試合後もしばらく両者はダウンしたまま。ようやく鷹木は上体を起こし、ロープに身体を預けて頭を押さえる。石井はダウンしたまま必死に鷹木に近づき、両者はヘッドバットの応酬。慌ててセコンドのヤングライオンが割って入り、両者を引き離す。
鷹木は立ち上がって勝ち名乗りを受けるも、すぐにひざまずいてしまう。石井は満身創痍ながらも、セコンドの肩を借りずに自分の足でフラフラと退場。
ここで鷹木は水を飲み、さらに頭から被ってからからマイクを握る。
■鷹木のマイクアピール
「やっぱり、あのオッサン、頭おかしいな(場内拍手)。いろんなプロレスがあるかもしれないが、これも! プロレスだ(場内拍手)。あらためまして、あらためまして、あらためまして……、来た、来た、来たー!(場内拍手)。いや、ほんと、クラクラするな。
1回戦から強烈な対戦相手だったが、なんとか勝ち進むことができたぞ(場内拍手)。昨年はたしか準優勝。準優勝という言葉を聞いたら、響きはいいかもしれねえが、実際は優勝決定戦でオスプレイにボロボロにやられて、俺としては後味の悪い結末だった。だからよ、せっかく出るんだったら、優勝しなきゃ意味がねえってことだよ!(場内拍手)。
どっかの偉い政治家さんが言ってたな。なぜ、一番にこだわるんでしょうか、二番じゃダメなんでしょうか? 俺がお答えしよう、ダメなんです! 一番じゃなきゃダメなんです! やるなら優勝じゃなきゃダメなんです!(場内拍手)。
よーし! 今年こそはやってやるぞ。『NEW JAPAN CUP』の優勝というテッペン目指して、龍のごとく駆け上っていくぞ~!!」
そして鷹木は右腕を突き上げ、リングを下りると氷のうで首を冷やし、『NJC』のトロフィーを見つめてから退場した。