新日本プロレス創立35周年TOUR Circuit 2007 NEW JAPAN SOUL C.T.U FAREWELL TOUR
- 日時
- 2007年7月6日(金) 18:00開場 18:30開始
- 会場
- 東京・後楽園ホール
- 観衆
- 2025
-
第7試合 60分1本勝負
IWGP Jr.ヘビー級選手権試合- (挑戦者)
- (王者)
※田口が第52代IWGP Jr.ヘビー級王者となるレフェリー|田山正雄
MATCH REPORT
続いてIWGP実行委員の垣原賢人さんが選手権宣言を行ない、今年3度目となる両雄の一騎打ちのゴングが打ち鳴らされた。
場 外で間合いを取った稔はヘッドロック、ショルダータックル。だが、田口もリープフロッグからのドロップキックをヒットさせると、稔はコーナーポストを利用 して突進してきた田口をかわし、顔面かきむしり。さらに場外で田口の腕に低空ドロップキックを浴びせ、腕への集中砲火。セコンドのサムライ、裕次郎がうず くまる田口に檄を飛ばす。
両者はカウント16でリングインすると、リング上でも稔の執拗な腕攻めが続く。稔はサムライの眼前で掟破りのチキンウィングアームロック。
これを脱出した田口は、回転エビ固めからの低空ドロップキックを放つが、稔はこれをもかわす。しかし、田口も再度顔面へのドロップキックを放って稔を場外へ追いやると、三角飛びプランチャを発射。今度は稔の負傷している肩を場外の鉄柱に叩きつけていく。
リングインした田口は会長が見守る中、直伝のチキンウィングアームロックを敢行。稔はたまらずにロープエスケープ。
稔の腕へのキックを受けた田口は、スリーアミーゴで反撃。だが、3発目で稔が投げ返した。ここで田口は稔の対角コーナーへのハンマースルーを駆け上ってかわし、ミサイルキック。そして、ブレーンバスターの体勢に抱え上げてのフェイスバスター、ミサイルキック。
しかし、稔もバックの取り合いから飛びつき腕十字固めへ。ロープへと逃げた田口の腕にキックし、ジャーマンスープレックスホイップ、対角コーナーからリング中央の田口へ顔面への低空ドロップキック。
続いて雪崩式攻撃を狙う稔だが、これは田口が叩き落とす。しかし、稔は飛んできた田口を下からドロップキックで迎撃。
そしてハイキックを挟み、雪崩式フィッシャーマンバスターから田口をフォールするがカウントは2。
勝負どころと見た稔は、テラマエ485から側頭部へのハイキック。すると田口は稔のカバーをカウント1でキックアウトし、突進してきた稔にカウンターのスクールボーイ。あわやカウント3という場面を作る。
さ らに田口は、串刺しドロップキック、雪崩式ブレーンバスター、スワンダイブミサイルキックと奥の手を引っ張り出して、試合の流れを掴む。だが、稔もフルネ ルソンの体勢から飛びつき腕十字固め。だが、田口はこれを上手く脱出し、そのままラ・マヒストラルで切り返す。さらにタイガースープレックスホイップで稔 の脳天をマットに叩きつける。
ここで田口は満を持してのクロスアームスープレックスホールド。だが、なんと稔は意地のカウント1返し。そして、走ってきた田口をトーキックで止めて、ニールキック。両者ダウン状態となる。
そ して、立ち上がった両者は激しいエルボー合戦を展開し、稔がグラウンドコブラツイストで押さえれば、田口もどどん。そして、逆さ押さえ込み、カリフォルニ ア巻と、それぞれカウント3ギリギリで返し合うと、田口がドロップキック、ジャーマンスープレックスホールド。だが、これも稔はカウント2で返す。する と、田口はダメ押しのどどんを敢行。これで遂に稔から3カウントを奪取し、田口が2度目の挑戦にして宿敵稔から念願のIWGP Jr.王座を奪取した。
試合後、リング上でサムライジムの3人は抱き合うと、サムライ、裕次郎は田口の腕をそれぞれ上げる。すると稔はサムライジムの看板を返し、静かにその場を後にした。
