第6試合では「武藤敬司新日本プロレスラストマッチ」、武藤(ノア)&棚橋弘至&海野翔太組と、内藤哲也&SANADA&BUSHI組が対峙。1984~2002年に新日本に所属し、その後も新日本にたびたび参戦してきた武藤。今回はかつての付き人である棚橋、そして新日本の次代を担う海野と、世代を超えた魅力的なトリオを結成。対するL・I・Jは、武藤に憧れプロレスラーを目指した内藤、さらに“武藤全日本”でデビューを果たしたSANADAとBUSHIという編成。新日本で一時代を築いた主役・武藤を軸とした、さまざまな人間関係が交錯する6人タッグは、一瞬足りとも目が離せない戦いとなる。
BUSHIは往年のグレー・トムタのようなオーバーマスクを着用。内藤は白いガウンに、今年の干支であるウサギのオーバーマスクを被り登場。武藤は『HOLD OUT』が流れ、大「武藤」コールの中、花道を進む。放送席にはゲスト解説として蝶野正洋と藤波辰爾の姿が。
武藤は先発を買って出る。するとL・I・Jはグータッチをかわし、SANADAが登場。
開始のゴング、まずは武藤とSANADAのマッチアップ。すると、SANADAはプロレスLOVEポーズを見せ、これに武藤が呼応。すると、SANADAはスキをついて低空ドロップキックをお見舞い。
さらにSANADAはドロップキックを連発。続いて技の読み合いからスワンダイブのミサイルキックをヒット。そしてSANADAはバックブリーカーから一気にラウンディング・ボディプレスを炸裂。しかし、武藤はカウント2ではね返す。
そして武藤はSANADAに反撃の低空ドロップキックから、シャイニングウィザードを炸裂。続いてバックブリーカーから禁断のムーンサルトプレスを狙うも、これは棚橋が止めに入る。
すかさずSANADAが襲いかかるも、武藤はフライングメイヤーからフラッシングエルボーを炸裂。そして棚橋に交代。
すると棚橋もSANADAにエルボードロップ。さらにセカンドロープからフライングクロスボディを決め、エアギターを奏でる。
続いて棚橋はエルボーを繰り出し、ハンマースルーを仕掛ける。だが、SANADAは切り返し、ここからL・I・Jが棚橋に連携の低空ドロップキック。
スイッチしたBUSHIは棚橋にスウィンギングネックブリーカー。カバーを棚橋がカウント2ではね返すと、BUSHIはストンピング。
次は内藤が棚橋にエルボーを乱打。そしてコーナーミサイルを食らわせ、右腕を突き上げる。そして内藤が武藤のほうを振り向いて右上を突き上げて見せると、武藤も右腕を上げる。
棚橋は内藤にエルボーで応戦。内藤は延髄斬りを繰り出すが、棚橋はかわすとグラウンドでのドラゴンスクリューをお見舞い。
スイッチした海野は、内藤にミサイルキックをヒット。さらに海野はSANADAにアームホイップ、ティヘラを食らわす。続いてBUSHIをポップアップ式のボディスラムで落とすと、エルボーアッパーをヒット。
勢いに乗る海野は、内藤にフィッシャーマンズスープレックスを炸裂。内藤がカウント2ではね返すと、海野はSTFで捕獲。すると、武藤がリングに入ったSANADAにドラゴンスクリューから4の字固め。棚橋はBUSHIをテキサスクローバーで捕獲する。これは内藤がロープエスケープ。
すると海野はエクスプロイダーを狙うも、内藤はこらえる。そして内藤はマンハッタンドロップからバックエルボーを乱打。さらにネックブリーカードロップを決める。
スイッチしたBUSHIは海野にミサイルキックを突き刺す。しかし、海野は技の読み合いから変形のネックブリーカードロップ。
続く技を切り抜けた海野に対し、SANADAがドロップキックをヒット。返す刀でSANADAは武藤にもドロップキック。
すると、棚橋がSANADAにツイスト&シャウト。さらに棚橋は内藤にもツイスト&シャウトをお見舞い。
しかし、BUSHIが棚橋にスピンキックを食らわせ、ロープに走る。すかさず棚橋はカウンターのスリングブレイドを食らわす。そして、棚橋がBUSHIを起こすと、武藤がシャイニングウィザードを炸裂。最後は海野がBUSHIをデスライダーで突き刺し、3カウントを奪取。武藤組に凱歌が上がった。
