいね」
——今日はIWGPのベルト、しっかり輝いているように見えたが?
中邑「まだまだ、自分が求めるのはもっと先。少しでも限界を決めたら、終わるでしょ」
——ここに至るまでいろいろあったが、それに関してはいったん区切りがついた?
中邑「そうだね。まぁ、またどこかで何が起こるか、わからないのが世の中、社会、プロレス界だから。自分も歩みをやめたわけじゃない。一つのことが起きて、そこで何かが生まれ、また次、何かを起こせば、また何かが生まれるでしょう。以上です」
※棚橋は、試合を終え、息も絶え絶えにコメントルームで倒れこんでいた。そこへ、突然、後方からTAJIRI、そして邪道、外道が出現。
TAJIRI 「大丈夫ゥ? 棚橋くん、大丈夫ゥ? わぁ〜、また負けたの? クククク! ダメだねぇ、君。だからさ、僕、後楽園で言ったじゃん? 君はベルトに挑戦す る資格なんてないんだって! 君は100年に一人の逸材なんかじゃない。君は100年に一人のダメ人間なんだよ!」
ここで、棚橋は「なんだ、オラ〜!」と立ち向かっていくが、行く手を外道が阻む。そして至近距離からTAJIRIが毒霧噴射!
まともに食らった棚橋はまたもや動けず……。だが、「うおおお!」と吼えながら、すっくと立ち上がった棚橋は追いすがる報道陣に「なんもねぇ!」とコメントしながら、控室に消えていった。