新日本プロレス創立35周年TOUR Circuit2007 NEW JAPAN ALIVE
- 日時
- 2007年12月8日(土) 17:30開場 18:00開始
- 会場
- 大阪・大阪府立体育会館・第2競技場
- 観衆
- 1900
-
第7試合 60分1本勝負
IWGP Jr.ヘビー級選手権試合- (挑戦者)
- (王者)
※井上が第53代王者となるレフェリー|タイガー服部
MATCH REPORT
裕次郎が田口、金本が井上のセコンドにつく中、試合開始のゴングが鳴らされる。田口をロープへ押し込んだ井上は、離れ際でチョップ。すると、田口も同様にやり返す。
そ の後、グラウンドの攻防を経て、井上がヘッドロック、ショルダータックル。対する田口はリープフロッグからのドロップキックで対抗。トペフェイントから腰 をくねらせると、エプロンに立った井上をドロップキック場外へ転落させ、プランチャへ。だが、素早く回避した井上はリングインし、田口を自爆させることに 成功。プランチャ、エプロンからのジャンピングニーパットをお見舞いする。
これで主導権を握った井上は、監獄固め、ストンピング、ロープを利用してのレッグロックなどで田口の左脚を集中攻撃。田口の左脚を持ってカバーし、カウント2で返されるとすぐにアンクルホールドへ。
これで左脚にダメージを負った田口は、ハンマースルーされても走れず、倒れこんでしまう。その後も脚攻めを続けた井上は、トペスイシーダを敢行するが、田口はロープを掴んでのジャンピングキックでこれを迎撃。
ここから田口はミサイルキック、腕ひしぎ逆十字固め、ギロチンドロップ、キャメルクラッチ。そして、サムライ会長直伝のダイビングヘッドバットからのチキンウイングアームロックで井上の左腕を絞り上げる。
なんとかロープエスケープした井上は場外へ追いやられるが、田口の三角飛びプランチャをなんと膝蹴りで迎撃! そして、トペスイシーダをヒットさせる。
負 傷していた額から流血したのも気にせず、井上は田口への攻撃を続け、ミサイルキック、バックドロップ2連発を繰り出す。そして、トライアングルランサーを 狙うが、上手く切り返した田口は、井上をコーナーへ突き押して串刺しドロップキック。しかし、井上もカウンターの風車式バックブリーカーですぐに応戦し、 ロメロスペシャルへ。すると、田口は抜け出してロメロスペシャルで対抗する。
勝負に出た田口は、串刺しスピアーを避けてのスクールボーイ、延髄斬り、フェースバスターから“どどん”の構えへ。井上はこれを不発させ、トライアングルランサーで田口をガッチリ捕獲。ロープエスケープを狙うと、マット中央に寄せて再度絞り上げる。
しかし、井上を丸め込んで脱出した田口は、変型ドラゴンスクリュー、雪崩式ブレーンバスターからクラッチを離さず通常のブレーンバスターを決める変則技、雪崩式ブレーンバスターからの腕ひしぎ逆十字固め、ジャーマンスープレックスホールドで井上を追い詰める。
そして、田口は“どどん”と思わせて放つタイガースープレックスホイップを見舞うと、「決めるぞ!」と叫んで必殺の“どどん”で井上をカバー。しかし、カウント3は奪えず、頭を抱える。
エ ルボー合戦を展開する中、田口がロープへ走ると、井上はカウンターの風車式バックブリーカー。そして、スピアーで突っ込むが、田口はドロップキックで迎撃 し、ラ・マヒストラル。これを井上がクリアし、トライアングルランサーを狙うと、切り返して再度ラ・マヒストラル。丸め込み地獄から抜け出した井上は、ス ピアーから必殺のスタガリンブローを炸裂させるが、田口はカウント2でキックアウト。
互いに大技を繰り出すも、なかなか勝負が決まらない過酷な状 況の中、井上は、なんと雪崩式スタガリンブローを敢行。しかし、田口は叫びながらすぐに立ち上がる。すると、井上はその田口へニールキックをヒットさせ、 スタガリンブローの構えから放つ変型ファルコンアローから、最後は変型トライアングルランサー。これで田口がギブアップし、激闘に終止符。田口が5度目の 防衛に失敗し、井上が念願だったIWGP Jr.初戴冠を果たした。
勝利した井上には、認定書、勝利者賞、勝利者トロフィー、サムライ TV賞が贈られる。そして、最後にIWGP Jr.のベルトを受け取った井上。金本にそのベルトを腰に巻いてもらうと、右手を高々と突き上げ、リングを降り、フェンスの前に集まったファンの元へ。再 びリングに戻り、四方に礼をして「皆さん! ベルト、獲りました! 応援、ありがとうございました!! 俺がベルトを持っている限り、新日本Jr.をより高いステージへ成長させます! 応援、よろしくお願いします!」とマイクアピール。大歓声を受けながら退場していった。
