Dissidence
- 日時
- 2009年5月6日(水) 11:30開場 12:00開始
- 会場
- 東京・後楽園ホール
- 観衆
- 2005
-
第7試合 60分1本勝負
IWGPヘビー級選手権試合- (挑戦者)
- (第50代王者)
※中西が第51代王者となるレフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
棚橋は、場外へ追いやった中西目掛けて、エプロンからのトペコンヒーロ。しかし、中西は怯まず、“場外”水車落とし。そこから棚橋を抱え上げるが、脱出されて低空ドロップキックを食らってしまう。
ところが、中西はこれでもペースを崩さず、逆水平チョップ連打。すると、棚橋はロープ越しのドラゴンスクリューを敢行し、今度こそ中西を失速させる。
リングへ戻った棚橋は、監獄固めで中西を捕獲。すると、中西は、強烈な張り手1発で棚橋を怯ませて脱出。しかし、棚橋は、すぐにドラゴンスクリューから足4の字固めを極め、野人の脚部に悲鳴を上げさせる。
なんとかロープエスケープした中西は、棚橋の首を鷲掴みにして、ショートレンジラリアット。そこからコーナーでの逆水平チョップ連打、串刺しラリアット、ブレーンバスタースラムを経て、ジャンピングニードロップを狙うが、棚橋に避けられて不発する。
棚橋は、ダイビングサンセットフリップから中西をカバー。すると、中西はアイアンクローで棚橋の顔面を掴んでフォールを返し、ミサイルキック、プランチャといった空中殺法を見せる。
棚橋は、「来い、中西!」とエルボー・張り手合戦を仕掛けるが、中西の強烈な1発で打ち負けてしまう。しかし、串刺し攻撃で突っ込んできた中西にカウンターの低空ドロップキック。そこからドラゴンスクリューからテキサスクローバーホールドでギブアップを迫る。
その後、野人ハンマーと低空ドロップキックの打ち合いで共倒れになると、「棚橋」「中西」コールが飛び交う。そんな中、棚橋がドラゴンスリーパーを極める と、中西は強引に抜け出し、棚橋の体を肩に担いでアバランシュホールド。だが、棚橋はすぐにスリングブレイドで応戦。ハイフライフローを狙うべく、コー ナー最上段へ乗る。
ところが、中西は起き上がり、棚橋を捕まえて“トップロープ”雪崩式ブレーンバスター。大「中西」コールを浴びると、ラリ アットで棚橋をフォール。カウント2でクリアされると、アルゼンチンバックブリーカー。そこから棚橋の体を左右にスイングさせてマナバウアーを狙う。とこ ろが、棚橋はこれを不発させ、反撃のスリングブレイド2連発。そして、ハイフライフローで飛ぶが、中西に両膝でブロックされる。
中西がアルゼンチンバックブリーカーの構えに入ると、棚橋は強引に丸め込んで阻止。そして、フルネルソンからのダルマ式ジャーマンスープレックスホールドを経て、ハイフライフローを中西の膝に命中させ、テキサスクローバーホールド。
だが、中西はアイアンクローで棚橋に抵抗して脱出。そこからアルゼンチンバックブリーカーで棚橋を担ぎ上げ、ヘラクレスカッターを炸裂させる。
そして、中西は、必殺の大☆中西ジャーマンを解禁するも、棚橋にカウント2でクリアされる。すると、中西は、トップロープの上へ棚橋を投げ飛ばし、ロープ の反動で戻ってきた棚橋の背後を取ってジャーマンスープレックスホールド。これで3カウントを奪い、中西が悲願のIWGPヘビー級王座初戴冠を果たした。
観客が大「中西」コールを飛ばし、セコンドの永田が笑顔を見せて歓喜する中、ベルトを腰に巻いた中西は、リング上で勝利者インタビューに答えた。
