6.23後楽園大会でROPPONGI 3Kを破ってIWGPジュニアタッグ王座を獲得した石森が、ジュニア二冠を狙ってデスペラードのIWGPジュニア王座に挑戦。迎え撃つ王者のデスペラードはこれが2度目の防衛戦だ。

　ゴングが鳴るとロックアップした両者。ここはロープにデスペラードが押し込んでクリーンブレイク。今度は石森がバックを奪ってから、続けてリストの奪い合い。デスペラードはリストを掴まれたままロープをくぐって、逆に石森の腕をロープを絡めて極めていく。
　ならばと石森もヘッドロックでお返し。そのままグラウンドに持ち込むが、デスペラードがヘッドシザースを仕掛けてきてまたもブレイクだ。今度は手四つから石森がデスペラードの左腕を獲ってテイクダウン。続けてエルボーを打ち込んでいく。
　石森はデスペラードにコーナーに振られるとコーナー間を素早く移動してスワンダイブ。しかし、デスペラードはこれを避けると、ロープに走っての石森の攻撃をレフェリーを使って阻止。すかさず低空のドロップキックを放つ。だが、石森もこれを避けて早くもYes Lock。だが、デスペラードもすぐさま脱出し、場外に逃れてブレイクだ。
　リングに戻るとデスペラードはサミング。ならばと石森はデスペラードの左腕を捕獲して前転しながらダメージを与える。さらに場外に出ると鉄柵にデスペラードの左腕を絡めて一撃。続けて鉄柵に叩きつけていく。
　そしてハンマーロックで左腕を極めたまま鉄柱にぶつけると、今度は左腕を鉄柱に叩きつける。さらにイスを持ち出して攻撃を加えようとする石森。レフェリーが注意して、そのイスを取り上げてどけていると、その隙きを突いてリング下からイスを取り出し、またも左腕に一撃だ。
　さすがのデスペラードも場外で悶絶。石森はデスペラードがリングに戻ってくるとその左腕をマットに叩きつけて追撃。さらにネックツイスト、エルボースタンプで首にもダメージを加えていく。そして、デスペラードの左腕をコーナーパットが外された金具がむき出しのコーナーに叩きつけた石森。
　デスペラードが張り手でやり返していくとエルボースタンプを連打して黙らせる。そして、うつ伏せになったデスペラードの右腕を固めたまま、左腕を腕固めに捕らえた石森。強引に叩きつけると、今度はリング内からコーナーパットの外れたコーナーの鉄柱に左腕を激突させる。さらに左腕を極めたままのショルダーバスターだ。
　しかし、デスペラードもハンドスプリングで跳ね返ってきた石森をキャッチ。強引に持ち上げるとニークラッシャーで反撃だ。さらにその左足に間髪入れずにグラウンドでのドラゴンスクリューを食らわせたデスペラード。
　たまらず場外に逃げた石森。デスペラードは先程のお返しとばかりに鉄柵に叩きつけると、その左膝を鉄柱にも叩きつける。そして、先程石森が使ったイスを掴んだデスペラード。注意するレフェリーを突き飛ばしてから、石森に一撃だ。
　悶絶する石森をリングに戻すとその左足にボディプレス。さらに膝を叩き込んでからレッグブリーカー。続けてインディアンデスロックで傷めつけていく。ここは石森も必死にロープエスケープ。ならばとデスペラードは躓いたふりをして、石森の左足に倒れ込む。
　そして再びニークラッシャーを仕掛けたデスペラード。だが、石森は回転エビ固めで切り返し、ロープに振られると、ハンドスプリング式レッグラリアットで反撃だ。そして、コーナーに移動したデスペラードに突撃した石森。
　デスペラードが足を突き出して防御してくると、これをキャッチして場外に向けてロープに引っ掛ける。そしてスライディングジャーマンで追撃だ。さらに場外に落ちたデスペラードを追いかけた石森は、ハーフハッチの体勢で持ち上げると鉄柵の上に投下する。
　息も絶え絶えなデスペラードがリングに戻ってくると、スワンダイブの450°スプラッシュを背中に炸裂させる。そして身動きの取れないデスペラードをYes Lockに捕獲だ。ここはデスペラードもロープエスケープ。
　ならばと石森はデスペラードの左腕にアームブリーカーを連発。デスペラードがサミングで脱出すると、ストンピングで追撃しロープに振ろうとする。だが、これを踏ん張ったデスペラードは痛みで悶絶だ。
　石森が再びロープに振ろうとすると今度は巧く持ち上げてバックフリップ。そして、ギターラ・デ・アンヘルを仕掛けたデスペラード。しかし、石森はこれを脱出すると、レフェリー目掛けてデスペラードをプッシュ。
　レフェリーはデスペラードと金具がむき出しになったコーナーに挟まれて潰されてしまいダウンだ。石森はその隙きに背中合わせでデスペラードを捕まえると、逆さ押さえ込みと見せかけてバックキックで急所に一撃だ。
　しかし、デスペラードも掴みかかってきた石森の股間に一撃。お互い急所攻撃で痛み分けという状況となった。ここから両者エルボー合戦を展開。石森がビッグブーツを叩き込めば、デスペラードもすぐさまスパインバスターでやり返す。
　そして、デスペラードはマフラーホールドで捕獲だ。しかし、石森はこれを丸め込みで切り返す。続けて立ち上がったところでラ・ミスティカへ。デスペラードは踏ん張って阻止すると、そのまま持ち上げてギターラ・デ・アンヘルだ。
　そして、デスペラードはトドメのピンチェ・ロコの体勢に。だが、石森はそのままデスペラードをプッシュし、金具がむき出しになったコーナーに叩きつけて反撃。今度こそラ・ミスティカを成功させると、そのままYes Lockに捕獲する。
　しかし、デスペラードはこれをマフラーホールドで切り返す。石森が逃げようとするとヌメロ・ドスに移行していく。だが、なんとここでファンタズモが乱入。レフェリーを場外に引きずり出すと、技を解いたデスペラードの土手っ腹にサドンデスを打ち込んでダウンさせる。
　しかし、今度は鈴木軍の金丸が乱入。ファンタズモを低空のドロップキックで蹴散らして、リング外に排除だ。なんとか回復したデスペラードは石森に突撃。石森もキックで返し、ラ・ミスティカを再び狙う。
　だが、デスペラードはこれをキャッチ。強引にバックドロップで叩きつける。そして、今度こそピンチェ・ロコの体勢に。だが、石森はこれをウラカン・ラナで切り返す。そして、デスペラードのバックを奪うと両腕を掴んでひっくり返して、強引にサイファーウタキに持ち込んでみせる。
　そしてブラディクロスの体勢に入った石森。デスペラードはエル・エス・クレロに切り返し、ローキックで一撃加えてからピンチェ・ロコへ。だが、石森は空中で回転してデスペラードの左腕を捕獲。Bone Lockに切り返して、締め上げていく。
　デスペラードがロープエスケープしようとすると、回転してリング中央に戻して、そのままブラディクロスの体勢に移行した石森。しかし、デスペラードは回転してこれを脱出。ならばと石森はジャンピングニーアタックだ。
　そして石森はコーナーの金具にデスペラードを叩きつけようとする。しかし、デスペラードは逆に石森を叩きつけるとロコ・モノで一撃。そして、ピンチェ・ロコをロコモーション式で2連発。完璧に石森をノックアウトし3カウントを奪い、IWGPジュニア王座の防衛に成功したのだった。