試合後、武藤組は勝ち名乗り、そして武藤は内藤の横を通り過ぎ、『HOLD OUT』が流れる中、棚橋が付き人のように寄り添い共に退場した。
武藤「まあ、感想を言うか? いやあ、久しぶりの東京ドーム、タナよ。試合よりも入退場の長さに参ったよ。腰痛くなったよ。たださ、今日は猪木さんのイベントも兼ねてるということで、本当は試合の中で卍固めとかさ、あと俺はインディアンデスロックとか得意としているから、本当は狙ってたんだけど、オマエが余裕を与えてくれなかったな」
棚橋「すいません」
武藤「ホ~ント、せっかちなプロレスしやがって。本当はそういうの狙ってたんだよ」
棚橋「いやあ、まだちょっと若さが出ちゃって、僕も。すいません」
武藤「まあそんなところだな、俺の感想は。まあまあ久しぶりの東京ドームなんだよ。その中で俺、1カ月後に引退試合を控えているから、やっぱり東京ドームクラスだと普段と感触も体感も違うじゃん、なんか」
棚橋「違いますよね」
武藤「その中でなんか今日、こういい形で東京ドームを吸収することができたよ、ありがとう」
棚橋「ありがとうございます」
武藤「俺ばっか喋ってもしょうがねえ。(隣りにいる海野に向かって)オマエが目立たなきゃいけねえんだから」
棚橋「武藤さん、新日本プロレスラストマッチになりますけども、そのあたりは?」
武藤「そんな、必死だからあっという間に終わったよ。感想どころじゃないよ、息も上がって」
棚橋「新日本プロレスのキャリアの中で一番思い出深いこととかありますか?」
武藤「東京ドームか? それは2009年にオマエとここでやって、オマエに負けたことだよ」
棚橋「ありがとうございます!(笑)」
武藤「やっぱ負けた試合の方が憶えてられるんだよ」
棚橋「ありがとうございます。こちらからは以上です」
武藤「(再び海野に向かって)オマエ、喋れ」
海の「はい。本当に偉大なる先輩方と今日タッグが組めて光栄でした。新日本プロレスのトップ、いやプロレス界のトップに立つための何かを、今日は得たと思います。今後の自分のプロレス人生において、必ず活かしていきたいと思うので、自分にもご注目ください。本日はありがとうございました」
──武藤選手、対戦相手で一番気になった選手は誰ですか?
武藤「いや、全員気になってましたよ。やっぱりSANADAとかBUSHIとかね、プロレスのオーディションで俺が引っ張った人材であって、果たしてそこで俺が引っ張ったことが良かったのかどうなのか、俺だって少しは自問自答して。でも、なんかアイツらのやる気とか輝きを見たら、『ああ、アイツらをプロレスラーにして良かったな』って思いましたよ。あと内藤にしてもいろいろ噂で武藤LOVEっていうのをいろんな所で言っている中で、やっぱりそういうことを言われるとこっちも気分は悪くはないからね。そういう部分で非常に興味を持ちましたよ。興味を持ったって言っても、あと1回しか試合がないからね。どうしようもできないんだけど、まあまあ楽しい空間でした」
──試合中、蝶野選手と何かコンタクトされていましたけど、何か言葉を交わされたんですか?
武藤「いや、やっぱり引退試合……もう遅いんだけどな。もう遅いんだけど、やっぱり蝶野もリング上がってほしいなと思いながらハッパかけたつもりだったけど、やる気なかったな(笑)」
──ムーンサルトプレスは棚橋選手に止められましたけど、止められなかったら飛びました?
武藤「いやあ、あの一瞬にね、いろいろ走馬灯のようにね、医者の顔とかさ、家族の顔とかさ。あそこで棚橋が止めてくれて良かったですよ」
棚橋「僕も武藤さんのムーンサルトプレスを見たいという思いと、まだ序盤だし、引退試合も残されてる状況で、泣く泣く、泣く泣く。ファンの方からはきっとブーイングだったと思うんですけど、止めさせていただきました」
──武藤選手の全く知らない世代の海野翔太選手はどうでした?
