第4試合はIWGPタッグ王者のザック・セイバーJr.（6勝2敗）がタンガ・ロア（2勝6敗）と激突。ザックは初戦で優勝候補の一角である内藤哲也を下すと、その後は鷹木信悟、飯伏幸太も葬り、今回の台風の目に。結果、優勝決定戦進出の可能性を残し、最終公式戦に臨むことに。ロアは星取りこそ振るわないまでも、シングルプレイヤーとして覚醒。今年上半期はIWGPタッグを巡り争ってきたザックを相手に、有終の美を飾りたいところだ。

　ロアには邪道が帯同。ザックはIWGPタッグのベルトを携え入場。

　開始のゴングと同時に、ザックは突進してフロントキック。さらにエルボーを連発。ロアはパワーではねのけるも、ザックはフロントキックの連発からオクトパスホールドで捕獲。
　ロアがロープに逃れると、ザックはロープへ。するとロアはショルダータックルで豪快に吹っ飛ばす。そしてロアは場外戦に持ち込み、鉄柵にザックの腰を叩きつける。
　だが、ザックも飛びつきフロントネックロックで捕獲。ロアはブレーンバスターで切り返そうとするが、ザックは着地してコブラツイストで捕らえる。
　しかし、ロアはパワーで振りほどく。さらにボディスラムで場外フロアに叩きつける。続いてロアはザックの喉元を踏みつけるが、ザックはヒールホールドで捕らえる。しかし、ロアは切り抜け、ザックをエプロンにバックドロップの体勢で叩きつける。
　ロアはザックをリングに投げ入れてカバー。しかし、ザックはすぐにキックアウト。するとロアはザックのアゴに足を押しつける拷問攻撃。そして場外から、リングでダウン状態のザックの胸板に、ハンマーパンチを叩き込む。
　ロアはリングに戻ると、打撃を浴びせる。ザックも必死にエルボーを返すが、ロアはエルボー一発で吹っ飛ばして不敵な笑み。
　そしてロアはストンピングを乱打。ザックはヒールホールドを狙うが、これもロアが回避。するとザックはヒザ蹴り。しかし、ロアは打点の高いドロップキックで反撃。さらにその場飛びムーンサルトプレスを決める。ザックがカウント2でキックアウトすると、ロアはOJKで捕獲。ザックは足でなんとかロープエスケープ。
　エプロンに逃れたザックに対し、ロアはラリアット。かわしたザックはロープ越しに飛びつきスリーパー。さらにヘッドシザーズホイップからネックツイスト。そして後頭部に低空ドロップキックをお見舞い。
　続いてザックは腕ひしぎ逆十字を狙う。ロアが耐えると、ザックはアームツイスト。さらにヒジに強烈なストンピング。
　ザックは挑発するようにロアにキックを連発。そしてロープに走るが、ロアはカウンターで抱え上げてスパインバスターを炸裂。
　ここから両者はヒザ立ち状態でエルボーの応酬に。そして立ち上がると、ロアがキックから串刺し攻撃を狙う。切り抜けたザックは飛びつくが、ロアはキャッチしてコーナーパッドに背中から叩きつける。
　ロアはTボーンスープレックスを食らわせ、コーナー最上段からダイビングヘッドバット。しかし、カバーはザックがカウント2でキックアウト。
　ならばとロアは担ぎ上げるが、ザックは切り抜けてドラゴンスープレックスを狙う。ロアが耐えると、ザックはジャーマン。しかし、ロアもすぐに立ち上がってお返しのジャーマンを食らわす。
　ロアは串刺しラリアット。二発目をかわしたザックはトルネードDDTを炸裂。ロアはすぐに立ち上がり、ラリアットを狙うも、ザックはキックで打ち落とす。しかし、ロアは三発目でラリアットを決めてカバーへ。ザックはカウント2でなんとかキックアウト。
　ロアはザックを引きずりおこし、エイプシットの体勢に。ザックは切り抜けてスリーパーで捕獲。しかし、ロアは肩車で担ぎ上げる。ザックは身体を旋回させてウラカン・ラナを狙うも、ロアは耐えるとパワーボムの体勢で持ち上げる。
　するとザックは飛びつき式のフロントネックロック。しかし、ロアは強引に肩に担ぎ上げ、エイプシットへ。これは寸前でザックは切り抜けて十字架固め。だが、ロアは返すと、その状態のまま立ち上がる。
　するとザックは空中で変型のオクトパスホールド。ロアはなんとかロープに手をかける。
　ザックはその手を蹴り上げ、ロープへ。するとロアはカウンターのラリアット。そしてシットダウン式パワーボムを決めるが、ザックはカウント2でキックアウト。
　ロアは「カモン、ザック！」と気合いを入れ、串刺しラリアット。二発目はザックが切り抜け、オクトパスホールドの体勢に。そこからカナディアンデストロイヤーの要領でロアの頭部を突き刺して押さえ込むが、ロアはカウント2でなんとかキックアウト。
　ならばとザックはロアの右ヒジにストンピング。さらにキックの連発から押さえ込むが、ロアはカウント1で意地のキックアウト。
　するとザックは飛びつきの腕関節を狙う。ロアがこらえると、ザックは相手の腕を捕らえ、そこ目掛けてオーバーヘッドキック。
　さらにエルボーを連発するが、ロアは強烈なエルボー一発でザックを吹っ飛ばす。ザックは必死にエルボーを返すが、ロアが優勢に。
　ロアの延髄斬りをかわしたザックは回転足折り固め。これを返したロアは、逆に同じ技を繰り出し、そのまま強引に押さえ込んで3カウントを奪取。この瞬間、ザックの優勝決定戦進出の道は途絶えた。

