メインイベント(第5試合)は4.4両国でIWGP世界ヘビーを懸けて対峙する挑戦者・飯伏幸太と王者ウィル・オスプレイが、それぞれ天山広吉&小島聡、ジェフ・コブ&グレート-O-カーンとトリオを結成して激突。前哨戦で連勝中のオスプレイは「リョーゴクで俺が描くプロレス界の未来をみんなに見せてやる」と必勝を宣言している。
飯伏は今日贈呈されたIWGP世界ヘビーのベルトを携えて入場。
UNITED EMPIREはゴングを待たずに奇襲攻撃。コブが小島、オーカーンが天山を場外に連れ出す。リング上ではオスプレイが飯伏にパンチ、ストンピングの波状攻撃。
飯伏はカウンターのフランケンシュタイナー。これをオスプレイは空中で捕らえるも、飯伏は切り抜けてキックをヒット。
続いて天山がオスプレイに真モンゴリアンチョップ、小島がエルボーをお見舞い。さらに小島はオスプレイにモンゴリアンチョップ。そして、テンコジはエルボードロップ&倒れこみヘッドバットのダブル攻撃。
天山はオスプレイに真モンゴリアンチョップを連発。だが、オスプレイはボディにエルボー。
スイッチしたコブに対しても、天山は真モンゴリアンチョップを三連発。さらに串刺しラリアットからブレーンバスターを狙う。しかし、コブは腰を落としてディフェンス。
天山がロープに走ると、コブはドロップキックで迎撃。そしてコブは掟破りのモンゴリアンチョップ。次はオーカーンが「いいか、本物を見せてやる!」と叫ぶと、天山に奇声を発しながらモンゴリアンチョップ。
スイッチしたオスプレイは天山に逆水平チョップ。さらにトップロープにノド元を食い込ませる拷問攻撃。オスプレイは相手コーナーの飯伏を挑発する。
今度はオーカーンが「処刑だ!」と叫び、天山に対しブレーンバスターを狙う。しかし、逆に天山が投げつける。オーカーンは腰を押さえて悶絶。
次は小島がマシンガンチョップ。そこにコブが入ると、小島はまとめてマシンガンチョップ。そして、オーカーンに串刺しエルボーから「いっちゃうぞバカヤロー!」の雄叫びを上げ、トップコーナーへ。だが、コブがリフトアップで捕獲。
しかし、小島は脱出するとDDTを敢行。そこにオーカーンが突進するも、切り抜けた小島はDDTで突き刺す。
勢いに乗る小島はコジコジカッターを狙うが、こらえたオーカーンはスリーパー式のアイアンクロー。そして、逆大外刈りを食らわせる。続いてオーカーンは一本背負い。しかし、小島はエルボーの連発からローリングエルボー。そしてコジコジカッターを炸裂。
次は飯伏とオスプレイのマッチアップ。ロープワークの攻防から飯伏はレッグラリアット。そしてその場飛びムーンサルトプレスを決めるが、オスプレイはカウント2でキックアウト。
飯伏は串刺し攻撃を狙うが、オスプレイは切り抜ける。そして強引にリバースブラディサンデーを決めてカバー。飯伏はカウント2で跳ね返す。
するとオスプレイはピッピー・チェリオをヒットさせる。そしてオスカッターを狙うが、飯伏は食い止めるとジャーマン。だが、オスプレイは着地。そして互いにストームブレイカー、カミゴェを切り抜けると、オスプレイがサイレント・ウィスパーをヒット。しかし、飯伏もラリアットでダウンを奪う。両者は大の字状態に。
スイッチしたコブは、飯伏に重い串刺しエルボー。そしてブレーンバスターで担ぎ上げると、ランニングしながら落とす。
劣勢の飯伏はエルボーを返すも、コブは仁王立ち。そしてエルボー一発でダウンを奪う。ならばと飯伏は強烈なキック。
すると、コブは飯伏を抱えてコーナーに叩きつける。すかさずオーカーンが串刺しラリアット。そして、コブがアスレチックプレックスを炸裂。しかし、カバーは小島がカット。
コブはツアー・オブ・ジ・アイランドを狙うが、飯伏は切り抜けると、オーバーヘッドキックをヒット。そしてカミゴェを狙うが、背後からオーカーンが襲い掛かり、アイアンクローで捕獲。
しかし、天山がカットに入り、オーカーンに真モンゴリアンチョップ。しかし、切り抜けたオーカーンは天山にモンゴリアンチョップ三連発。そしてロープに走るも、テンコジがカウンターのテンコジカッターを炸裂。そのテンコジをオスプレイがミサイルキックで同時に吹っ飛ばす。
続いて飯伏とオスプレイが激しい技の読み合い。オスプレイはトップロープに上るも、飯伏は妨害して宙吊りにする。そしてオスプレイの胸板にキックを連発し、ノドを踏みつける。
ここでコブが飯伏を背後からツアー・オブ・ジ・アイランドの体勢に。だが、切り抜けた飯伏はハイキック一閃。そして気合いを入れると、オスプレイの目の前でコブにカミゴェをヒット。宙吊りのオスプレイに見せつけるように3カウントを奪取した。
