以前はタッグを組み、「WORLD TAG LEAGUE」に優勝、IWGPタッグ王座も獲得してきたフィンジュース。ジュース・ロビンソンのBULLET CLUB入りで袂を分かつ形になった。ここまでの前哨戦では、デビッド・フィンレーの方がジュースを意識している印象。ここまでの公式戦の戦績は、ジュースが1戦1勝、フィンレーが1戦1敗となっている。
過去の戦績はジュースの3戦3勝。3度の対戦はいずれも2016年。5年9カ月ぶりの激突。
USヘビー級のベルトを手に入場してきたジュースは、コーナーの阿部誠リングアナに詰め寄るとマイクを奪い。「何度言ったらわかるんだ!」と叫びながらヒザ蹴りを浴びせてダウンさせる。そしてこれまで同様、自身がUSヘビー級王者であることをアピール。あとから入場してきたフィンレーに歩み寄り、額を突き合わせてから試合開始のゴングを待つ。
がっちり組み合ってスタートした一戦は、序盤はクリーンでオーソドックスな展開。ドロップキックを決めてフィンレー優勢となるも、ジュースはコーナーに突進してきたフィンレーを跳ね上げてエプロンに着地させると、ロープを挟んでのショルダーアームブリーカー。リング下に転落したフィンレーを追うと、鉄柱にぶつけ、フェンスに腕を巻きつけて攻撃するなど痛めつけていく。
リングに戻ってからもジュースは、左腕に攻撃を集中させていく。なかなか切り返せないフィンレー。ジュースは余裕を見せながらフィンレーの左腕を攻撃していく。ロープに張りつけての逆水平、ショルダーアームブリーカー3連発を決めたジュースに対し、フィンレーは体ごとぶつかっていくランニング・フォアアームで反撃。
フィンレーは串刺しのヨーロピアンアッパーカットを決めるも、フィンレーを担ぎ上げたジュースはそのままコーナーめがけて投げ飛ばし、ワキ固めで締め上げていく。フィンレー何とかサードロープに足を延ばしてブレイクに持ち込んだ。
場外に誘い込んだジュースは、フィンレーを3度フェンスにぶつけていき、場外マットをはがしてパイルドライバーを狙ったが、フィンレーはショルダースルーで返していった。
一旦リングに転がり込んでカウントをストップさせたフィンレーは、先ほどのお返しとばかり場外フェンスに5度ぶつけていった。そしてエプロンに叩きつける形のバックドロップ。リングに戻るとアイリッシュバックブリーカー。そして動きの止まったジュースを引き起こして後頭部にスライディング・ラリアット。
さらにジュースの左手をストンピングで踏みつけ、マットに叩きつけていく。たまらず「ソーリー」と叫ぶジュース。コーナー際でサードロープを使って左手を痛めつけ、噛みついていったフィンレー。しかしジュースはコーナーマット外し、フィンレーをコーナーに飛ばす。トップロープとセカンドロープの間から鉄柱に肩をぶつけていったフィンレー。フィンレーを強引にトップロープに上げて雪崩式の攻撃を狙ったが、フィンレーはジュース越しに回転して着地するとパワーボムの体勢へ。そのままリング中央まで歩を進めるが腕のダメージから叩きつけるまでには至らない。
着地したジュースは右ストレートを叩き込み、ジュースボックスでフィンレーのボディーにヒザを突き立てた。そしてキャノンボールアタックからフィンレーをコーナートップに押し上げると、雪崩式ブレーンバスター。さらにブレーンバスターを狙ったが、フィンレーは逆に持ち上げて、自ら立てたヒザにジュースの後頭部を叩きつけていった。
あまりのダメージにリング下にエスケープしたジュースだったが、フィンレーはリング押し上げる。そして攻撃を狙ったが、ジュースは虚を突いた左ストレートからパルプフリクション。しかしフィンレーはカウント2で返していった。