武藤「いや良かったですよ。ルックスもいいし、肉体もタナに負けてないぐらいいいし、動きも良くて。あとは経験。あとはいっぱい失敗もしてほしい。いいことばっかりじゃなくて、失敗もカサになるから。失敗の方こそカサになるからね。ねえ、タナね? 苦労したもんな、オマエもな」
棚橋「はい(苦笑)」
武藤「いろんな部分で。いいっすか? ウィーッシ! どうもありがとう」
内藤「俺は新日本プロレス時代の武藤敬司選手に憧れを抱き、プロレスが好きになって、そしてプロレスラーになったわけで、そんな武藤敬司選手の新日本プロレスラストマッチで一緒にリングに立てたこと、それはまさにデスティーノ、運命ってことでしょ? 残念ながら今日、あまり絡む時間がなかったんでね。まだ引退まで時間があるんでしょ? じゃあ……(遠くに集団の人影を見つけて)オイオイオイ! 見覚えのある方々がいらっしゃってますよ(と内藤が言うと、拳王率いるプロレスリング・ノアの金剛の選手たちがコメントスペースに入ってくる)」
鷹木「(BUSHIの介抱についてきたが、コメントスペースに入ってくる金剛の選手たちを見て)ヘイヘイヘイヘイ!」
内藤「どうなされたんですか? 新年早々、東京ドームのチケットでも買って来られたんですか?」
鷹木「オマエら場所違うだろ! ここは東京ドームだぞ? 後楽園じゃねえぞ。何だよ! 何しに来たんだよ。(近づいてきた拳王に対して)近えな、オマエ!」
拳王「何しに来た? 新年の挨拶だよ」
鷹木「オオ、じゃあ言わせてやるよ」
拳王「明けましておめでとうございます…なんて言うと思うのか、バカ野郎! オイ、金剛とロスインゴ、決着ついたか?」
内藤「ついたね。俺はちゃんと3カウント聞いたよ。この目でも見たね。なんなら、皆様も見たでしょ? 新日本プロレスワールドをご覧の皆様も、ちゃんと3カウント入ったの見たでしょ?」
拳王「オイオイオイ、オメエはよ、あんなんで満足してんのか? オイ、あれでロスインゴが上とか、そんなこと思ってんのか、テメエ?」
内藤「思ってんね、残念ながら。だって、勝ったままだもん」
鷹木「いつの話してんだよ! 1年前のこと、誰も憶えてねえよ!」
拳王「あんな全然決着なんてな、ついてねえだろう! テメエたち倒してやってもいいんだぞ、オイ! 今から倒してやってもいいんだぞ!」
鷹木「いや、前回勝ってるのは俺らだから」
拳王「あん? あんなので決着ついてるわけねえだろう」
鷹木「ほう、やるか、また?」
拳王「やってやるよ! 決着ついてねえからな! 決着…つけてやる…」
鷹木「でもまた、6人タッグとか10人タッグとかやってもしょうがねえから、シングルやタッグで、どうせやるなら決着つけようぜ!」
拳王「なかなか面白いこと言うな。オイ、いいか、オイ! シングルだ! 見てみろ! 1vs1だ。金剛はな、何でもいいぞ! 6人いんだよ。テメエらは何人いんだよ? 1vs1だ。どっちが強いか、決着を…つけてやるからな」
鷹木「何でもいいよ。言いたいこと言ったら、とっとと帰れ、オマエら、コラ! 他のヤツは喋んねえのかよ」
内藤「出口はあちらで~す」
鷹木「(タダスケに向かって)タダスケ、オマエも何か喋れ、コラ!(と言って、イスを床に投げつける)。オイ!」
内藤「(金剛が引き返すと)帰っちゃったよ。帰っちゃったよ(笑)。そう言えば、去年の東京ドームにも来てたよね?」
鷹木「アイツら東京ドームが相当好きだな」
内藤「去年と今年と、随分と暇なんだね。残念ながら我々、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンはオクパード、忙しいからさ、もしやるんなら早めに日程を教えてくれよ。じゃないとさ、忙しくて予定が入っちゃうから。そこはノートランキーロ、焦った方がいいぜ! カブロン!」
※SANADAとBUSHIはコメントスペースにいたが何も発言せず、ノーコメント。