ここまでの得点状況は、石井が２戦２敗の０点、タマ・トンガが１戦１勝の２点。両者の対戦成績はタマの２戦２勝。３年前の「G1 CLIMAX」以来のシングル対決
　正面から組み合い、タックルを打っていく。アームドラッグ２連発を決めたタマ・トンガだったが、ドロップキックをかわした石井智宏はショルダータックルでダウンさせる。そしてリング中央でエルボーの打ち合い。タマのエルボーを浴びながらも、前進してプレッシャーをかけていく石井。やられながらもコーナーに追い詰め、逆に強烈な一発で腰を落とさせた。さらにヘッドバットを見舞っていく。余裕の石井は至近距離から放ってきたドロップキックをかわしてブレーンバスターを仕掛けていくが、タマが逆に叩きつけた。
　ボディーのパンチとエルボーのコンビネーションから串刺しボディースクワッシュを決めたタマは、バックドロップを旋回式で見舞っていく。コーナーに詰められて逆水平を受ける石井だが、表情を一切変えず。体を入れ替えてタマをコーナーに押しつけると、エルボーと逆水平をコンビネーションで叩き込み、腰を落としたタマを引きずり起こす。タマをコーナーに飛ばそうとしたが逆に飛ばされた石井。しかしすぐに跳ね返ってショルダータックルでタマを吹っ飛ばし、踏ん張るタマを引っこ抜いて、長州流のひねりを加えたバックドロップで叩きつけていった。
　しかしタマもジミー・スヌーカばりに、リープフロッグ、ドロップダウンで石井の突進をかわしてカウンターのドロップキックを決めた。ダウンした石井だったが、すぐに立ち上がってショルダータックルでタマを吹っ飛ばした。このあたりからダブルノックダウン状態が目立つようになる。
　先に起き上った石井は、滞空時間の長い雪崩式ブレーンバスター。しかしタマも石井が仕掛けてきたパワーボムを切り返してトンガンツイストを決めていく。さらにエルボーを打ち込み、石井の攻撃をかわしてその場跳びでのドロップキックを突き刺していった。ここで「10分経過」のアナウンス。
　石井が狙ったパワーボムをウラカンラナで切り返したタマは、デスバレーボムからフライング・ボディープレス。カウント２で返されると、上半身裸になって両ヒザをついてリズムを刻むようにマットを叩き始めた。そしてガンスタンを狙う。しかし石井も決めさせない。ならばとロープワークから飛びついてガンスタンを狙ったタマだったが、石井はその勢いを利用してバックドロップに切り返していった。
　串刺しラリアットを決めた石井だが、タマは石井に額を突きつけて前進。そしてエルボーを打ち込んでいく。石井もエルボーを返す。コーナーから返ってくるタマのラリアットを踏ん張った石井は、すかさずエルボーを叩き込んでタマをダウンさせると、パワーボムで叩きつけた。しかしカウント２。
　ラリアットをかわされながらも、振り返りざまにジャンピング・ハイキックを決めた石井。しかしタマも気合を入れて立ち上がり石井に突進する。そこにラリアットを合わせた石井は、カウント２で返されると垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、今度はタマが持ち上げられながらも体を揺すってバランスを崩させ決めさせない。互いに相手の攻撃を切り返していく中でヴェレノを決めたタマだったがカウント３は入らない。
　タマが放ってきたガンスタンを叩き落とした石井。しかしタマも石井が放ってきたスライディング・ラリアットをかわして、逆にスライディング・ラリアットを決めていく。スタンドに戻ると、互いにヘッドバットを叩き込んでいくが打ち勝ったのは石井。石井のラリアットをかわしたタマが、石井の首筋にハンマーを叩き込む。それに対して石井は左右のエルボー。タマが石井のラリアットをかわして形は崩れたものの垂直落下式ブレーンバスターを決めたがこれもカウント２。
　ここでタマはDSDを狙って石井をリバースフルネルソンに決めて逆さに持ち上げるが、石井はそれをショルダースルーに切り返し、エルボーの打ち合いへ。ここでタマは石井を肩に担いでダイアモンドカッター。それに対して石井もカウンターでタマを肩に担ぎ、ダイアモンドカッターを返していく。そして自ら走り込んでのラリアット。しかしこれもカウント３は入らない。
　石井が狙ってきた垂直落下式ブレーンバスターを背後の滑り下りて回避したタマはジャンピング・ハイキック。そして再びリバースフルネルソンに固めて逆さに持ち上げるが、DSDを決めまでには至らない。すかさずガンスタンを狙ってきたタマだが、石井は垂直落下式ブレーンバスターに切り返したてタマの脳天をマットに叩きつけた。そのままカバーすると、レッドシューズ海野レフェリーがマットを３回叩き、激闘に幕が下ろされた。
　勝利した石井だが、マイクと手にすることなく無言のまま引き揚げていった。

 
 
石井「2敗？　崖っぷち？　そう思ってるヤツはそう思っとけ！　そう言ってるヤツはそう言っとけ！　俺は終わらねぇ。終わらせねぇよ」

 
タマ「（※しばらく無言で下を向いたり宙を見上げたりした後）オーケイ……俺にとっては全然喜ばしくない結果だ。最後に『G1』でイシイと対戦した時は俺が勝った。だが、6年経って、今度は俺がアイツに敗れた。だが、終わったことに引きずられてる暇はない。前に進むしかない。だから、今この瞬間から頭を切り換えて、次の相手に集中する」