レッスルキングダムII in 東京ドーム
- 日時
- 2008年1月4日(金) 16:30開場 17:00開始
- 会場
- 東京・東京ドーム
- 観衆
- 27000
-
第10試合 60分1本勝負
IWGPヘビー級選手権試合- (挑戦者)
- (王者)
※中邑が第48代IWGPヘビー級王者となるレフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
中邑は赤を基調としたニューガウンを着て入場。ガウンを脱ぐと、赤色のロングタイツ姿であった。
グ ラウンドでの攻防、腕の取り合いと、スピーディーに流れていく中、棚橋がエルボー。すると、中邑は両腕で棚橋の胸を突いて、ボディスラム。これを着地した 棚橋はドラゴンスリーパーで切り返すと、中邑は一回転して体勢を入れ換える。ところが、棚橋はさらに体勢を入れ換えて絞り上げる。そして、中邑が腕ひしぎ 逆十字固めで切り返すと、棚橋はロープエスケープ。
棚橋はラリアットで中邑を場外に落とし、エプロンに立った中邑にロープを挟んでのドラゴンスクリュー。ここから、足へのストンピング、低空ドロップキック、レッグロック、ボディプレスと、中邑の脚を集中砲火。
だ が、中邑も棚橋のセカンドロープからのローリングセントーンをかわして、カウンターのキチンシンク、パワースラム、エルニーニョ。2発目でかわした棚橋 は、低空ドロップキック、顔面への張り手連打。中邑も張り返すが、棚橋はこれをかわしてバックを取り、ジャーマンスープレックス2連発。3発目で回避した 中邑はバックを取り返し、ジャーマンスープレックス2連発からドラゴンスープレックスへ。
しかし、棚橋は巧く体勢を入れ換えてジャーマンスープレックスを放つ。ここから両者は、交互にジャーマンスープレックスで投げ合い、共にダウンする。
ダ ウンカウントが入る中、何とか立ち上がった両雄は意地の張り手合戦を展開し、中邑がラリアット。そして、ダブルアームパイルドライバーで棚橋の脳天をマッ トに突き刺す。勢いに乗る中邑だったが、不用意に出した左腕のラリアットをブロックされ、負傷していた左肩に深刻なダメージを負ってしまう。
ここから棚橋は中邑の左肩を狙い定め、まずは中邑にとって“悪夢”とも言うべき雪崩式のエクスプロイダーを敢行。そして、悶絶する中邑の左肩をドラゴンスクリューの要領で何度も回転させ、腕ひしぎ逆十字固め。中邑は必死でロープエスケープする。
こ こで棚橋は、一気にスパート。だるま式ジャーマンスープレックスホールド、フルネルソンバスター、ハイフライフロー。中邑がカウント2で凌ぎ続けると、棚 橋はハイフライフローでダイブ。すると、中邑は両膝でこれを迎撃し、一瞬のスキを突いた飛びつき腕ひしぎ逆十字固め。さらにそこから三角絞めへ移行し、ス タンド式逆十字固めに捕らえる。
だが、棚橋は踏みつけて脱出。中邑はリバースパワースラムからランドスライドを炸裂させるも、棚橋はカウント2でクリア。そして、2発目のランドスライドをスリングブレイドで切り返され、共にダウンする。
両者は立ち上がると、棚橋がスリングブレイドを放てば、中邑はドラゴンスープレックスホールドで対抗。棚橋は、中邑のランドスライドを丸め込みで切り返し、タイガースープレックスホールド。だが、いずれもニアフォールとなる。
先 に立ち上がった棚橋の脚に必死の形相で食らいつく中邑に、棚橋は容赦の無いストンピング。そして、コーナー最上段へ乗り、中邑もこれに呼応。コーナー上で のせめぎ合いから、なんと中邑は雪崩式ランドスライド! そして、強烈な一撃を浴びて動きが止まった棚橋に、ダメ押しのランドスライド!! これで棚橋を完璧に仕留め、中邑が約4年ぶりにIWGPヘビー級王者に返り咲いた。
試合後、IWGP“3rd”ベルトを手にしたアングルがリングインし、中邑と対峙する。中邑は「そのIWGP、ウチのモンだ。俺が取り返す! やろうじゃねぇか、コイツと。どうですか、お客さん!」とマイクアピール。
すると、アングルも「お前は俺のレベルに達していない。俺はオリンピックのゴールドメダリスト。お前のケツにやり返してやる!」とマイクで応戦。
これを受けて中邑は、「統一戦受けるんだろうな? 本物のIWGPチャンピオンはここだ!」とマイクで切り返し、アングルとの統一戦に臨むとドームのファンに誓った。
