大谷と岡田はリング上で向かいあうや、額を突き合わせて前へ出る。岡田のドロップキックによる奇襲で幕開けとなり、岡田はエルボー連打、串刺しバックエルボー、ドロップキックと畳み掛ける。
出鼻をくじかれた大谷はフロントハイキックで岡田の動きを止め、バックドロップ、胸板へのサッカーボールキック。そして、串刺し低空ドロップキック。「こんなもんか、ヤングライオンは!」と叫びながら、串刺し低空ドロップキックで追撃する。
岡田は打撃で食らいつくも、大谷は強烈な張り手でねじ伏せる。それでも、岡田はエルボー連打で大谷をぐらつかせ、遂にはダウンを奪う。そして、打点の高いミサイルキックからカバーするも、大谷はカウント2で返す。
岡田は顔面への張り手連打。すると、大谷はカウンターのレッグラリアットをヒットさせ、ジャーマンスープレックスホイップ。フォールは岡田がカウント2で凌ぐと、大谷は逆片エビ固めへ。
何とかロープエスケープした岡田に、大谷はバックドロップ。再度逆片エビ固めで絞り上げるも、岡田もロープエスケープで粘る。すると、大谷はキャメルクラッチで捕獲。岡田はたまらずにタップし、大谷が勝利した。
COMMENT
大谷「素質、技術、体力、ビジュアル……(岡田は)素晴らしいものを持っているよね。でも、それよりもプロレスラー が一番持っていないといけないもの、プロレスラーが(胸を叩きながら)ここに持っていないといけないもの。全く無いとは言わない。でも、(まだ)足りな い。偉そうかもしれないけど、彼の明るい未来を考えたら『よく頑張った』『いい選手だ』『これから伸びるよ』……オイ、岡田に言っておけ。そんな言葉、ク ソの足しにもならんわ。最初に言った4つの要素は持ってんだよ。そんなもん、今さら褒めてどうするんだって。さらに上を見てるならこれから1試合1試合、 褒められる事を望むなよ。誰とやる時もそうだ。自分にマイナス点が出れば出るほど喜べ。今日1度闘っただけだから何とも言えないが、もう1ランク上へ行か ないといけない男だよ、アイツは。団体は違えど、プロレス界の未来を考えているなら。褒めるつもりは全くねぇが、たった1つだけ言ってやろう。いい目をし てたね。(自分が)育ててみたいと思うぐらい。偉そうだけど、夢☆勝(夢☆勝ちます)とうたわれた試合であれば、こういう発言もありだと思う。そして、も う1つ。いいか、いつまでも俺らの世代は足踏みしている場合じゃないんだ。ある奴が上手い事を言っていた。『俺らの時代は“ロスト・ジェネレーション”時 代だ』ってな。略してロスジェネって言うらしいよ。ロストは失うかもしれないけど、迷うっていう意味もあるんだ。いいか、俺らがトップに立った時代は決し てバブルじゃねぇよ。だからこそ悩んでいるんだ、俺らの時代は。俺や田中(将斗)、もっと言えば永田(裕志)、中西(学)、小島(聡)、天山(広吉)。そ ういった連中はよぉ、悩み抜いてんだ。でも、生き抜いているんだ。悩んだから強いんだ。いいか、しっかり書いておけよ。俺は思った。アンタら(マスコミ) がよぉ、『第三世代、第三世代』って言うじゃないか。呼び方が悪いわ! 第三世代、いつまで経っても“三”って文字が消えねぇからよ。ロスト・ジェネレーション時代の俺達が、来年必ず“明るいプロレス界”を取り戻す。俺らがや んないで誰がやるんだ。俺は思うぞ。今の岡田とかの世代と俺達の世代の間のタナ(棚橋弘至)や中邑(真輔)、ウチの(佐藤)耕平、(崔)領二。そういった 奴は、俺達が強くならないと育たないんだ。何年も何年も迷って迷って、プロレス界を意地で引っぱっている俺達ロスジェネの連中が頑張らないと、プロレス界 は活性化されないんだよ。今年、色々な事をして分かったんだ。出たんだ、答えが。俺達ロスジェネが踏ん張らねぇと、プロレス界を活性化出来ない。俺らが大 地に根を張らないと、俺らの下は育たないよ。だから、こうやって岡田とか、そういった世代と当たった時は、今日みたいに叩き潰せばいいじゃねぇか。俺の言 い方は間違っているかもしれないけど、俺達ロスジェネの人間はそういう試合が出来るんだ。何年も迷って生き抜いているからな。話を戻して、岡田。お前の試 合中の目が、俺は大好きだ。それだけは伝えてあげて下さい」
岡田「クソー。悔しい。こんな事言いたくないけど強い。全然歯が立たなかった。悔しい。今日負けた事は忘れて、必ずいつかリベンジしてやる」