試合後、ローラーは両腕を突き上げて歓喜。そして、駆けつけた同じTEAM FIRTHYのJR・クレイトスとクリス・ディッキンソンと、喜びをわかちあう。
続いてローラーに手塚COOから優勝トロフィーが手渡される。さらに手塚COOがSTRONG無差別級ベルトを手にすると、それをクレイトスが取り上げ、ローラーの腰に巻く。ここでローラーはマイクを握る。
■トム・ローラーのマイクアピール
「よし、マイクは入っているな。ここまで激しいトーナメント戦を3試合戦ってきた。トーナメントが始まった頃には誰が優勝するかなんて言われていたが、結果はわかりきっていただろ。優勝したのはオマエか? ケビン・ケリー? アレックス・コズロフ? 答えはノーだ。誰が最強のレスラーか、みんなわかっていたはずだ。このときをずっと待ちわびていた。“フィルシー”トム・ローラーこそがこの業界で長年にわたり最強であり続けてきたんだ。正直言って自分自身のことはよくわかっている。そして誰かの入場曲が流れて、ソイツがベルトに挑戦しにリングに上がってくる。これがニュージャパンのやり方だってこともわかっている。誰かが俺に挑戦表明しに来るんだろ? さあ、始めようぜ。誰かニュージャパン最強の男に挑戦しに来いよ」
クレイトス「何も聞こえないな」
ローラー「思ったとおりだ。誰も俺に挑戦する根性がないみたいだ。俺を倒せるヤツはいないってことがわかっているんだな。ということは“FIRTHY”トム・ローラーがニュージャパンで間違いなく一番強くて、誰一人として俺に手も足も出ないってことだ」
ここであらためてローラーは両腕を突き上げる。すると、ディッキンソンがマイクを握る。
ディッキンソン「おいトム! オマエはいま、挑戦者を探しているみたいだが、少し遠くを見すぎじゃないか? オマエの目の前に挑戦者はいるぞ?」
クレイトス「マジかよ!?」
ローラー「本気か? それ、いま言うことか?」
ディッキンソン「ああ、そのとおりだ」
クレイトス「どういうつもりだ?」
ディッキンソン「覚悟しておいたほうがいいぜ。オマエがニュージャパンのリングで一番強いんだろ? ここが世界最高レベルのプロレスが繰り広げられている場所なら、俺はこの王座に挑戦したい。そしてその挑戦相手はオマエだ」
そして、ディッキンソンはリングを下り、先に一人で退場。ローラーは険しい表情でにらみつけたのち、ベルトを突き上げ、クレイトスと共にリングを下りた。