ジュニアの強豪であるファンタズモとラッシュが激突するシングルマッチ。両者は昨年12月に行われた『SUPER J-CUP 2020』1回戦でも闘い、ファンタズモが勝利を収めている。
　
　ゴング直後、ファンタズモが握手を求めるも、ラッシュが拒否。その後、ファンタズモが軽く頬を叩いて挑発すると、ラッシュは静かな笑みを浮かべる。
　そこから両者は慎重に間合いを詰め、ファンタズモがスリーパーホールドから腕を固める。それをラッシュが切り返すも、ファンタズモが脱出して弓矢固めを繰り出す。
　その後、ファンタズモがまたもや握手を求めてラッシュに心理戦を仕掛け、乳首をねじって悶絶させる。そこから両者がロープワークで行き交い、ラッシュがトップロープを利用したヘッドシザースホイップ。それをファンタズモが側転で切り返し、同時に放たれたショートレンジドロップキックが交錯した。
　その直後、ファンタズモはピストルサインを示すが、ラッシュが素早い動きで翻弄。そして、フロントハイキックからエルボードロップへ繋ぐ。
　さらにラッシュは、ハンドスプリングニールキックでファンタズモを場外へ落とし、戻って来たところをフロントネックロックで捕獲。そして、逆水平チョップ、ローキックに繋ぐも、ファンタズモがDDTで逆転に成功。
　これでファンタズモがペースを掴み、エルボー、逆水平チョップ、踏みつけ攻撃、ひっかき攻撃などで攻め立てる。だが、ラッシュは串刺し攻撃を回避し、下から両脚キックをお見舞い。そして、飛びつきスイングDDTからフォールにいくが、カウントは2。
　その後、ファンタズモがセカンドロープからフライングボディアタックを繰り出し、ラッシュを押し潰す。それでもラッシュはラ・ブファドーラを回避し、サードロープの反動を利用したスタナーで逆転。
　続いてラッシュは青コーナーへのぼろうとするが、ファンタズモが脚にしがみついて抵抗。それでもラッシュがコーナーから飛ぶと、ファンタズモは両脚を立てて待ち構える。しかし、ラッシュがこの動きを読み、足から安全に着地する。
　その直後、ラッシュがローキックを放つと、ファンタズモが回避してスクールボーイ。そして、間を置かずに急所を殴ろうとするが、ラッシュが両脚で腕を挟んで防御。そして、それを折り畳んでファンタズモに悲鳴をあげさせると、そのまま回転十字固めで押さえ込む。
　続いてラッシュはタイガースープレックスの体勢に入るが、ファンタズモが脱出してレフェリーと激突させる。そして、ラッシュが振り向いた直後にスーパーキックを炸裂させ、3カウントを奪った。

ファンタズモ「言っただろ？ ケビン・ケリー。ELPがまたリオ・ラッシュを倒したぞ。当然のことだ。お前に教えてやるよ。お前はいい選手だし、やり手だ。手がけている事業でも成功している。音楽活動も含めてな。そして、プロレス業界でも数々の功績を残してきた。だが小僧、お前は俺を倒すことはできない。なぜなら俺は『SUPER J-CUP』2年連続覇者で、ジュニアヘビー級のエースだからだ。だから、新日本のジュニアヘビー級で闘っていきたいのなら俺を避けることはできない。 俺はいつでもここにいるぜ。これからお前が何をすればいいのかわかるだろ？ オフィスに行って話をつけてこい。日本が、『BEST OF THE SUPER Jr.』が、世界が、“時の人”を待っているぞ。いま、俺は多元宇宙における世紀の人だけどな。バーデル・エンターテインメント（社）の『リック・アンド・モーティ』シーズン1。なんて最高なアニメ作品なんだ!!」
　
　
ラッシュ「イスを持ってくるからちょっと待ってくれ。何が起きたのかまだわかっていない。いまはまっすぐ前を見るのもやっとだ。だが、ELPがやっぱりクソ野郎だということはわかった。何かをやられて3カウントを奪われた。でも、俺もあいつのやったことを責めることはできない。あいつと同じ立場だったら、俺だって同じことをしていたと思う。いまの俺とあいつを見比べてみろ。あいつは『SUPER J-CUP』を2連覇した。だけど俺はどうだ!? 俺は“時の人”として新日本でデビューしたが、ぜんぜんその名に及んでいない。もしかしたら俺は“時の人”じゃないのかもしれない。もしかしたら俺は“金の卵”じゃないのかもしれない。だが、俺が何者であるか教えてやる。俺はこんなところでくすぶっている男じゃない！ すぐに取り戻してみせる。そして、俺の信条とともに闘っていく。俺は新日本のどのジュニア選手よりも優れているんだ。今日はそれを見せつけられなかったかもしれないが、俺の言葉に間違いはない。命が続くかぎり、俺こそが“時の人”であることを、俺がELPよりも強いということを、世界中に見せつけてやる。そして、俺がただの“時の人”ではないことを世界中に見せつけてやる。新日本よ、俺はただの男じゃないぜ」