第4代IWGP世界ヘビー級王者のオカダが、『NEW JAPAN CUP 2022』優勝者のザックを相手に3度目の防衛戦を敢行。
ザックは2018年の『NJC』でも優勝し、同年4月1日の両国大会でIWGPヘビー級王者(当時)のオカダに挑戦。しかし、レインメーカーで敗れて王座奪取は果たせなかった。
序盤、ザックがオカダの脚を取って逆関節に絞り、場外へエスケープさせる。その後、オカダがヘッドロックからショルダータックルを見舞い、スイングネックブリーカーからフェースロックを極める。
だが、ザックはトップロープ越しのセントーンアトミコを回避し、エプロン上からロープ越しに腕ひしぎ逆十字固め極める。そのまま2人が場外へ転落し、ザックが脇固めからオカダの腕にストンピングを食らわせる。
オカダがリングへ戻ると、ザックは腕に集中攻撃を開始。キーロックなどで絞り上げ、足で踏みつける。
それでもオカダはエルボーで反撃し、フラップジャックで逆転に成功。そして、カウンターランニングバックエルボー、串刺しジャンピングバックエルボー、DDTと畳み掛ける。
さらにオカダは変型腕固めで絞り、そこから肩をつけてザックに3カウントを迫る。だが、ザックは両脚でオカダの腕を捻り、逆転に成功。
続いてエルボー合戦となり、そこからザックが腕にエルボースマッシュを浴びせる。そして、リバースネックブリーカーを切り返し、ヘッドシザースとアームロックの複合技を極める。しかし、オカダがやや強引に体勢を立て直し、改めてリバースネックブリーカーで叩きつける。
そこから両者が互いにコブラツイストを狙い、ザックが競り勝つ。そして、マネークリップを切り返して卍固めを極めるが、オカダもすぐに同じ技でお返し。
その後、オカダがダイビングエルボードロップからショットガンドロップキックを放つが、ザックが回避してフロントネックロックを繰り出す。そして、ドロップキックを回避して飛びつき三角絞め絞めを極めるが、オカダが強引に持ち上げてマットへ叩きつける。
それでもザックは腕に絡みつくが、オカダが頭部を踏みつけて脱出。ところが、直後にザックが低空ドロップキックをヒットさせる。
それでもオカダはカウンタードロップキックで逆襲してレインメーカーにいくが、ザックが腕に絡みついて三角絞めで捕獲。
さらにザックは両腕を極めてギブアップを迫るが、オカダは辛うじてロープへ逃れる。これでオカダが場外へ落ちると、ザックは胸板へローキックをお見舞い。そして、PKを繰り出すが、オカダが蹴り脚をキャッチし、ツームストンパイルドライバーで場外マットへ突き刺す。
リングへ戻ったオカダは、ミサイルキック、ローリングツームストンパイルドライバー、ローリングラリアットで追撃。そして、レインメーカーを狙うが、ザックがザックドライバーへ切り返す。
続いて両者がエルボースマッシュを打ち合い、押し込まれたオカダがエルボー連打。だが、ザックが腕にオーバーヘッドキックを浴びせる。
それでもオカダはショットガンドロップキックを見舞うが、ザックがすぐに立ち上がってPKで逆襲。そして、ヨーロピアンクラッチを繰り出すと、キックアウトされた直後にランニングローキックを食らわせる。
それでもオカダが肩を上げると、ザックは脇固めで捕獲。そして、変型腕ひしぎ逆十字固めで絞り上げるが、オカダは辛うじてロープへ脚を伸ばす。
その後、オカダがザックの丸め込みを切り返し、上から座ってエビ固めで押さえ込む。そして、フェイントでザックを幻惑し、ドロップキックで吹き飛ばす。
次にオカダは(正調)レインメーカーを繰り出すが、ザックが回避して背中へ飛び乗り、スリーパーホールドを極める。しかし、オカダが前方へ投げ捨て、逆さ押さえ込みからショートレンジラリアットを放つ。
それをザックが回避し、ニュートラルコーナー2段目から飛びつきスイングDDTを決める。そして、そのままクラッチを離さずにザックドライバーの体勢に入るが、オカダが切り返して変型パイルドライバーで突き刺す。その直後、オカダが今度こそ(正調)レインメーカーを炸裂させ、ザックから3カウントを奪取した。
──防衛おめでとうございます。ものすごい試合でしたが、今振り返ると?
