IWGPジュニアヘビー級選手権試合・(王者)高橋ヒロムと(挑戦者組)YOHが激突。
ゴングと同時に場内から両選手への声援が沸き起こるなか、ロックアップからヒロムがロープへ押し込んでいくと、YOHは体勢を入れ替えクリーンブレイク。
ここで2人はスピーディーなロープワークから、YOHがカニばさみ&低空ドロップキックをお見舞い。
続けて、場外戦に移ると、ヒロムが鉄柵攻撃&逆水平チョップ3発でペースを握っていく。
戦場がリングに戻ると、ヒロムは串刺しラリアット、低空ドロップキックから首四の字でYOHのスタミナを奪っていく。
ヒロムは「ほら、どうした?」と挑発すると、YOHも張り手で応戦するが、ヒロムはタランチュラ式首四の字、鉄柵攻撃2連発、花道でのブレーンバスターと追撃。
YOHは場外カウント19でリングに戻るも、待ち受けていたヒロムはYOHの背中を中心に攻め立てていく。
さらにヒロムは「どうした?」と顔面を張り煽っていくと、不敵な笑みを浮かべたYOHは張り手&逆水平チョップからカウンターのドロップキックで反撃。
そして、YOHは場外へ転落したヒロムにノータッチ・トペ・コン・ヒーロを発射して気合を入れ直す。
続けて、YOHはヒロムをリングに戻すと、すぐさまミサイルキックも突き刺し、バックブリーカー、ローリングソバットと畳みかける。
だが、ヒロムもポップアップ式パワーボムで応戦すると、YOHもファルコンアローで返していく。
リング上で大の字になるなか、額を突き合わし起き上がった両者はエルボー合戦を展開。
ここでヒロムはショットガンドロップキックを放つと、引かないYOHはカウンターの低空ドロップキックをヒロムの左ヒザに的中。
続けて、YOHはドラゴンスクリュー2連発からヒザ十字固めを極めていくと、たまらずヒロムはロープへエスケープ。
人差し指を突き立てたYOHはヒロムをコーナートップに固定すると、両者はコーナートップでエルボー合戦。
そして、YOHは逃げ場のない場所でドラゴンスクリューを見舞うと、雪崩式ブレーンバスターから再びヒザ十字固め。
YOHは逃れようとするヒロムをリング中央に引き戻すと、ドラゴンスクリューから足四の字固めをガッチリ極める。
ヒロムの窮地に場内からヒロムコール沸き起こると、ヒロムは力を振り絞りなんとかロープに手を伸ばした。
攻撃の手を緩めないYOHは追撃を狙うも、ヒロムは力の入らない左ヒザを踏み込みカウンターの頭突きで応戦。
そして、ヒロムはロープの反動を使用してのジャーマンからヒロムちゃんボンバーを振り抜くと、両者は再び大の字に。
先に起き上がったヒロムはコーナーデスバレーからTIME BOMBを狙っていくが、YOHは丸め込みで切り返すと、ロープへ走ったヒロムにカウンターのラリアット一閃。
ここでYOHは腕をロックしノーガード状態のヒロムにエルボーの連打を浴びせると、YOHはドラゴンスクリューの体勢へ。
しかし、ヒロムはこれを力づくで押さえ込んでいくと、名も無きヒロムロールでフォールに。
YOHは間一髪で返すと、ヒロムはビクトリーロイヤルからTIME BOMBⅡを狙っていくが、YOHはこれを切り抜けリバースフランケンシュタイナーから強烈なトラースキックをお見舞い。
ここを勝機と見ると、YOHはファルコンアロー式牛殺しからドラゴン・スープレックスを決めるもカウント2。
ならばと、必殺のDIRECT DRIVEを狙っていくが、ヒロムは無理やり体勢を入れ替えYOHを担ぐと、そのままTIME BOMBを決める。
場内から大きな歓声が沸き起こると、ヒロムは雄たけびを上げTIME BOMBⅡの体勢に入るが、YOHは足を振り当て逃れ、逆にリバースDDTの体勢から牛殺しをお見舞い。
YOHはとどめのDIRECT DRIVEを放つが、ヒロムはギリギリで着地してスタナーからDの悪夢を敢行。
そして、痛むヒザを叩き気合を入れるとヒロムちゃんボンバーへ。
しかし、YOHはこれをかわしそのままファイブスタークラッチで丸め込むもカウント2。