中 西「ありがとうございます。本当に、中西学を今まで見捨てずにいて頂き、ありがとうございました!(『解説席で山本小鉄さんが涙を流していました』)あり がとうございました。足もそうですけど、体全体がダメになってます。やっぱりチャンピオン(棚橋)は凄いですね。せやけど、今日から俺がチャンピオンとい うことで、守らなアカンもん、背負わなアカンもんが分かりました。ただただ、今日は皆さん、本当にありがとうございました! これに自惚れることなくですね、また一生懸命やっていきますのでよろしくお願いします!(『ノアとの対抗戦は?』)スイマセン、派手なことを言いたいんで すけど、今チャンピオンになったばっかりなんで(笑)。いつも気が早いことばっかで、失敗ばっかりしてるから(観客爆笑)。ここは1つ、このベルトのこと を噛み締めたいと思います。これからも中西学と新日本プロレスをよろしくお願いします。ありがとうございました!」
COMMENT
中西「棚橋の洗練されたレスリングに、自分の洗練され たレスリングなんかで対抗できんと分かっていたんですけど、少し意識するところがあって、多少はいつもと違ったところが出たと思います。今までやってきた ことを信じて闘ってきました。一番の勝因は、凄く苦しんだからやと思います。あれだけ攻められて痛いのは膝だけやのに、体全体が重たくなって。自分は本当 にどうしようもない人間。プロレスをやってないと何をやっているか分からないような人間なんで。そんな人間が17年間、プロレス(界)にいれただけでも奇 跡みたいなもの。せやけど、17年間、何を目標にしてきたかっちゅうたら、このタイトルを目標に生きてきました。バカな男ですけど、バカな男なりに目指す ものがあったからここまで来れた。あと、1人では絶対にできんかった。力になってくれた人がいて、ファンの皆さんがあれだけ声援をくれて。本当にいつ見捨 てられても仕方がない状況やったのに、声が枯れんばかりに応援してくれた。このお客さん(の期待)にやっと応えられたという心境ですね。デビューの頃から 本当に応援してくれているお客さんがいますから。応えられましたね、お世話になっている人に。タイトルを獲ってもちろん嬉しいけど、これからがキツいと思 う。でも、自分に今までの失敗を十分に言い聞かせて、20年、30年と目指して頑張っていきたいと思います。(『少し涙が見えるが?)』どうでしょう。よ く分からないですけど、勝った嬉しさももちろんあるし、お客さんの顔を見た瞬間、スタッフ・レスラー仲間の顔を見た瞬間、本当に感謝の気持ちで。そういう のを考えると、ホンマに胸が熱くなりましたね。汗以外のものが出たかもしれません。(『目指すチャンピオン像は?』)獲ったばっかりで考える余裕はないん ですけど、もちろんチャンピオンらしいレスラー。そこに“中西学らしい”というのを加えていきたいですね。今なったばっかりでチャンピオンとしての意識が あるとは言えないですけど、これから作っていくもんやと思う。なかなか作れるもんやと思いませんから。(『同世代がIWGPヘビーを戴冠する中、どのよう な心境だった?』)前向きにやって腐っての繰り返しでした。口ではいつもカッコいいことを言っているんですけど、1人になってみるとネガティブなことを考 えて、それやったら練習してた方がエエと。体を鍛えるっちゅうのは、余計なことを考えんでいいんで。俺は足腰が立たんようになるまでプロレスをしたいです から。(『ベルトの感触は?』)重いですね。それはベルトの重さじゃなくて、応援してくれる皆さん、ベルトの歴史。これからももっと感じていくと思いま す。(『棚橋選手がリターンマッチを要求していたが?』)もちろんです。どんな形であれ、タイトルマッチはタイトルマッチ。俺が勝ったことも事実です。素 晴らしいチャンピオンと素晴らしい元チャンピオンで、俺自身もやりたいですから」
棚橋「超つぇな、クソ! 悔しいぜ。ただ、中2日でタイトルマッチを組んだこと、少しも後悔してないからな! 俺は毎日、精一杯生きてる自信があるからな! 1個も後悔してねぇ。 超つぇな、中西学。けどな、俺のお願いを1つだけ聞いてくれ。次は、俺に挑戦させてくれ。それが俺の望みだ」