デスペラード「あぁ、クッソ……。ハァハァ、頭回んねーよ。リングで言ったのが全部だよ、石森に関してはな。次の話をしよう。ロビーだったな。アイツ、日本に来れんのか？ まあ、そんな心配はいいか。ああやってビデオを送ってくるってことは、来てんだろ？ しかもチャンピオンと来たんもんだ。タイトルマッチ前に無理くり撮ったもんだろ？ どうせだったら、デスペラード宛と、石森宛と2パターン撮っておけコノヤロー。なにがチャンピオンだ？ 石森が勝ったって『チャンピオンおめでとう』って言って……まあいいや。ロビーか……アイツ、どれだけ振りだよ、日本来るの？ ほら、誰も思い出せないだろ」

――いままでは“暫定チャンピオン”とおっしゃっていましたが、今回「俺がチャンピオンだ」とコメントされました。

デスペラード「あれはね、なしなし。そもそも、このタイトルマッチ前に気が変わっててよ。ファンタズモとBUSHIと争って獲って、そのあと一応YOHの挑戦退けてるじゃん。その3人に対してちょっと義理が立たないじゃん。アイツらがそこで勝っても暫定チャンピオンになっちゃうからよ。話がつまんないまんまだろ。だったらよ、腹決めて『俺がチャンピオンだ』って言うだろ。この試合は暫定チャンピオンなんてつもりではやってねーよ。俺は正真正銘チャンピオンだったし、試合終えてからも言っただろ。石森に勝ったんだ。誰も文句言わせねーよ。言うヤツがいるんだったら言ってくればいい」

 
――試合後、解説席の高橋ヒロム選手に指を指したようにも見えました。

デスペラード「べつにそこにいたからだよ。おまえが勝手に想像しろ。我々は心を以て心に伝うとは思わねーが、プロレスの価値観に関しては似たもんがあるからよ。それだけはたぶん何の気なしにやったっておたがいわかるだろ。そこにグチャグチャ理由なんかないよ」

――試合後、ロビー・イーグルス選手から挑戦表明もありました。

デスペラード「いいことじゃないか。だって、一番自分の要望が通りやすいところだろ？ 決まってた挑戦者が目の前で負けてよ、防衛しました。次の挑戦者いない状態だろ？ だったら、そこで一番に声を上げれば、それは話が通りやすいだろ。ワトが来てればワトになったし、田口が来れば田口になってたよ。俺はいいっつうからよ。誰が顔じゃねーとか、挑戦権利あるのとか周りがグダグダ言ったって、『俺がやるよ』っつったら、それが権利なんだからよ。
今回のロビーだってそうだ。あれだけ手のこんだ金のかかったビデオ……かかってんのか？ まあ、わかんねーけど、ビデオ作ってんじぇなーか。やる気あんだろ？ だったら、どこでも受けてやるよ。ただ、このあとタイトルマッチやる会場ってどこだよ。ってか、発表になってる以外、俺も知らねーんだけど。ってか、発表になってるところも知らねーんだよ。次どこだ？ デカい大会、タイトルマッチをやるにふさわしい会場……」

 
――大阪府立2連戦、愛知県体育館大会、東京ドーム大会と続きます。

デスペラード「その中だったら、せっかくなら東京ドームがいいな。よし、いつになるわからん。だけど、チャンピオン様の要望です。東京ドームでタイトルマッチやらせてください。挑戦者がビデオを送ってきたら俺は『いいよ』って言うからよ。できんだろ？ たまにはチャンピオンの言うことも聞いてくれよ。ドームでやらせてよ。なんかある？ もう疲れたんだけど」

石森「ハァハァ……負けたなー。俺の二冠もまぼろしで終わったかな。スッゲー悔しいけど、デスペラードの実力とジュニアの誇り、それにベルトの価値、それが再確認できて、ある意味、清々してる。しかし、悔しいなぁ……余計欲しくなっちゃったじゃねーかよ。俺はまたチャレンジャーとして最短距離で、この位置へ上がってきてやる。どんな手を使ってもだ！」