セミファイナル(第8試合)ではSANADAが返上したIWGP USヘビー級王座の新王者決定戦で、棚橋弘至と石井智宏が激突。当初、棚橋の対戦相手は、SANADAに『NEW JAPAN CUP』3回戦で勝利を収めたウィル・オスプレイの予定だったが、新型コロナ感染により、アメリカ遠征帰りの石井が急遽出場することが決定。ちなみに石井がUSヘビーに絡むのは2017年の初代王座決定トーナメント決勝で、ケニー・オメガに惜敗を喫して以来となる。
昨日の公開調印式で、石井は「ここ何年かの棚橋は後ろ向きな発言ばっかだから、オレが“ガーッ”とやって目を覚まさせてやる。オレのすべてをぶつけて、本来の棚橋弘至の姿をさらけ出し、そして最後にオレが勝つ」と必勝を宣言。対する棚橋も、昨年8月のカリフォルニア大会でランス・アーチャーからUSヘビーを奪取したことを踏まえ、「アメリカで獲って持って帰ってきたのは俺です。なので、しっかり巻いて、もう一度アメリカに戻る」と気合いのコメント。じつは同い年であり、過去に激闘を繰り広げるも今回が5年ぶりのシングル対決となる両雄。最後のベルトを手中に収めるのは果たして?
石井は闘志充分の表情で入場。棚橋も「ヨーシ!」と気合いを入れ、花道を進む。
開始のゴングが鳴ると、両者はがっぷりとロックアップで組み合う。石井は押し込むと、「来いよ、コノヤロー!」と棚橋の顔面に張り手を見舞う。すると棚橋もロックアップから顔面に張り手。さらにエルボーを打ち込み、セカンドロープからフライングクロスボディを食らわせ、エアギターを披露。だが、背後から石井が蹴り飛ばす。
ここから両者はエルボーの激しい応酬を展開。棚橋が膝から崩れ落ちると、石井は引きずり起こしてブレーンバスターをお見舞い。カバーは棚橋がカウント2ではね返す。
石井は棚橋を引きずり起こし逆水平チョップを連発。棚橋はエルボーで反撃するが、石井は仁王立ち。そしてエルボー&逆水平チョップの乱れ打ち。棚橋は串刺し攻撃で反撃を狙うも、逆に石井がショルダータックルでなぎ倒す。
棚橋は必死にエルボーを返すが、石井は逆水平チョップからハンマースルー。だが、棚橋はフライングフォアアームを食らわす。棚橋はボディブローからボディスラム。そしてセカンドロープからサンセットフリップをお見舞い。
続く棚橋の串刺し攻撃を石井はキックで迎撃。だが、その蹴り足を捕らえた棚橋はドラゴンスクリュー。さらにテキサスクローバーを狙うも、石井は回避。すると棚橋は膝に低空ドロップキック。そしてロープに走るが、石井は相手のお株を奪う低空ドロップキック。さらにドラゴンスクリューを食らわす。
石井はニークラッシャーからバックドロップを炸裂。そしてサソリ固めを狙うも、棚橋は張り手で回避。石井が背中にサッカーボールキックを見舞うと、棚橋は「コノヤロー!」とエルボーを連発する。
石井は串刺しラリアットで反撃するが、棚橋はひるまず雄叫びを上げ、エルボーを重ねていく。しかし、石井は打たれながらも前進し、強烈なエルボー一発でダウンを奪う。
石井は棚橋をコーナー最上段に設置し、雪崩式ブレーンバスターを狙う。棚橋はこらえ、両者はコーナー上でエルボーの応酬。棚橋はヘッドバットで石井の動きを止め、サンセットフリップ・パワーボムを狙う。石井がこらえると、棚橋はコーナー上の石井の足を捕らえ雪崩式のドラゴンスクリュー。
続いて棚橋はグラウンドでのドラゴンスクリューを連発。そしてテキサスクローバーを決めるが、石井は必死にロープエスケープ。ならばと棚橋は石井の足を捕らえる。石井はロープをつかむも、棚橋は強引にドラゴンスクリュー。
そして棚橋はスリングブレイドを狙うが、石井はカウンターのパワースラムで叩きつける。石井は立ち上がると、ラリアットへ。棚橋はかわし、技の読み合いから顔面に張り手。だが、石井は仁王立ちで耐える。
棚橋は張り手を乱打するが、耐えた石井はローリングラリアット。かわした棚橋は一気に投げっぱなしのドラゴンスープレックス。しかし、石井はすぐに起き上がって同じくドラゴンスープレックスで反撃。
棚橋は意地で立ち上がるが、石井はラリアット。すると棚橋は即座に立ち上がってスリングブレイドを炸裂。そして追撃のスリングブレイドからカバーするが、石井はカウント2でキックアウト。
棚橋は石井を引きずり起こしてドラゴンスープレックスの体勢に。石井がクラッチを外すと、棚橋はダルマ式ジャーマン。だが、石井はカウント2で必死にキックアウト。
ならばと棚橋はハイフライフローを狙ってコーナー最上段に上るも、石井が飛び上がってヘッドバット。棚橋はコーナー最上段にもたれかかり、動きが止まる。
石井は気合いを入れ、コーナー最上段から雪崩式ブレーンバスターを炸裂。だが、カバーは棚橋がなんとかカウント2ではね返す。すると石井はスライディングラリアットを決めてカバーするも、これも棚橋はカウント2でキックアウト。
ならばと石井は雄叫びから、垂直落下式ブレーンバスターを狙う。だが、棚橋はツイスト&シャウトで切り返す。さらに追撃のツイスト&シャウトを決める。そして石井のブレーンバスターを切り抜けてドラゴンスープレックス。これはカウント2。
すると棚橋は気合いの雄叫びから、石井の背中にハイフライフロー。続けて正調式のハイフライフローを繰り出すが、石井は寸前でかわす。そしてラ・マヒストラルを決めるが、棚橋はカウント3寸前ではね返す。
棚橋は串刺しボディプレスからスリングブレイドへ。しかし、石井は切り抜ける。そしてラリアットを繰り出すが、かわした棚橋はスリングブレイドを仕掛ける。だが、石井は仁王立ち。
棚橋はショートレンジラリアットを重ねるが、石井は延髄斬りをヒット。そして石井は雄叫びを上げ、渾身のラリアットでなぎ倒す。しかし、カバーは棚橋がカウント1で意地のキックアウト。
ならばと石井は追撃のラリアットを食らわせ、垂直落下式ブレーンバスターを炸裂。だが、棚橋は必死にカウント2でキックアウト。すると石井はイシイドリラーのような体勢に入るが、棚橋は切り抜けてリバースのスリングブレイドで石井の顔面を打ちつける。
両者はフラフラと立ち上がると、石井がヘッドバットを連発。さらに棚橋の張り手をかわし、ラリアットを見舞う。棚橋も張り手から相手のお株を奪うようなヘッドバットでなぎ倒す。
棚橋はスリングブレイドを狙うが、石井は掟破りのスリングブレイド。そしてブレーンバスターの体勢に入るも、棚橋は着地。しかし、石井はクラッチを離さない。すると、棚橋が掟破りの垂直落下式ブレーンバスターを炸裂。
棚橋は気合いを入れ、スリングブレイドを食らわす。石井がカバーをカウント1で返すと、棚橋はハイフライアタックを炸裂。そして追撃のハイフライフローを今度こそ決め、死闘に終止符。USヘビー、3度目の戴冠を果たした。