場内からどよめきが起きるなか、両者はトラースキックの打ち合いからヒロムがヒロムちゃんボンバー2連発を的中させると、最後はTIME BOMBⅡでYOHとの死闘を制し、初防衛に成功した。
ヒロム「ああ良かった。いやあ勝てたよーッ! やせ我慢もあれやられると効かねえな、オイ。やせ我慢したつもりだったんだけどな! でも、もう我慢する必要もねえか! 2日間ぐらいオフがあるだろ? 大丈夫。十分十分十分、行ける行けるヒロム行けるよ! いつもこうやって気利かしてるから」
ヒロム「さあ、では乾杯!(と言って、祝杯用の缶ビールを1本開ける)。乾杯! (ビールを飲むと)ウワーッ! 効くぜーーッ! 効いた…効いた…ああ効いた。ああいいね。いやあ楽しいね、やっぱり。勝ったからなんだけどね、楽しいって言えるのは。楽しかったよ」
ヒロム「ねえ、ビジョンね。俺にはさ、とてもつなく大きな夢が一つあるけど、ビジョンって言われると難しくてさ。この間もすぐ出なかったよね、ビジョンが。ねえ、ビジョンか、ビジョンか。近いところで言うと、俺はもちろん新日本の試合もあるし、あとは何? 東京ドームで…やっとこれで言えるね。(ベルトを叩きながら)IWGPジュニアヘビー級チャンピオンとして、AMAKUSA選手とやれるのかな? 向こうもノアのチャンピオンでしょう。防衛戦はあるのかな、この間に? それは分かんないけどさ、まあチャンピオンでいてくださいよ。俺もこうやってチャンピオンなんだから。チャンピオン対決、失うものは大きいでしょ? まあそれもあるし、今発表されていること、3月1日のジュニアオールスターだってある。いろいろ目白押し! (声を張り上げて)でもやっぱり今日のYOHが熱すぎてさ、そんなにすぐモードに入れねえよ! YOH、面白えな! ずっとそれでいてくれよ! ずっとだ! 挑戦できることになったから熱くなるんじゃなくて、常にあの熱さでいてくれ! そんなプロレスが好きなYOHが、俺は好きかな」
ヒロム「いやあ、次は誰かな? いたよね? ほら、解説にいたじゃん、エル・デスペラード。まあね、彼のタイミングもあるだろうしね。あとそれから1.4東京ドームでやったワトと石森。あの二人はシングルがあるんだ。シングルで勝った方がとか、いろいろと膨らんじゃうよね。まあそれは君たちのタイミングに任せるよ。俺としてはやっぱり石森太二から獲りたいっていう思いもあるし、それから金丸から! あんまりこれは大きな声では言いたくないな。実際に挑戦してこられたら結構ビビっちゃうかもしれないからね。必殺のやせ我慢もなんの役に立たないからね。まあまあまあそれは。じゃあ今のところはちょっと、金丸選手のところはカットしてもらえるかな? 申し訳ないね。
まあペースを上げたよね。可能であれば最多防衛をやりたいよね。獲るたびに言ってるけど、俺も5回目だな、チャンピオン。最多防衛、あのヒート選手が持ってる最多防衛を塗り替えたいとさんざん言ってきて、1~2回でコロッと負けてる。だから言わないでおこうと思ったけど、やっぱり最多防衛っていうのは常に意識したいよね。最多防衛するには来年のね、まあこの冬のきたえーるがあるかどうか分からないけど、そこまでチャンピオンでいたいし、でも一番手っ取り早いっていうのはペースを上げたいっていうのがあるよね。
今、月1? それか2カ月に1回ぐらいの防衛ペースしかないでしょう。それをさ、月2、月3でやるのはどうかな? もちろん適当な相手じゃないよ! 俺のよりすぐりの相手だよ! 金丸とか、金丸とか、金丸とか。まあ誰が来てもいいかな。楽しみにしてるよ。このIWGPジュニアヘビー級のベルトがどうしても欲しい、そして俺から獲りたいという人を募集致します。(テレ朝の大西アナを見つけて)あっ、大西さんじゃないですか」
──おめでとうございます。
ヒロム「大西さん、ありがとうございます。大西さんですよね?」
──そ、そうです。大西です。
ヒロム「大西さんっていうのはあれですか? 大西ライオンさんと関係はないんですか?」
──あっ、関係ないです。タイトルマッチのお話を少し伺ってもいいですか?