勝利者賞:「ハートフルギフト」ギフト券
COMMENT
井上「どうもありがとうございます! 今まで出会った全ての人に、ありがとうと言いたいです。いい人も、僕が嫌いで嫌だなと思う人も、色んな人と出会って、色んな人の手助けを借りて。1人の力 じゃ決してここまで上がって来る事は出来ませんでした。人との出会いが、僕をここまで押し上げてくれました。自分自身、メキシコで色んな事に気付いたり、 経験してきて、気持ちに余裕が出来たんですけど。さすがに今日という日に限っては経験した事も、焦る気持ちを抑える事も(なかなか出来ず)、やっぱり自分 の気持ち、心だけでした。その瞬間に立たされた時に、それでも自分は行けると思えたのは、今まで色んな事を経験して乗り越えてきた結果だと思っています。 僕が長年追い求めていたJr.の中でトップという結果を、やっと手に入れる事ができました。現時点で、僕が新日本Jr.ナンバー1です。今回起こした行動 の仕方が間違っている事は、十分わかっています。だから、文句があるヤツはかかって来い! 俺のポジションまで上がって来い! 俺は自分が起こした行動に起因する事は、全部受け止めるつもりです。今日は大一番だったからでしょうけど、皆さんから多くの声援を頂いて、そういう中で闘 えるレスラーになりたいとデビュー前からずっと思っていました。今日、会場に来てくださった皆様が、会場に来て良かったなと、井上を見に来て良かったなと 思ってもらえれば、僕がなりたかったプロレスラーに一歩近づけたかなと。でも俺は分かっています。今、挑戦者の立場だという事です。これからチャンピオン になり、多くの防衛戦を迎えたいです、そして乗り越えたいです。そうすればする程、また違ったものになってくるでしょう。今日、僕は田口戦の中で“どど ん”がキーポイントだと思っていました。あれを受けずして田口に勝ったとしても、俺は勝ったとは思いません。“どどん”を乗り越えて、そこから先が勝負だ と思っていた。それでも田口は強さを見せ付けました。やっぱりアイツは正統派の、錚々たる顔ぶれの選手を(相手に)防衛して来たチャンピオンでした。でも 俺は負ける訳にはいかない。今日、応援してくださった皆様の期待にチャンピオンとして応えていかないといけないと思っています。僕にとっては(アニマル) 浜口さんとの出会いがプロレスラーを目指す第一歩であり、チャンピオンを目指す一歩となりました。人の人生にそのように関われる浜口さんを心から尊敬しま す。僕はまだまだ浜口さんには及ばないですけども、いまプロレスラーという立場でリング上から精一杯、闘いの中からメッセージを伝えられたらと思っていま す。今日見に来てくださった方々が明日、自分が頑張ろうと思って頂けたら僕は幸せです。これからの新日本Jr.を引っ張っていきます!」
田 口「クソー! “どどん”で決まったと思ったんだけど……。井上、体に力が入っていなかったから。ちょっと焦っちゃった。もう1発“どどん”に行っていれば良かった。 まぁ、勝負事に“たられば”は禁物ですから、雪崩式(スタガリンブロー)で頭を打ってダメージが残ってしまったのが敗因ですかね。井上亘がこの試合で“覚 醒”したんじゃないですか。あそこで“どどん”を返せる、あれこそが何かに“気付いた”証拠なんじゃないですか。自分の追い込まれっぷりが情けないです ね、焦ってからの。最後、雪崩式を返せば何とかなるかなとは思ったんですけど、あそこ持ち上げられても、あの(変型)ファルコンアローみたいな。あれでも うダメでしたね。あの後の(変型)トライアングルランサーはオマケというか。返すのに精一杯でした。でも、僕はこれで終わりじゃないですから。こうやって 強くなった井上亘という相手が出てきましたから。また、闘いがいのある相手が1人増えたので。リベンジマッチをしたいですけど、また必ず強くなってベルト に挑戦します。ちょっと、奢ってはいなかったですけど、鼻が伸びかかっていたところを、いい様にへし折ってもらったかなって思います。(『今日の井上はこ れまでとは何が違ったか?』)やっぱり後が無いというのが1つ大きなね。やっぱり自分を追い込んでメキシコに行って、アクシデントですけど(タイトルマッ チ前に)欠場して。ホントにもう後が無いところまで追い込まれた男の意地というんですかね。努力を続けていれば、こういう結果が手にできるというのを今日 教えられました。デカい口を叩いていましたけど、井上亘が(メキシコで)4ヶ月やってきた事は間違いじゃなかったんじゃないですか。これからまた、チャン ピオンとして新日本プロレスに、この前欠場した分のものを返していけばいいんじゃないですか。強くなった井上亘を追いかけます!」