セミファイナル（第7試合）の『NJC』2回戦では、内藤哲也がシード選手のチェーズ・オーエンズとシングル初対決。内藤は3.5後楽園の『NJC』1回戦で、オーエンズと同じBULLET CLUBのエル・ファンタズモに、電光石火のポルポ・デ・エストレージャで勝利。
　一方、ジェイの新日本追放、そしてデビッド・フィンレーのBULLET CLUB電撃加入と揺れ動くユニットの中で、オーエンズとしては内藤相手に番狂わせを起こし存在感を示したいところ。心理的駆け引き含め、試合巧者二人が見応えある攻防を繰り広げるのは必至だ。

　ゴング前、内藤が入場コスチュームをゆっくり脱ぐと、オーエンズもパーカーを脱ぎ出す。そしてオーエンズはゴングを待たずに襲いかかる。

　オーエンズは内藤にストンピングを連発し、踏みつけながら相手のお株を奪うように拳を突き上げる。
　さらにオーエンズはエルボーから逆水平チョップ。そしてハンマースルーを仕掛けるが、内藤はロープに踏みとどまると、オーエンズにアームホイップ。そしてオーエンズを場外に投げ、スライディングキックをお見舞いする。
　内藤はオーエンズをリングに戻し、蹴りつけてからネックロックで捕獲。さらに変型のネックブリーカーからカバーするも、オーエンズはカウント2ではね返す。
　内藤はしつこくネックロックで捕らえ、首を痛めつける。オーエンズはロープエスケープ。そして場外に下りる。
　内藤は追いかけ、オーエンズを2度にわたり鉄柵に打ちつける。そしてリングに戻すが、オーエンズは再び場外へ。
　すると内藤は再度捕らえようとするも、オーエンズはスキをついて内藤をリングに叩きつけ、さらに鉄柵目掛けて河津落としをお見舞い。内藤は首を押さえて悶絶。
　続いてオーエンズは内藤を鉄柵に打ちつける。そしてオーエンズはファンから内藤のぬいぐるみを取り上げると、リング上に持ち込んで、ぬいぐるみにエルボーを見舞う。
　勢いに乗るオーエンズは、リング上で内藤の顔面にナックルをお見舞い。さらに串刺しエルボーから、相手のお株を奪うフェイント入りのコーナーミサイル。そして寝転んで右腕を突き上げて挑発。
　続いてオーエンズは内藤をキャメルクラッチの体勢で捕らえ、相手の目を指で開けて揺さぶりをかける。さらにオーエンズは背中への引っかき攻撃から変形のネックブリーカー、ソバット、そしてランニングしてのスウィンギングネックブリーカーと畳み掛ける。
　内藤も反撃を狙って突進するも、オーエンズはその勢いを利用し、トップロープでバウンドさせてからバックブリーカー。そしてカバーするが、これはカウント2。
　するとオーエンズはフィストドロップから顔面かきむしり。そしてボディスラムで叩きつけ、内藤のL･I･Jのキャップを被ると、コーナー最上段に上りダイブ。
　内藤は足で迎撃しようとするが、オーエンズはこの動きを読み、エルボードロップへ。だが、内藤はかわすと、マンハッタン・ドロップからショルダーネックブリーカー。
　そして内藤は打撃を浴びせ、オーエンズの後頭部に低空ドロップキック。続いてフェイントからのコーナーミサイルをヒットし、右腕を突き上げる。
　続いて内藤はフライングメイヤーから両足でオーエンズの首と肩を締め上げる。その状態で、オーエンズの目を指で開いて挑発。これはオーエンズが足をロープにかけてエスケープ。
　ならばと内藤はグロリアを狙うも、オーエンズは回避。続いてオーエンズは串刺しエルボーからランニングニーをヒット。そしてカバーするも、内藤はカウント2ではね返す。
　するとオーエンズは銃口を向けてから、パッケージドライバーを狙う。これは内藤が切り抜け、バックエルボーを乱打。そしてエスペランサで突き刺し、コリエンド式デスティーノを狙う。だが、オーエンズは寝転んで阻止。
　そしてオーエンズは近づいてきた内藤に首固め。内藤は切り抜けると、技の読み合いから延髄斬りをヒット。そして今度こそコリエンド式デスティーノを炸裂しカバー。だが、オーエンズはカウント2ではね返す。
　ならばと内藤はデスティーノの体勢に。だが、オーエンズは旋回する内藤を捕らえ、顔面をコーナーパッドに打ちつける。続いてCトリガーを炸裂。
　そしてオーエンズはジュエルヘイストを叩き込んでカバーするが、内藤はカウント2ではね返す。ならばとオーエンズは至近距離でニーを食らわせ、パッケージドライバーの体勢に。
　内藤はショルダースルーで切り抜け、オーエンズに突進。だが、オーエンズは内藤をコーナー最上段に設置し、顔面にジャンピングキック。
　そしてオーエンズはコーナー上で内藤を担ぎ上げようとするが、切り抜けた内藤は雪崩式フランケンシュタイナーを狙う。しかし、オーエンズは食い止め、なんと雪崩式のスタイルズクラッシュを炸裂。カバーは内藤が必死にカウント2でキックアウト。
　ならばとオーエンズはCトリガーを炸裂し、一気にパッケージドライバーの体勢に。内藤は切り抜けてバックエルボーを繰り出すが、かわしたオーエンズはCトリガーをヒット。
　そしてオーエンズは内藤を肩に担ぎ上げるも、内藤は高角度前方回転エビ固めで切り返す。これをオーエンズは返すことができず、内藤が技アリの勝利を収めた。

