フィールズPresents レッスルキングダムIII in 東京ドーム

日時: 2009年1月4日(日) 15:30開場　16:00開始
会場: 東京・東京ドーム
観衆: 40000

第9試合 60分1本勝負
NJPW vs NOAH Battle Tendencies 〜the encounter〜

中邑真輔
杉浦貴

後藤洋央紀
三沢光晴

境界線

15分17秒　飛びつき腕ひしぎ逆十字固め

レフェリー｜レッドシューズ海野

MATCH REPORT

中邑＆後藤が、ノアのトップである三沢との“初対決”に臨んだセミファイナル。三沢のテーマ曲「スパルタンX」が流れ入場すると、ドーム内から大「三沢」コールが起こった。

　先発を務めた後藤と杉浦は、激しいエルボー合戦を展開。その場面で後藤は、杉浦にフロントスープレックスで投げられてしまう。しかし、エプロンの三沢にニールキックを浴びせ、杉浦を場外へ追いやってトペコンヒーロで追撃。
　続いて、中邑と三沢の場面になると、両者はエルボー合戦を展開。中邑はミドルキックも織り交ぜて打ち合うが、三沢のエルボーには敵わず。フェースロックで捕獲され、その後も三沢のエルボーに苦戦するが、フロントハイキック、浴びせ蹴りなどで応戦する。
　タッチを受けた後藤は、三沢に串刺しラリアット、ダイビングエルボードロップ、バックドロップ。そして、ジャーマンスープレックスホールドでカウント3を狙う。さらに、エルボー連打から三沢のお株を奪うローリングエルボーを狙う。ところが、三沢はエルボーで容易に返り討ちにする。
　三沢と交替した杉浦は、「テメェ、余計だ！」と言いながら、エプロンの中邑をフロントキックで転落させ、中年’sリフトで後藤を投げ飛ばす。さらに、背後から追いかけてラリアットを狙おうとした後藤を、身軽な動きで何度もかわして翻弄。それでも後藤は、杉浦をラリアットで捕え、中邑とスイッチする。
　中邑はリバースパワースラム、ミドルキック連打。これを途中でかわした杉浦は、そのまま中邑を持ち上げて対角コーナーに叩きつける。そして、トレイン攻撃から、水車落とし。三沢のダイビングボディプレスから、アンクルホールドで中邑を捕獲。リング中央でガッチリ極めるも、中邑はなんとかロープエスケープ。
　杉浦は、ジャーマンスープレックスホールドからドラゴンスープレックスホールド。中邑がカウント2で凌ぐと、杉浦はオリンピック予選スラムを狙うが、中邑に不発させられる。すると、その直後、中邑のアシストに入った後藤が杉浦に昇天。さらに、三沢が後藤にエメラルドフロウジョン、中邑が三沢にランドスライドと、リング上は入り乱れる。
　4人がダウンする中、起き上がった中邑と杉浦は、エルボー、張り手合戦。中邑が意表を突くグーパンチを繰り出すと、杉浦はニーリフトで対抗し、オリンピック予選スラム。杉浦がもう1発を狙うと、中邑はアームドラッグの要領で脱出し、ランドスライドの構えへ。すると、杉浦はこれを不発させ、中邑にジャーマンスープレックスホイップ。ところが、中邑はすぐに起き上がり、ハイキックからの飛びつき腕ひしぎ逆十字固め。杉浦を一気にタップさせた。

