第1試合は真壁刀義&本間朋晃のGBHタッグと永田裕志&辻陽太組のタッグマッチ。辻は8.1後楽園で内藤哲也と壮行試合を実施。その直前、海千山千のGBHタッグを相手に、頼もしい大先輩・永田と共にどんな戦いを繰り広げるのか。
ゴング前から辻は真壁と視殺戦を展開。
ゴングを待たずに辻は真壁に突進。そしてエルボーの連発から、ロープワークの攻防に。辻はショルダータックル三発目でダウンを奪う。そして真壁をボディスラムで叩きつけ、ストンピングを連発。
だが、真壁がロックアップで辻を自軍コーナーに詰め、本間とスイッチ。しかし、辻はうまく切り抜け、永田と交代。
本間は永田のリストを捕獲。そのままロープに押し込むと、離れ際に永田の胸板に張り手。
永田もフロントキックで反撃。そしてエルボーの応酬となり、競り勝った本間はロープに飛んでショルダータックル。
本間は永田に逆水平チョップを連発し、串刺しエルボー、フェイスクラッシャーとたたみかける。さらに本間は小こけしを繰り出すが、これは永田がかわす。
永田は本間の背中にサッカーボールキック。さらに相手コーナーの真壁にはフロントキックをお見舞い。続いて永田は本間にアームブリーカー。
次は辻が本間の左腕をねじ上げる。さらにボディスラムで叩きつけ、真壁にエルボーを見舞ってから、本間にストンピング。
スイッチした永田はローキックの連発で本間からダウンを奪う。そして永田は相手コーナーの真壁にまたもフロントキック。
永田は本間の顔面にフロントキックを乱打。さらに胸板にミドルキックを連発。本間は蹴り足をつかんでエルボー。そして永田にカウンターのこけしロケットをヒット。
スイッチした真壁は永田にショルダータックル。そして串刺しラリアットを浴びせ、頭部にナックルを落とす。続いてノーザンライトスープレックスを狙うが、回避した永田はロープへ。すると真壁はラリアットでなぎ倒す。
真壁はラリアットにいくが、永田はエクスプロイダーの体勢。すると、そこからナガタロックⅡに持ち込む。だが、これは本間がカット。永田は本間にキチンシンクを叩き込み、場外に追いやる。
次は辻が真壁に串刺しエルボー。さらにランニングエルボー。真壁が蹴りで食い止め、ブレーンバスターを狙うも、逆に辻が投げ返す。
そして辻は永田と共に真壁にトレイン攻撃。続いて永田がエクスプロイダーを決め、辻がランニングボディプレスでつなぐ。
ここから辻は逆エビ固めを決めるが、本間が逆水平チョップの連発でカットに入る。すると永田がナガタロックⅡで捕獲。真壁は自力でロープエスケープ。
勢いに乗る辻は突進するが、逆に真壁がスピアーをお見舞い。そしてラリアットを繰り出すが、辻はうまくかわして丸め込む。真壁が返すと、辻は意地のスピアーを炸裂。だが、カバーは本間がカット。
辻は本間にエルボー。しかし、本間はかわしてDDTで突き刺す。そしてGBHタッグは辻にサンドイッチ式ラリアット。続いて真壁がラリアットを叩き込むが、辻はカバーをカウント2でキックアウト。
ならばと真壁は辻をボディスラムで叩きつけ、キングコングニーを炸裂。そしてカバーにはいかず、最後は逆エビ固めでギブアップを奪った。
試合後、GBHタッグはグロッキー状態の辻を厳しい視線で見下ろす。そして勝ち名乗りを上げた。
真壁「生意気に! 強くなったな、あぁ。ただよぉ、まだまだだ。俺とこうして……テメェ(俺のキャリは)何年だと思ってんだ。いますぐに思い出せねぇよ。少なくとも25年以上だよ。ただ数年やってただけで、この俺様たちに敵うわけねぇだろ。ただな、アイツらが練習生で入った頃、デビューしたての若手の頃(と比べたら)、格段に、あぁ、格段によくなってる。辻だけじゃねぇ、上村もだ。正直、俺とかが言うことねぇよな。ただだ、これから待ってんのは、本物の地獄だ。極端なこと言っちまえば、試合で勝つこと、負けること、そんなこたぁどうだっていいんだ。そのリングで、己の生き様を刻めるかどうかだ。これがレスラーの全てだよな。アイツら今までヤングライオンとして、道場お抱えで、ある程度心に余裕もできただろう。ちょうどいい、ちょうどいい時期だよな、海外遠征に行くにはよぉ。テメェの無力さ、世界にはいくらでも強えぇヤツがいる、それをよぉ、学んでこい。テメェの経験で、学んでこい。あぁ、俺が言えるのはそれだけだ。あぁ、何だか分かるか?
