蝶野正洋25周年特別興行 ARISTRIST in 両国国技館
- 日時
- 2009年10月12日(月) 15:30開場 16:00開始
- 会場
- 東京・両国国技館
- 観衆
- 11000
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第7試合 60分1本勝負
ダブルメインイベントI・IWGPヘビー級選手権試合- (第53代王者)
- (挑戦者)
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中邑 真輔
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大谷晋二郎
※王者が初防衛に成功レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
序盤、中邑をコーナーに押し込んだ大谷が、不意打ちを食らわせる。すると、怒った中邑がニーリフト連射、顔面へのフロントハイキックで報復。これに対し大谷は、ジャーマンスープレックスホールドで反撃し、ニアフォールを奪った。
ここから一転してグラウンドの攻防になり、両者互角の展開。中邑がスタンドでのチキンウィングアームロックから脇固め、さらに腕ひしぎ逆十字固めを極めると、大谷はロープエスケープ。打撃で追撃した中邑は、大谷をコーナー最上段に乗せ、助走をつけた膝蹴りを見舞う。
これに対し、大谷はカウンターレッグラリアットで逆襲。そして、張り手、逆水平チョップ、串刺しフロントハイキック2連発でダメージを上乗せし、大歓声の中で“元祖”顔面ウォッシュを敢行。
ここから中邑の反撃を食らった大谷だったが、蹴り脚をキャッチしてフライングニールキックで反撃。そして、ハイキックをかわしての水面蹴りで中邑を倒し、ドラゴンスープレックスホイップから押さえ込むが、カウントは2。
劣勢の中邑は、飛びつき腕ひしぎ逆十字固めで逆襲し、大谷をロープエスケープさせる。さらに、タイガースープレックスホールドで固めるものの、カウントは2。
チャンスと見た中邑はボマイェを発射するが、大谷にかわされて勢いよくコーナーに激突。すかさず大谷が、ジャーマンスープレックスホイップで投げ捨てる。 さらに大谷は、中邑をコーナー最上段に乗せ、雪崩式ブレーンバスターを狙う。中邑の反撃に遭って3回転落したものの、4回目のトライで中邑をマットに叩き つけた。
さらに大谷は、背中へのミサイルキック、袈裟斬りチョップ連射、スパイラルボムで追撃。そこからドラゴンスープレックスを狙うものの、投げることはできず。
対する中邑は、カウンタージャンピングキックで反撃し、スリーパーホールド。そして、リバースパワースラムからフォールに行くが、大谷はカウント1で返す。
中邑の攻撃は続き、強烈なスリーパーホールドで大谷の首を絞め上げる。これはガッチリと極まっていたが、大谷は中邑を前方に投げ捨てて脱出。だが、中邑は大谷の袈裟斬りチョップをハイキックで防御。さらに、大谷の袈裟斬りチョップと中邑のパンチが相打ちとなる。
しかし、中邑はパンチで大谷をダウンさせると、後頭部へのボマイェ。そして、最後は正面からもボマイェをさく裂させ、大谷を沈めた。
試合後、中邑が握手の手を差し出すと、これを握り返した大谷が、「チャンピオン、負けといて最後に言うのはカッコわりぃけど、一つだけ! 声援をくれる方も、ブーイングをくれる方も、心の叫びを聞いて下さい。大谷晋二郎の息の根がある限り、ZERO1はいつだって元気です!! ありがとうございました!」とマイクアピールした。
大谷が退場すると、初防衛に成功した中邑に、認定証、トロフィー、IWGPヘビー級ベルトが 手渡された。すると、そこへ前王者の棚橋が登場。中邑の目の前に立ちはだかるものの、不快感を示した中邑はそっぽを向いて相手にしない。それでも食い下 がった棚橋は、改めて中邑の目の前に立ち、「中邑。俺は認めてねぇ。この俺を倒さない限り、チャンピオンとは言わせねぇ! お前が挑戦を受けるまで何回でも言うぞ。どうだ、うっとうしいだろ? さっさと挑戦受けろ! 暫定王者!」とマイクアピール。これに対して中邑が「欠場してるのに何言ってんだ。下がれ! 下がれ」と反撃すると、棚橋は「俺は17日から復帰する! これで文句ねぇだろ!」と次期シリーズからの戦線復帰を宣言し、花道を引き上げた。
最後に中邑は「ありがとう、大谷晋二郎。橋本真也が作った団 体を率いる大谷晋二郎。でも、橋本真也ではない。俺は、橋本真也を知らない。闘ったこともなければ、ましてや会ったこともない。でもな、橋本真也の言葉は 覚えている……。『何がアントニオ猪木じゃ!!』俺の狙いはアントニオ猪木。これ以外の何ものでもない。以上」とマイクで言い残し、退場して行った。
COMMENT
大谷「オイオイ、俺はひざまついたりなんかしねぇぞ、コラ! 中邑真輔ってまったく知らなかったけど、熱いチャンピオンじゃねぇか! いいか、奴が嫌だって言ってもな、大谷晋二郎と中邑真輔のドラマは今、始まったんだ。どうせアイツは、リングで『猪木さん、猪木さん』、『IGF、 IGF』って言うのかもしんねぇけどな、もし今日の試合が終わって、俺の名前を出さなかったりしてみろ。アイツの株はガタ落ちだぞ。いいか、お前ら、負け た人間のところに話を聞きに来たのかもしんねぇけどな、一つだけ言ってやるぞ。俺の持ってるプロレスの教科書を発表してやる、177ページだ。いいか、本 当に強い男ってのはな、勝ち続ける男じゃねぇ、何度倒されても立ち上がる男のことを言うんだ! 立ち上がる男のことを言うんだ! 負けてたまるか! おい、ZERO1は元気なんじゃい! これに文句あるヤツは俺の前に出て来い! ぶっとばしてやる。そんなにヤワじゃねんだ、橋本と大谷が作ったZERO1はよ! (『勝負どころで水面蹴りやケサ斬りチョップをどんな思いで繰り出しましたか?』)オイ! そんなお涙ちょうだいがほしいか? こんなことな、言わなくたってな、ファンには伝わってるはずだろうが! オイ、(胸を叩いて)ここにいつだっているんだ、橋本真也は!! そんな質問してんじゃねぇぞ! 今日は、ZERO1が新日本に負けたんじゃねぇぞ! 大谷晋二郎が中邑真輔に負けただけだ!(ZERO1メンバーを見て)コイツらが負けたわけじゃねぇからな。(『大谷コールもありましたが?』)うれしく ねぇわけねぇだろうが! 新日本時代の俺を覚えてくれる人もいるってことだ。いいか、ZERO1が新日本に負けたんじゃねぇぞ! すぐにまた取り返すからな!」
※中邑に挑戦表明、復帰宣言した棚橋のコメント
棚橋「まぁ、俺は負けてベルトを獲られたわけじゃな いし、挑戦する権利はある。俺は中邑のことはこれっぽっちも認めてないし、復帰しろって言うから、もうスクランブル発進ですよ。次のシリーズから戻って ね、俺の今の標的は中邑だけ。(『今日の試合の感想は?』)ああ、完全に大谷晋二郎の試合ですよね。俺は中邑真輔をチャンピオンとしては認めてないから。 ストロングスタイルとか言ってますけど、ストロングスタイルっていうのはただの言葉ですから。言葉に縛られていたら、何もできないですよ。プロレスは無限 ですから。(『中邑選手の初代IWGPを取り戻すという発言に関しては?』)チャンピオンは何を言ってもいい存在ですけど、まずは俺を倒せ、と。そういう ことです」