　勝利を収めた中邑＆後藤は、「ザ・スコア」が流れる中、勝ち名乗りを挙げた。

COMMENT

中邑「俺たちが勝った。（ノアの選手達が）文句があるなら、（対戦相手として）いつでも中邑真輔、後藤洋央紀の名前を出せばいい」
後藤「完璧な勝利。もうこれで終わっていいんじゃないの？完璧な勝利だよ、俺らの。これからノアがなんて言い訳するのか、凄く楽しみですよ」
中邑「向こうも同じでしょうけど、こっちも負ける訳にはいかない。ことに、対抗戦においてはね。ここは東京ドーム。新日本のリング。今年は負けない」
後藤「俺らは『まだ若い』って言われますけど、もう全てにおいて俺らが上だったから勝った。俺はそう思っています」
中邑「プロレスは負けて終わりじゃない。自分も都合よく何度も何度も這い上がってきたんで。今日のノアの敗戦に、何か感じる人間がいれば、いつでも来いよということ」
後藤「誰が来ても、俺たちは怖くないよ。誰でも来いですよ」
中邑「（三沢のエルボーについて）聞きしに勝る。痛いだけじゃなく、凄いだけでもない。三沢のエルボーというのは初めて受けましたけど、『ああ、これか』っていう。ちょっと言葉じゃ形容しにくいですね（苦笑）。効きましたよ、マジで。自分みたいな若造が『いいモノ持っている』と言ったら失礼ですけど、あれは凄い武器だなと思いますね。（杉浦について）あんなにスゲェおもしれぇ奴だとは思ってなかったですね。自分がイメージしたノアの選手じゃなかったような気がします。物凄く熱くて、やっぱり垣間見える技術は本物なんじゃないかと。まぁ、三沢光晴が横に置くだけのことはあるかなと」
後藤「杉浦はちょっと予想外のタフさだったかなと。体は自分達より小さかったんですけど、スゲェ打たれ強くて、予想外にいい選手だった。さすがはノアが送り込んできた選手の1人だなと思いますね」
中邑「（今後について）まぁ、石を投げたというかね。波紋が広がって、それに気づかなければ、それだけのモンだろうし。これで黙って見過ごして終わるんなら、それでもいいよという」
後藤「今の時点で俺らの方が上というのは間違いないというか。そこから何か言ってくるんであれば、いつでも受けますよ」
中邑「（三沢とのシングル戦について）武藤敬司同様、今の内というか、やっておかなきゃいけない選手の1人だと思いますね。まぁ、今日のじゃ物足りないという感じはあります。あとはタイミングや流れの中で決定しうるものじゃないかと思います」
後藤「俺も、いつでもやりますよ。いつでもやりたいです」

三沢「会場が大きいのでちょっとやりづらい部分はありますけど、久々のドームで、やりがいがありましたね」
杉浦「思ったよりお客さんのノリも良くて、やりやすかったですね」
三沢「（『対抗戦ならではの殺伐とした空気を感じたのでは？』）それはどうしてもしょうがないので、勢いあまって俺がちょっと足を引っ張ったかなと(苦笑)」
杉浦「(中邑、後藤は)キャリア的には近いんですけど、ああいう若い選手とやれて良かったですね。凄く勢いがありますし、楽しいです。今後またどこかでできれば」
三沢「(『何が勝敗を分けたのか？』)それを言ったらキリが無いですけど、最後はたまたまタイミングがあっちゃって、(腕ひしぎ逆十字固めが)入っちゃったというだけであって。完全に負けたかと言うと、うーんちょっとね……ぶっちゃけ、ハッキリ言えばいい選手だと思います。俺じゃなくて、ウチの選手ともどんどんやらせたいなと」
杉浦「負けた僕が言うのはおかしいですけど、まだまだやり足りないし。まぁ、会社がオッケーなら1人で乗り込みたい」
三沢「負け惜しみじゃないですけど、勝負には負けましたけど、いい経験をさせてもらいました」
杉浦「試合に負けてあのテーマ（ザ・スコア）が流れて、イラッときたので、まだやり足りないな」
三沢「(今後の対抗戦について)今のところあれですけど、ウチとしては今後はやらないとか、そういうのは無いので。機会があればどんどんやって行きたいと思います」
杉浦「会社の上の人間が決めることなので。でも僕はいつでも行ける気持ちだし」
三沢「(首の怪我について)試合前、首の方が痛くて、凄い心配はありましたけど、何とか。まぁ、試合中は安心してコーナーにいれたし、見てられた。俺的には、結果があれなので、時の運かなというのはありました。やっぱり、ノアの選手とやるのと、外の選手とやるのでは気持ち的に違うので、そこら辺がためになるなと。チャンスがあればまたという気持ちにさせてもらったので」