ヒロム「ああ、どうぞ」
──改めてになりますが、歓声が戻ってきた北海きたえーるで、終わった後のヒロムコール、「もっと! もっと!」の大合唱もありました。最高の気分だったと思います。
ヒロム「めちゃくちゃ最高だよね。知ってた? 『もっと! もっと!』って、このコロナ禍の声出しOKのところで『もっと! もっと!』って来るようになったっていうの知ってた? これは実はさ、コロナ前、『もっと! もっと!』って言うと『もっと! もっと!』ってあんまり来てくれなかったんですわ。このコロナ禍で、みんな声を出したいんだよね。その思いが出ちゃったよ。俺が『もっと!』って言うと、『もっと!』って返してくれるんですよ。『あれ? マジ? えっ、逆に?』みたいな。このコロナ禍だからこそ、生まれたものみたいな。それは俺は調子に乗っちゃうよね。
だから『もっと!』って言うと、『もっと!』って言うまで待っちゃうよ。だから今日もちょっとね、『もっと!』って言う前、ちょっと俺はビビってたよ。『もっと!』って返してくれなかったらどうしようと思ってね。『“もっと!”って言ったら“もっと!”って言ってください』って、なんかちっちゃい声で言うのもダサいじゃん? だから嬉しかったですよ。凄く気持ちいいです。勝ったからね! 勝ったからこんなに喋るんですよ!」
──YOH選手がプロレスを楽しみだしたっていうお話をされた時に、ヒロム選手は俺はいつも楽しんでると。そのさらに上を見せてほしいみたいな話もありました。見られましたか?
ヒロム「いやあ、見られたね。俺は十分プロレスを楽しんだけどね。いや楽しかったよ。YOHがさ、熱すぎるから、俺も期待に応えてもっとYOHの2倍、3倍っていかなきゃいけなかったのにいけなかったよね。彼の熱さが想像以上でさ。ビックリしたよ。だからその分、俺も楽しめたかな? やっぱね、ハッピーじゃないと! (声を張り上げて)いいよ。いろんなストロングスタイルがあると思うよ! シリアスなあれもあれば、いろいろあると思う! でも、俺はね、ハッピーでいたいね!」
──内藤哲也選手のプレッシャーも乗り越えましたし、鷹木選手の次の勝利の弾みになりそうですね。
ヒロム「やってくれるでしょう。あの男は半端じゃないぐらい熱いからね、それはそれは。今、燃えてるよ。シャシャシャシャアーつって、ツイートしちゃってるんじゃないの? もしかしたらね。やってくれますよ。2月11日でしょ? ほんの数日後ですよ。これだけさ、きたえーる2連戦、凄え熱い戦いを全試合繰り広げたのに、それを上回る試合をしちゃうのが鷹木信ちゃん。彼なんだよね。だから楽しみにしといてよ。間違いないから。これも生で見なきゃもったいないね。まだチケットあるんじゃないの? もったいないよ! 早いもん勝ち。どうぞ!」
──代表質問以上となります。
ヒロム「おっ! 代表じゃないけど、(東スポの)岡本さんもいらっしゃるんですね。どうぞ! (岡本記者が質問しないと)ないです、はい。ないもんは仕方がない(と言って、残っていたビールを飲みほす)。ありがとうございました! ヨーシ!
(引き上げながら)1度目の防衛戦、まだたった1回ですよ。ガンガン防衛して、最多防衛! あんま調子に乗んのはやめよう。ヨッシャーーーッ!」
YOH「(荒い息遣いで)ああ…バケモンか、アイツは。ああ…ああ…でもな、負けたけど、負けてねえぞ! またすぐテメエの前に現われてやるよ。そのベルト、(ベルトを抱える仕草をしながら)抱きしめてやるよ」