そ の腰にしっかりとIWGP Jr.のベルトを巻いた田口は、受難の時期を乗り越えたサムライジムの3人で記念撮影。そして、大声援を送るファンに最後のタグダンスを披露し、「これか らも新日本Jr.はサムライジム、田口隆祐が引っ張っていきます。ありがとうございました」とマイクアピール。「田口」コールが鳴り止まぬ中、意気揚々と 引き上げて行った
COMMENT
田口「会長!(と言ってサムライと抱き合う)。こうやってベルトも手に入って、(サムライジムの)看板も戻ってきて、なにも言うことはない。あとは、サムライジムが、田口隆祐が新日本Jr.を動かして引っ張っていきます!」
※ここで「乾杯しますか?」と言った裕次郎が音頭をとって田口にビールかけをする。
田口「普段のお酒と違って格別です。サムライジムに入って、(IWGP Jr.奪取を)1度失敗(4月13日大阪大会)しましたけど、こうして会長に指導していただいた恩を返せたと思います。タッグのベルトもサムライジムで独占するのはどうですか、会長?」
サムライ「(うなずきながら)オッケー。今日は田口がやってくれましたから。今日はなにも言うことがないですよ。これからが大変だから。田口はサムライジムを代表する選手ですから。これからも頑張ってもらいますから、期待して下さい!」
田 口「(『タグダンスは?』)これ(今日)で終わりです。この1年半は、しっかり一歩一歩進んできて自分の財産になりました。なにより、会長の指導の下で過 ごしたこの4ヶ月が、ベルトを巻くに至った大きな要因だと思います。この4ヶ月でチャンピオンになった僕も凄いですけど、この4ヶ月で(自分を)チャンピ オンに育て上げた会長の手腕はもっと褒め称えられるべきだと思います。裕次郎も力がついてきていますし、うかうかしたらベルトは裕次郎に獲られるかもしれ ない。次の挑戦者はベルトが欲しい人間であれば、誰でもいいです。欲しいという気持ちがなければ、このベルトの価値が高まらないからです。会長でも、裕次 郎でも誰でもいいです。僕は挑戦者が次から次へと出てくる、魅力あるベルトにしていきます。(稔から取り戻した)看板は修理ですね。まだくっつくので、 (7月8日)岐阜から(入場時に)持って入りたいと思います」
稔「完璧にやられましたね。言い訳できない。『(BEST OF THE)SUPER Jr.』の開幕戦で田口にやられて、優勝は井上に止められて、今日、田口にベルトを持っていかれた。悔しいけど、下の世代のヤツに連チャンで負けてます よ。しかも、切り返しとかじゃなくて、完敗してるからね。正直、考えたくない現実だけど、もう第一線でやるなってことじゃない。嫌な現実だけど、その現実 を突きつけられている気がしますよ。ミラノは(『SUPER Jr.』で)優勝して、今日デヴィットも勝ったしね。2月に左腕の靭帯を切ってから、なんか呪われているように、腰、両膝、両足首、6箇所にテーピングし なきゃ、5ヶ月間試合できなかったから。でも、それを言い訳にしないですよ。なぜなら、怪我はテーピングで固めているし、俺はオフでいい練習ができたか ら、(今日は)体調の面ではここ2年間の間で最高でしたよ。絶対に負けないと思っていた。でも、この状態でも負けている。あのベルトは持ったら、持ったで 大変。凄い試合ができないチャンピオンが巻いた時は、ベルトの価値がどんどん下がっていくと思う。ただ、アイツなら大丈夫だと思います。今から、ヘビー (IWGPヘビー級選手権試合)があるけど、見る必要もない。間違いなく俺らが今日のベストバウトですよ。一番客を熱狂させたのは、俺ら。一番、客をスト ンピングさせたのは俺ら。アイツには素直に『おめでとう』と、あとは『頑張れよ』と言いますよ。そして、俺は最高のコンディションで負けたんで、タイトル 戦線から身を引くべきだと思いました。田口にリベンジなんて言えないですね。(『サムライジムとの対立については?』)サムライジムとの全面戦争は俺の負 け。サムライ会長に辿り着く前に俺の負けですよ」