そ して、リング上での勝利者インタビューを受けた中邑は、感極まって途中言葉を詰まらせながらも、「自分を信じて、プロレスを信じて本当に良かったです。プ ロレスには夢と希望がいっぱい詰まっていると思います。こうして諦めずに闘って、今日勝って、本当に嬉しいです。ホントにありがとうございました。もちろ ん、新日本のプロレスラー、全てのファンがあのベルトは本当のIWGPチャンピオンが巻くものだと思います。例え、俺がグリーンボーイだと言われようと 闘って統一するだけです。いちばんスゲェのはプロレスなんだよ!」とコメントし、最後に決め台詞を絶叫。
そして、ベルトと共にドームの長い花道を歩いていき、ステージ上で堂々の勝ち名乗りを挙げた。
COMMENT
※ここで稔とデヴィットと共にビールで乾杯
中邑「(ビールを口に含んで)やっと正月が来た。世間 がクリスマスだ、正月だと言っている時に、この試合のためにすべて我慢してきましたからね。(これから)新日本プロレスのレスラーとしての使命、IWGP の統一に向けて突っ走りたいと思います。(試合後の涙は)デカいプレッシャー、それに伴う怖さ。色んなモノを背負ってリングで闘っている中で、棚橋弘至と いう最高の相手と闘えて、その感情が少し出たかなと思っています。(赤色のコスチュームについて)自分は変わったというか、変わるんだという意思表示みた いなものですかね」
棚橋「まさか敗者の弁を言うとは思わなかった。でも、俺と(IWGPヘビー級)ベルトは相思相愛だから。すぐに向こうから戻って来る。(立ち上がって天を指しながら)そして、俺はすべての頂点に立つ男(と言い残し去る)」
※メインイベントを観戦したアングルのコメント
ア ングル「まずはナガタを破った。次は、(中邑の持っている)IWGP“2nd”ベルトだ。なぜあのベルトが“2nd”なのかと言うと、私の持っている IWGPがナンバーワンだからだ。とにかく私は、ベルトを集めるのが好きだ。引退するまでに様々なベルトをコレクションする。(中邑との統一戦は)TNA のオーナー、ジェフ・ジャレットが判断すること。彼が『あのベルトを獲ってくれ』、『このベルトを守ってくれ』と言えば、どこでも行く。彼がそれ(統一 戦)をしてくれと言えば、私はTNAという世界一のカンパニーの看板を背負って闘う。(今日のメインイベントについて)ナカムラ、タナハシ、2人とも素晴 らしいアスリートだが、レスリングに関してはまだまだテクニックがお粗末だ。私と同じレベルには全く達していない。試合をすれば、それが証明されるだろ う。ナカムラ、タナハシよりも、ナガタの方が高いレスリングテクニックを持っていたし、ハートも強かった。ナガタがこんなに素晴らしい選手だとは思わな かった。正直言って、ナガタロック(II)が極まった時は、かなり首を痛めつけられたよ。(自身が正式なIWGP王者にとして認定されてないことについ て)逆に教えてほしい。どちらが“2nd”ベルトだと思う? 私はブロック・レスナーをタップアウトさせて、チャンピオンになったんだ。なぜ、私がチャンピオンとして認められないんだ?」
※ここでTNAの創始者ジェフ・ジャレットがコメントブースに登場。アングルの横に着席しコメントする
ジャ レット「ナカムラはレスナーに勝ったのか? 彼は“ペーパーチャンピオン”(作られた王者)だ。アングルこそが、世界最強のレスラーであり、今日、(永田を倒して)それを証明した。今日は、チョー シュー、フジナミ、ムタ……様々な素晴らしい選手が揃ったが、結局ファンが観に来たのはカート・アングルだろう。(アングルと中邑の統一戦について)これ はビジネスだから、契約の話が上手くいけば実現させる。(『新日本の中で興味のある選手は?』)色んなスタイルがミックスされた選手、レジェンドもいれ ば、伸び盛りの選手もいる。素晴らしい選手がたくさん集まっているイメージ。タイガー(マスク)、ナカムラをTNAに参戦させたいと考えている。これは ニュージャパンと交渉して決めたい」
アングル「最後に言いたいことがある。ニュージャパンとTNAがコラボレーションして、素晴らしい大会ができた。お互いにプラスになったし、成長していけると思う。今日は歴史的な一夜だった」