天山「いやー、カッコいいね、あのIWGP世界ヘビーね! 目の前で見させてもらったけど、いいんじゃないすか。飯伏がね、初代ってことで、これから何かいろいろあるかもしれんけど、でも、授与されたからにはしっかりと、これから歴史を作ってほしいな。偉大なる先人の分まで、もっともっと、歴史に名を刻むようなIWGP世界ヘビーを作っていってほしいと思います。何かチャンスがあったらいこうかな。うん、行っちゃうぜオイ。カマーン!」
小島「2021年にこうやって、正規軍の中でも、一つの大会でメインイベントを張れること、それはとても誇らしいことだと思うよ。このキャリアにして、テンコジが飯伏幸太という、今現在の素晴らしいチャンピオンの、太刀持ちとか露払いとか、助さん格さんとかボディガードとか、いろんな表現があると思うけど、それでも今、自分ができること、自分のやれる役割、それをちゃんと頭に入れてこういう大会に出れること、本当に誇らしいと思います。本当に、IWGPという名前がまだ残っている、その中に俺もまだ、入っていたい。飯伏君がさっき、試合後に言ってくれた。『このベルトの中に小島さんたちの名前が入ってます』って。ホント重たい言葉だったよ。背負ってるもの、それを俺も大事にして、これからも戦っていきたいと思います。ありがとうございました!」
飯伏「(※IWGP世界ヘビー級のシンベルとを肩にかけて)あと、5日。最後の前哨戦も終わって、どんな感じか。うん。ジュニアの頃のオスプレイとも違うし、去年の『G1 CLIMAX』で当たった時のオスプレイとも、全然違うし。穴がやっぱり一つ、二つ、三つ。僕はすでに、彼の中に見つけましたね、今日までに。まぁ単純に、単純に言うと、僕の、彼と同い年だった頃と比べてみても、うん、やっぱレベルがはるか上で。
それはでも、今の時代と当時のプロレスっていうのは、まぁやっぱり違うわけで。11歳違うんで、11年前のプロレスと、今のプロレス、ちょっとやっぱり違うわけで。技術も違う。それをプラマイしてもどうかって部分はあるんですけど、僕が伝えたいのはそういうところじゃなくて、単純に勢いだけじゃなくて。でも勢いはね、すごいですよ。その勢いでやっぱり、今日は圧倒されたんで、じゃあ自分の持ってる技術の方でいこうかなと思ってます。
あと、(※肩にかけたベルトを見つめ)このベルト、ホントはね、巻きたかったんですよ。でも、まだ、巻かない。僕は、勝つまでは巻かない。次の両国、勝つまでベルトは巻きません。勝ったら、巻きます」
オスプレイ「確かに今日俺たちは負けた。アイツらの戦略勝ちだ。俺のベルト挑戦に納得がいかない声があるのは知ってる。あれは2015年のことだった。(イギリスのRevProの大会で)当時俺の憧れのAJスタイルズがIWGPヘビー級のベルトを巻いていた。試合後AJが攻撃されて、救出に入った俺がベルトをAJに手渡した。でも次の瞬間に観客からブーイングされて、俺なんかが触れていいベルトじゃないって罵倒された。でもAJはその時からいつか俺があのベルトを巻く存在になるって信じてくれた。それからタナハシやオカダも認めたくなかっただろうが、将来俺がトップに立つと分かっていたはずだ。
ファンは俺が”世界最高の1人”と呼ばれるのはよくても、”ナンバーワン”とはどうしても認めることができないようだ。それは俺が道場出身の生え抜きじゃなくて、海外遠征にも行ってないからだ。自分が簡単にファンに好かれて応援されるような存在じゃないとは分かっているが、俺は自らの努力でここまで這い上がってきたんだ! お前たちが気に入らなくたって、AJスタイルズ、タナハシ、オカダ、イブシたちはみんな俺を新日本の選手の1人だと認めている! それに彼らの誰も俺の実力を否定しない!
今こそ俺がトップに立つ時が来た! 5年前、22歳だった俺はリョーゴクでニュージャパンデビューを飾った。そして俺は再びリョーゴクの舞台で今度はIWGP世界ヘビー級王座に挑戦する。ニュージャパンの歴史に残る一戦になるぞ。何故ならこの一戦で未来が決まるからだ。もうお前たちファンもイブシも他の選手も俺がこの団体の中心に立つ未来が見えているはずだ! ウィル・オスプレイはレベルが違う!」
オーカーン「言いたいことが、たくさんあるんだよ。まず天山。何もう我が物顔でチョップ使ってんだよ! みかじめ料払えつったろう、ボケ! それとな、余が腰を痛めてなけりゃ(※背中を向け、腰のテーピングを見せる)、今日も帝国の勝利だったんだ、運がよかったな、自称神様、あぁ!? だが、もう終わりだ。4月4日、帝国は“神殺し”のあだ名を冠する。そして、兵器も手に入れ、完全に帝国は、復興ではない、巨城を築く。
今から、貴様ら愚民は帝国の下僕になっていた方がいいぞ。なぜだか分かるか? 『好きなレスラーは?』と聞かれて、帝国の同盟者以外を答えたら、『え? あんなザコ、好きなの?』って笑われちまうぞ。これはなぁ、アドバイスでも何でもねぇ! 予告だ予告!」
※コブはゲイブリエルに肩を借りてインタビュースペースに現れると、しばらくカメラを見つめていたが、何も言わずゲイブリエルを突き飛ばして控室へ。