フィールズPresents レッスルキングダムIII in 東京ドーム
- 日時
- 2009年1月4日(日) 15:30開場 16:00開始
- 会場
- 東京・東京ドーム
- 観衆
- 40000
-
第10試合 60分1本勝負
IWGPヘビー級選手権試合- (挑戦者)
- (第49代王者)
※挑戦者が第50代王者となるレフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
棚橋は、武藤がフラッシングエルボーで応戦してきても、足攻めを続ける。しかし、武藤は、棚橋に足を掴まれるとシャイニングウィザードで脱出し、ドラゴンスクリュー。さらに、エプロンに立った棚橋の足を捕まえドラゴンスクリューを敢行するという荒技も見せる。
武藤は、これを突破口に、鉄柵を背にした棚橋にシャイニングウィザードをヒットさせ、鉄柵越し、ロープ越しのドラゴンスクリューというエグい技で棚橋の足を集中攻撃。そして、ドラゴンスクリューからの足4の字固めで、棚橋の足を絞り上げる。
なんとかロープに手を伸ばした棚橋は、低空ドロップキック合戦を仕掛けるも、ドラゴンスクリューを食らってマットへ倒れ込んでしまう。すると、武藤は、躊躇なくドラゴンスクリューからの足4の字固めで棚橋をまたも捕獲する。
苦しい展開を強いられる棚橋だったが、武藤がドラゴンスクリューを狙ってくると張り手で阻止。さらに、武藤の足をすくって転倒させ、ボディへのナックル連打、ダイビングサンセットフリップと畳み掛ける。
勢いに乗る棚橋だったが、武藤はそれを許さず。串刺しシャイニングウィザード、ドラゴンスクリュー、シャイニングウィザード2連発(正面、後頭部)ですぐ に棚橋を黙らせる。しかし、棚橋は、武藤がその後放ったシャイニングウィザードを手でブロック。グラウンド式ドラゴンスクリューで武藤の膝に悲鳴を上げさ せ、テキサスクローバーホールドを極める。ところが、武藤に抵抗されたため、途中で技を外し、連続フラッシングエルボー、低空ドロップキックを繰り出す。
勝負に出た棚橋は、スリングブレイド、だるま式ジャーマンから、ハイフライフローで武藤へダイブ。だが、武藤の足攻めによるダメージの影響で、フォール出 来ずに終わってしまう。その直後、武藤が反撃のシャイニングウィザード。すると、棚橋はすぐに起き上がってスリングブレイドで応戦。両者はこれでダウンす る。
先に起き上がった武藤は、低空ドロップキックからシャイニングウィザード。しかし、棚橋はしゃがんで回避し、スリングブレイド。そして、コーナー最上段に乗るが、武藤に捕まり、雪崩式ドラゴンスクリューの餌食になってしまう。
勝機と見た武藤は、LOVEポーズから渾身のシャイニングウィザードで棚橋をカバー。だが、カウントは2。すると、武藤は、低空ドロップキック、ドラゴンスクリューから、足4の字固めへ。棚橋にロープエスケープされると、首へのドラゴンスクリューという大技を繰り出す。
しかし、棚橋も向かってきた武藤をフランケンシュタイナーで押さえ込んだり、首へのドラゴンスクリューを敢行したりと、武藤の得意技を拝借して対抗。そして、ジャーマンスープレックスホールド、ドラゴンスープレックスホールドで連続してカウント3を迫る。
棚橋は、スリングブレイドからハイフライフローでダイブするとフォールへはいかず、すぐにコーナー最上段へ乗ってもう1発。だが、武藤に避けられて自爆。
武藤は、シャイニングウィザードを放ち、ムーンサルトプレスを敢行するが、棚橋に避けられてしまう。そして、棚橋は、90度旋回式ハイフライフローをお見舞いした直後、ダメ押しのハイフライフローで武藤からピンフォールを奪取。長く厳しい闘いを制し、新王者に輝いた。
試合後、棚橋はなかなか起き上がれなかったが、セコンドについていた井上の肩を借りて立ち上がり、IWGP実行委員会の山本小鉄が読み上げた認定書、そしてベルトを受け取った。ベルトを腰に巻くと、リング上で行なわれた勝利者インタビューでコメントした。
棚 橋「ありがとうございました! 俺が新日本プロレスを愛しているという気持ちです。リング上はもっと孤独な場所だと思っていましたけど、今日は皆さんの声援が心に染みました。(次の挑戦 者について聞かれ)真輔! 中邑真輔! 新日本のエースはな、1人でいいんだよ! 次、お前が挑戦してこい! こんなにもたくさんの人に集まって頂いて感謝しています。ずっとプロレスを支えて下さい。今日はありがとうございました!」