　試合後、ロアは邪道と抱擁。ザックは両手で頭を抱えて悔しさをあらわにする。

　
ロア「この業界では、どう始めるかよりも、どう終わるかが何より大事だ。その意味で今日のオレの『G1』公式最終戦、有終の美で終えることができて何よりだ。オレを出場選手の1人に選んでくれたニュージャパンに心から感謝してる。この『G1』でたくさんの素晴らしいレスラーたちと1対1で競い合うことができ、本当に光栄に思っている。これでもう残念ながらザックの優勝決定戦進出の可能性はなくなった。

ザック、自分で招いた結果だぞ。オレを責めても無駄だ。今日、気持ちの強さでオレがおまえを上回っていたってことだ。ニュージャパン、そしてBULLET CLUBのファミリー、ありがとう。またな」
　

　
ザック「”IT’S ALL GONE PETE TONG”！（『フランキー・ワイルドの素晴らしき世界』（原題：It’s All Gone Pete Tong）あともう一歩だったのに、オレの決勝戦進出はこれでなくなった！ どうせここにいるおまえらはバックステージで椅子を投げたり叫んで暴れ回るオレを期待していたんだろうが、今日は取り乱さないぞ。こんな結果になってしまったのも全てヨコハマという場所のせいだ。

もし例年通りブドーカンでやってたら、オレは間違いなく勝ってた。オレはブドーカンでは負けたことがない。去年までの『G1』最終公式戦でナイトーとKENTAから勝ってるんだ。最終公式戦で負けることなんて滅多になかった。タンガ・ロアの野郎…GORILLA BOLLOCKS…今年はずっとあいつ相手に手こずらされてきた。もちろん手強い一戦になるって初めから予想してたけど、頭脳戦もできる奴だったとはな。正直驚いたよ。しかも押さえ込みで負けたっていう事実は受け止め難い。それにあいつの全体重をかけられて頭に響いた。

（※日本語で）タンガ、イイネ。バカなパートナー（タマ）とは違って頭がキレる野郎だ。最悪な結果だ。でもあいつだってひどい状況にいるしな…ハイ、ナイトー！ オレもだけどおまえもハナから優勝決定戦には進めない。おまえの点数は0だからな！ （※スペイン語で） BIEN. HOLA NAITO（グッド、ハイ、ナイトー）もう優勝決定戦には進めない。ムカつくから残りの出場選手全員が食中毒か下痢にでもなって苦しめばいい。でも一つ忘れてはいけないのは、オレはIWGP世界ヘビー級王者から勝ってる!! カンパイ！

（水を一口飲んで）つまりベルトの挑戦は保証されてるってことだ。オレがあの宝を獲れば、最終的には万々歳だ。この結果はキツいけど、次のチャンスがある」