この俺様は海外で地獄を見てきた。(※指で拳銃の形を作り)チャカ撃ってるとこ、見たことあるか? 地獄だよ。話の全てはそこだ。プロレス関係ねぇ。テメェが生き残るかどうかだ。サバイバルゲームだ。そのゲームにテメェら、必ず勝って帰ってこい。言いてぇことはそれだけだ。いいか、無駄死にはするなよ。テメェら必ずのし上がってこい。『のし上がってやる』って思いを掴んでこい。言いてぇことはそれだけだ」
本間「今日さぁ、辻と最後の対戦っちゅうことで、こけし殺法全開でヤツにこけしってヤツをお見舞いしようと思ったら、俺が攻められてどうすんだっつーの! やっぱでも、日に日に強くなってるアイツを見てると、海外行っても大丈夫だろうなと思うんだけども、海外に行ったからっつって、誰でも強くなれるわけじゃねぇから。努力しなかったら強くなれねぇし、テッペン獲れねぇから。
辻はさぁ、ヤングライオンと言っても、年もまあまあ行ってるし、心配ない。アイツは自分に厳しくやると思う。ただ、優也、優也はさぁ、ちょっと目を離すと横着なところがあるからさぁ、そこだけちょっと心配だね。アイツは、優也は、ホント素晴らしいものいっぱい持ってるんだけど、ちょっと横着しちゃうから、そこだけ気をつけろ。オマエも努力して、テッペン獲ってこっち帰ってきて、タイトルマッチに絡んでいくだろうけど、俺だって、日本で、ここで、新日本プロレスで、上だけ見てやってんだよ! オマエが返って来る頃、どうなってるかわかんねぇぞ! すっげぇ上でやってるかもしれねぇし、俺だってこの位置で満足してるわけじゃねぇ。
ただ2人には頑張ってほしい。今までの、2006年から新日本に上がって、数々のヤングライオンを見ましたけど、辻陽太と、上村優也が、いっちばん思い入れある! いっちばん思い入れあるし、頑張ってほしい。俺がケガして、退院して道場に戻った頃、2人だけ新人で入って丸坊主で、俺と必死になって頑張ってきたんだ。同期みてぇなもんだよ! 俺も頑張るから、オマエらも頑張れ! 待ってるよ、頑張ってこい!」
永田「(※後からフラフラとついてきた辻に)大丈夫か? よく頑張ったよ。(※辻がヒザをついて床に倒れ込む)何だ、まだキツいか? 起きろ起きろ! しっかりと胸張って。(※辻が立ち上がる)3年半だっけ、デビューして?」
辻「3年4ヵ月です」
永田「よく頑張ったよ。よく頑張ってようやくな、海外遠征を掴んだし。オマエの先が見えるよ。海外に行って、さらに揉まれて、日本に帰ってきた時に、新たな辻陽太というプロレスラー像が、何となく見えてきた気がする。海外は大変だけど、大変な中で得るものがたくさんあるんでね、頑張ってこい(※と、辻野背中を叩く)」
辻「ハイ!」
永田「明日は試合に出ないけど、オマエと上村の健闘を祈って、明日は新日本プロレスワールドでオマエらの試合を観戦させてもらうから。頑張れ!(※と、辻の背中を数発叩いて、先に控室へ)」
辻「ありがとうございました!……真壁刀義、新日本に入ってから、アンタからは新日本の(※自分の胸を指し)闘魂が何なのかってことを教わった。おそらく、この闘魂というものは、他にはない、新日本プロレスのオリジン。しっかりとその闘魂が、俺の中にも受け継がれている。どこへ行こうと、その闘魂を俺は忘れずに胸に抱いて、闘っていく。(※少し歩いて、報道陣に向き直って頭を下げ)ありがとうございました!」