インタ ビューを終えた棚橋は、鮮やかな花火が上がる中、花道をゆっくり歩いて退場していく。しかし、入場口の手前に到着すると、「待ってくれ! 1個忘れてた! 帰るのはまだ早いぞ! これからもずっと新日本プロレスをよろしくお願いします。東京ドームの皆さん、愛してま〜す!」と、新年1発目の愛を東京ドームで叫び、花火が上がる中、 今度こそ退場した。
COMMENT
棚橋「プロレスラーになって、色々あって、ケガして、アメリカ行って、帰って来て、そして今日という日を迎えられて、本当に感謝しています」
※ここで棚橋に挑戦者としてマイクで名指しされた中邑が現れる
中邑「(マイクアピールを)聞いたよ。俺はいつでもやってやる。そして、そのベルトも俺がもらう」
棚橋「俺は(去年)お前に2回負けているからな。借りは返す。そろそろハッキリ決着つけよう」
中邑「望むところ。以上(と言って去る)」
棚 橋「(中邑は)悔しいと思うよ。あれだけ“武藤敬司”って言っていてさ。横から俺が(ベルトを)獲っちゃった訳だからさ。それでも、俺のベルトが輝いて見 えるんだったら(闘いたい)。いつも俺と対比されて、真輔というものがあって。いつまでもこの関係じゃダメだと思うんだ。次やるとしたら、真輔しかいねぇ と思います。そして、それが2009年、プロレスの夜明けになると思います。昨日の会見でも言ったけど、こんなにも新日本プロレスというものを意識して試 合したこと無かった。それを思ったら、花道を歩いている時、凄く何かが込み上げてきましたね。俺自身、好き嫌いが分かれる人間というのは分かっているん で。それが、日本全国から『棚橋頑張れ』って応援に来てくれた人がいて。そういう励ましがあって。なんか、これからもずっとずっとプロレスを好きでいて欲 しいなって。プロレスをやっていて、温かい気持ちになりました。1つ、ポイントとしては、武藤敬司がトップロープに上がった時に、失敗して着地したじゃな いですか。それを見て、『俺のヒザ攻め、全部効いていたんだな』と思って。『しめた!』と思って。向こうだって天才だって言われているけど、弱いところあ るじゃないかって。そこで気持ちがイーブンになれたというか。俺にとって苦しい展開だったけど、諦めちゃダメだって思いました。ポイントはそこですね。あ る意味、武藤敬司という存在があったから、俺がここまで引っ張られたというか。プロレスってそういうものだと思うんですよね。誰かと誰かが闘って、次に繋 がって行く。俺だって、内藤や、岡田や、吉橋や、平澤も、絶対、俺の位置まで引っ張り上げてやる。そしたら、プロレスは不滅ですよ。だから、武藤さんの世 代の中で武藤敬司が凄いと思うのは、そういうところです。今日は真面目に闘ったんですけど、それもまた俺だし。いつものチャラけるのも俺だし。どっちも俺 なんで。何も隠さずに、これからは全てをさらけ出したチャンピオンになりたいと思います。『愛してます』って言ってますけど、愛すばっかりじゃなくて、み んなに愛されたいです。愛して下さい」
武藤「ちょっとミスも多かった……。ハイ、質問! 敗者の弁はあまり言いたかねぇからな、すぐ帰るぞ。足もイテェし。(『試合を終えて率直な感想は?』)いやぁもう、大部分が悔しいという気持ちでいっぱい だけど。まぁ、どことなく(IWGPヘビー級)ベルトを獲ってからの半年、一生懸命ベルトを高めるために、まい進してきたからね。駅伝のレースじゃないけ ど、この区間は俺、一生懸命走ったから。後はタスキを棚橋に渡す訳であって。プロレスなんて第三者も必要だけど、自分の気持ちが重要であって、この区間は 俺が“区間賞”、レコードを取ったと勝手に自分で思ってるけどな。後は、それを棚橋なりが引き継いでくれれば。(12/7)大阪なんかも行って、(棚橋の 試合を)何試合か見てるんだけど、今日が一番良かったなぁ、前向きで。やっぱり俺が言った事が功を奏したのか、お客にアピールもせずに俺を攻めてきたし。 そういう部分で言ったら、アイツにバトンタッチしたから、後はアイツらだ。ただ、1つ言えるのは、新日本を守ったのは俺達だとか。守ってないから俺が呼ば れている訳であって。それを自覚してもらわないと困るよ。もう俺が呼ばれないようにしてくれよ。以上だ! かといって、10年後の東京ドームに出てるかも知れないな」