またもやフィンレーをコーナーに押し上げたジュースは、逆水平からツバを吐きかけ、フィンレーの両足がトップロープにかかった形でのパルプフリクションを狙ったが、ジュースの体を突き飛ばして回避すると、コーナー2段目から飛びつく形でのPrima Noctaを決め、さらにAcid Drop。しかしジュースの足がサードロープにかかってカウント3は数えられず。
再びトラッシュパンダを狙ったフィンレーだったが、それを回避したジュースはフィンレーの体を前方に叩きつける形で押し倒す。その際、自らの右ヒザを立て、そこにフィンレーの左腕を叩きつけていった。
しかしラリアットでトップロープ越しにジュースをリング下に転落させたフィンレーは、トップロープ越しのプランチャを放っていったが、右ストレートを合わせて撃墜したジュースは、むき出しのフロアの上にパイルドライバー。そしてリングに戻って左ストレートからザ・ロックスライドを狙ってスピン。それを着地してかわしたフィンレーはその勢いでコーナーのあとずさり。そこに串刺しラリアットを放っていくジュース。だがフィンレーにかわされてしまった。そのため、コーナーを背にしていたレッドシューズ海野レフェリーと激突することに。
リング上が無法地帯となったところで、コーナーに置いていたUSヘビー級のベルト手にしたジュース。立ち上がってきたフィンレーに殴り掛かっていったが間一髪、フィンレーにかわされる。再びベルトで殴り掛かっていったが、フィンレーはシレイリを盾にして防御。そして逆にシレイリで殴りつけた。ダウンするジュース。フィンレーはカバー。しかしカウント2でジュースの肩を上げてカウント3を入れさせなかった。
改めてジュースを逆さに持ち上げると、そのまま自らのヒザに叩きつける荒技、トラッシュパンダを決めてカウント3を奪った。
新日本プロレスSTRONG SPIRITS Presents G1 CLIMAX 32
- 日時
- 2022年7月26日(火) 17:30開場 18:30開始
- 会場
- 東京・後楽園ホール
- 放送
- 観衆
- 1,312人(満員)
-
第9試合 30分1本勝負
「G1 CLIMAX 32」Dブロック公式戦レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
COMMENT
フィンレー「座っていいか……(と言って床に座る)。ジュース・ロビンソンと俺には切っても切れない長い歴史がある。お前だってそう思ってるだろう。タッグチームとしてコーラクエンホールのメインを務めたこともあるし、タッグで何度も勝利を収めた。俺のことを本当によく知ってるお前を相手に闘うのは厳しかった。俺たちは目指してるゴールもよく似ている。でもお前とタッグのベルトを獲るという夢は、もう過去のものだ。(USヘビーのベルトを掲げて)俺たちは互いにナンバーワンになることを目指している。IWGP世界ヘビー、USヘビー、NEVER無差別級、これらは全部シングルのタイトルだ。つまり、トップを目指すならタッグ屋で留まってはいられない。だから、俺にはこれが必要だ」
フィンレー「(USヘビー級のベルトを肩にかけると)オスプレイ、これはお前のベルトだよ。お前は真っ向勝負で(タイトルマッチに)勝ってるから、俺が文句を言うことは何もない。だが、俺がこのベルトを持ったことで、お前は俺を無視出来なくなった。もしお前が俺に勝てれば、ベルトはお前に返してやる。それまでは、悪いが俺が持っとくよ、b**ch!」
フィンレー「シンゴ、次はお前だ。準備は出来てるか? 俺は体をアイスでしっかり冷やして(試合に)備えるよ。“ザ・ドラゴン”シンゴ・タカギと対峙するまで数日ある! お前がこれまでどんな実績を残してきたかとか、誰に勝ったかなんて、どうでもいい! 俺の名前はデビッド・フィンレー、この『G1 CLIMAX』を優勝する男だ!」
※ジュースはノーコメント