ここまで1戦1敗のKENTAと公式戦初戦となるEVIL。過去のシングル対決は1勝1敗のイーブン。2019年の「G1 CLIMAX」でKENTAが先勝。翌2020年の「G1 CLIMAX」でEVILが星を五分に戻している。
EVILの傍らにはディック東郷の姿が。試合開始のゴングが鳴るや握手を求めるEVIL。ためらいながらもそれに応じたKENTAだが、EVILはバックに回って攻撃を仕掛けようとした。何とかかわしたKENTA。すると東郷がエプロンに上がってKENTAに向かって両手を合わせ、柔道の審判のように両手を上下に回して「COUTION!」(注意)を与えた。
「悪かった」とポーズを見せたEVILは、「こっちだった」とウルフパックサインを合わせるようと求めるが、今度はKENTAがウルフパックサインでサミングを仕掛け、go to sleepを狙う。それをかわしたEVIL。今度は東郷がKENTAに「COUTION!」。
リング下から自伝を取り出したKENTAは、「今日発売」と言いながらEVILにプレゼント。ペラペラとめくり始めたEVILだったが、次の瞬間、それを放り投げて場外戦に誘う。しかし逆にEVILを鉄柱にぶつけたKENTAは、自伝で殴りつけ、本部席にEVILの額を叩きつけた。さらに木槌を手にして殴り掛かったKENTAだが、EVILはゴングを盾にして防御。会場に「カーン!」という乾いた音が響いた。そしてEVILはKENTAの腰をフェンスに叩きつけ、本部席のマイクを手にしすると、“I Quit マッチ”のようにマイクをKENTAの口に当ててギブアップを迫る。
リングに戻ると、いつの間にかむき出しになっていたコーナーの金具にKENTAの背中をぶつけ、リング下の東郷に何やら指示を出してからコブラツイストを決める。そしてリング下にいる東郷の手を握ろうとしたが、KENTAは体を入れ替えてリングに背を向けている東郷の手を握って締め上げていった。東郷の悲鳴が聞こえ、おかしいと思った東郷がリングに目を向けると、自分の手を握っているのはEVILではなくKENTAというオチ。
馬乗りになってパンチを振り下ろしたKENTAは、ミドルキック、ローキック、サイドキックを叩き込んでいったが、続いて放った蹴り足をキャッチしたEVILは、それをレフェリーにぶつける。マーティー浅見レフェリーがダウンした次の瞬間、東郷がリングに滑り込んできてマジックキラーを決めていった。そしてカバーした東郷だったがカウント2。
互いにEVIL、go to sleepを回避して、さらにEVILがEVILを狙ったところ、うまくかわしたKENTAはEVILをレフェリーにぶつけてDDTを決めるそしてリング下から松葉杖を取り出して殴りつけようとするが、リングに滑り込んだ東郷がそれを奪った。ここでKENTAは頭を押さえ悲鳴を上げながら倒れ込む。ここで気がついた浅見レフェリーは東郷に注意を与える。
「違う」と抗議する東郷とEVIL。ここで2人鉢合わせにしたKENTAは、丸め込みを連続して仕掛けていくも、いずれもカウント2。コーナーのむき出しの金具にKENTAの背中を叩きつけてダウンさせたEVILはスコーピオンデスロックを狙うが、KENTAはGAME OVERに切り返していった。そしてギブアップを迫ったところで場内暗転。灯りが戻ったところ、リング上ではEVILがTシャツでKENTAの首を絞めていた。
リング下にエスケープしたKENTAを追うEVIL。リングサイドで互いにイスを振り回して殴り合う。場外フェンスの外に飛び出したEVILを追いかけてまでイス攻撃を見舞っていくKENTA。ダウンしたEVILを踏みつけてリングに戻ろうとするが、エプロンサイドで互いに相手を引きずり戻す攻防。カウントが17まで進んだところで。一足先にEVILが滑り込むことに成功。KENTAも慌ててリングに戻ろうとしたが、いつの間にかリング下に潜んでいた東郷がKENTAの足をつかんで阻止。そのままカウント20が数えられて、KENTAのリングアウト負けが宣せられた。
試合後、握手を求めるEVILだが、KENTAは怒りが収まらない。そこにSHOが入ってきて、「もう試合は終わったから」というポーズ。さらに東郷が自伝を持ち出して和解を持ちかける。結局KENTAは、渋々それに応じ、ウルフパックサイン、拳を合わせてリングを下りた。
新日本プロレスSTRONG SPIRITS Presents G1 CLIMAX 32
- 日時
- 2022年7月26日(火) 17:30開場 18:30開始
- 会場
- 東京・後楽園ホール
- 放送
- 観衆
- 1,312人(満員)
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第7試合 30分1本勝負
「G1 CLIMAX 32」Cブロック公式戦レフェリー|マーティー浅見
MATCH REPORT
COMMENT
EVIL「(拍手をする東郷に先導させて現れて)危なかったなあ、オイ! ナイス東郷! そして、お前だ!(と言って、ワールドのTVカメラマンを指す)。お前の言った通りだったな。お前、本当に悪い奴だな、ハッハハハハ!
次は誰だ? 内藤か、オイ。内藤は、あいつは俺が横にいてやったから強かっただけだぞ。見たろ、あいつ? もう2敗だぞ。あいつの『G1』、もう終わってんだろ。逆転の内藤? そんなものは存在しない。あるのは“コールド負けの内藤”のみだ。よく覚えておけ!」
KENTA「(ワールドのTVカメラマンに向かって)ほら、やっぱり! ほら、やっぱり! あれほど公式戦には来るなって言っただろう! 太ってんな! お前、来るなつってんだよ! 毎年言ってんだろ? 公式戦にお前、来んなよ、本当に。お前、前回、いつ来た? 札幌来たな? 俺どうなった? 負けたな? 来んなよ、もう! 公式戦の時、来んなよ!
あんだけ言ってんだろ。ふざけんな、本当に。そんでお前、また太ったろ? いや、太ったろ。(TVカメラマンがカメラで頷くと)ゆっくり頷くなよ! 腹立つな。来んなよ、だからもう公式戦の時はマジで。(自伝をカメラの前に突き出して)これに書いてあっただろう! 『公式戦には来るな』って、お前。書いてなかった? ふざけんなよ! 全部これに書いてあるよ。なんか聞きたいことある?」
──公式戦は2敗がデッドラインって言われていますが?
KENTA「自伝に書いてある。45ページに。他は?」
──HOUSE of TORTUREの試合ぶりはいかがでしたか?
KENTA「はい、自伝に書いてある。65ページ。はい、次?」
──次の試合は8月2日の浜松での後藤戦なんですけども。
KENTA「あっ、完全にそれについて書いてある、自伝に。はい、次……って、いいよ、もう! 全部書いてあんだよ。俺が今日何が言いたいかっていうと2つあって、お前は二度と公式戦に来るなってことと、この自伝に言いたいことは全部書いてあるってこと!」