　勝利と同時に内藤は場外に下りて大の字に。そのまま寝た状態で、内藤は勝ち名乗りを受ける。
　内藤はリングに戻ると、体育座りで呆然とするオーエンズの前で、寝転びながら右腕を突き上げる。そしてあらためて勝ち名乗りを受け、リングをあとに。　

内藤「『NEW JAPAN CUP』２回戦、順当に……勝ちましたよ。でも、チェーズ・オーエンズの、なんとしても内藤に勝ちたいという気持ちは、しっかり伝わってきたよ。でも、気持ちだけで結果が出るほど、このリングは甘くないんでね。それにしても、今年の『NEW JAPAN CUP』の組み合わせは、いったいどうやって決めたんだろうね？ 1回戦がある選手もいれば、1回戦シードの選手もいるわけで。言っとくけど俺、去年の準優勝者だからね。その俺が1回戦からで、今日の対戦相手であるチェーズ・オーエンズが1回戦シード。これって、どうなってんのかね？ なんか、ひいきを感じるよ。優勝してほしい選手を1回戦シードにしてるような、そういう雰囲気を感じるよね」
　

　
内藤「まぁでも、俺は別に、シードなんか望んでないから、この状態でいいけどさ。もっと、全員1回戦からやるような、公平なトーナメントにしようよ。じゃなきゃさ、トーナメントの権威もあがらないんじゃないの？ なんかそんなこと、感じましたよ。さぁ次は準々決勝、対戦相手はいま試合をしているKENTAなのか、それともSANADAなのか？ まぁ俺は、SANADAと対戦したいけどね。じゃ、明日は滋賀県立文化産業交流会館で、またお会いしましょう。アディオス」
　
　

　
オーエンズ「クソッ、クソッ、クソッ！ ナイトー、お前は運がとてつもなくいいようだな。お前を負かすまであとほんの少しだった。本当に本当にほんの少し。『NEW JAPAN CUP』から脱落させるまであと少しだったのに……。ここまで勝利が近かったのは初めてだった。ナイトー、次は必ず勝つ」
　

　
オーエンズ「2つ、お前がやるべきことがある。いや、1つだ。いや、（※アップで映しているビデオカメラを軽く払いのけながら）何もない……」