オカダ「いやぁ~、関節技がね。まぁさすがとしか、言いようがない。いないっしょ、どこの世界見ても。ザック・セイバーJrがプロレス界で一番のサブミッションの使い手だと思いますし、ホントに僕は意地でもギブアップはしないと思ってた中で、ああやってザック・ドライバーという技を持ってましたし。……キツいっすね。さすが新日本プロレスといったところじゃないかと、思いました。まぁ僕もね、よくもこんな防衛戦をね、しょっちゅう、それこそ12回連続でやってたなと思いますし、だからと言って過去の僕が最高だったと思われたくないし、今のオカダ・カズチカが最高だと、最強だと思ってもらえるように、またこれからもやっていきたいと思います」
──今のオカダ選手とザック選手だからできるような、今の新日本プロレスの可能性を示すような試合だったのでは?
オカダ「本当に、いろいろな戦いがあるのが今の新日本プロレスだと思いますし、こうやってね、IWGP世界ヘビー級の、ヘビー級の戦いもあれば、ジュニアヘビー級の戦いもありますし、タッグの戦い、KOPWという面白いタイトルもありますし、50年前には考えられないような戦いが、今起きてると思うんですけども、それが今の新日本プロレスですから、胸を張ってですね、素晴らしい戦いを見せていきたいと思いますね。本当にいろいろな戦いをできて、50周年にふさわしいような、そんな戦いの中でオカダ・カズチカも強くなれてますし、今日の戦いで反省できることは反省して、また次につなげていきたいと思います。
──次は内藤選手を指名されました。ファンの皆さんの期待感がこもった大きな拍手をどう受け止めましたか?
オカダ「正直今回に限っては、期待感がどうとかっていうよりも、それは前回の札幌のタイトルマッチがそういう戦いだったと思いますし、今回に関しては、僕が負けたままで、いくらタイトルマッチで勝ったとは言え、『NEW JAPAN CUP』で負けてますから。そこで負けの借りっていうのをしっかり返したいと思いますし、内藤さんは内藤さんで、何回も戦ってるからこそ、その戦いの上をね、また考えてくると思いますので、また面白い戦いになると思います」
──柴田選手と言葉を交わしていました。4・9両国で意識するものがあったと思いますが。
オカダ「しっかりと会話ができればと思ったんですけども、入場曲が大きかったので、しっかりと会話はできなかったんですけども、『おめでとう』って言ってもらえましたし、5年前にここで起きたことっていうのは、やっぱり忘れられないことですし、それを経験して強くなった部分もあると思いますので、それを経験したってことを常に忘れずに、これからも戦っていく上で、プロレスは危険な戦いではありますけども、しっかりとお客さんを満足させて、かつ、結果を残していって、どんどんどんどん盛り上げていけたらいいなと思ってます」
ザック「(コメントスペースに現れるなり寝転がって)デジャブ。デジャブ、憎い。最後に『NEW JAPAN CUP』で優勝してもベルトを獲れなかったのは、俺だ。でも過去3年間の『NEW JAPAN CUP』優勝者は俺と違い、ベルトを獲った。俺はまた4年前と同じ結果に終わってしまった。ある意味凄いよ。デジャブのクソ野郎!
あと一歩だった……。(会場内のオカダのマイクが聴こえてくると)あのバカは何を言ってるんだ? あいつの肘を破壊して完全に仕留めたと思ったのに……。それも一度じゃない。何度もだ。ワカラナイ。DDTが上手く決まらなかったからか? それともサブミッションだけにして、ザックドライバーを使わなければ良かったのか? でもサブミッションではあいつを上回ることができなかった。(マイクアピールを聴きながら)何が起こってるんだ? (内藤が登場し、その声を聴きながら)誰が喋ってるんだ?
今日はジョージ・マイケルも現れなかった。彼が忙しかったからか、俺がストーリーを頭で考えるだけのエネルギーが残ってなかったからか? 今日はちゃんとゴールドを身につけてきたから、チャンピオンになれるはずだったのに。(リングシューズを見せながら)またアディダスに裏切られたよ。今日の俺は『ゴールドメンバー』(2002年のアメリカのコメディ映画『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』)って呼んだほうがしっくりくるかもな。アディダスを一生許さない!
街を歩いてるアディダスの社長に、車の水しぶきがかかってビチョビチョになればいいのに。それから何か食べて下痢にでもなってしまえ。酷い下痢じゃなくて、軽いのでいいから。4年経って、また同じ場所に逆戻りか。(会場内のマイクアピールを聴きながら)まさかあいつじゃないよな? 誰が喋ってるんだ? チャンピオンになれなきゃもう自分のことを未来のストロングスタイルなんて呼べないよな? 今日負けたのは、力でオカダを超えられなかったからじゃなく、ミスしてしまったからだ。だからオカダが俺より強いなんてことはない。次は必ずオカダをタップアウトさせて、俺がIWGP世界ヘビー級チャンピオンになる。でも今日のところはそうならなかった(と言って立ち上がり、氷嚢を床に叩きつけて立ち去る)」