第5試合は『BEST OF THE SUPER Jr. 27』公式戦、石森太二(5勝1敗)vsエル・デスペラード(4勝2敗)。IWGPジュニアヘビー級王者の石森はヒロムと共に首位タイ。そのあとを2位タイで追うデスペラードは「俺は優勝するぜ」と宣言している。石森としては、デスペラードを振り切り王者として『SUPER Jr.』初制覇に近づきたいところだが、果たして……?
デスペラードはIWGPジュニアタッグのベルトを二本、両肩に下げてリングイン。石森はIWGPジュニアヘビーを腰に花道を進む。
ゴング前、両者は互いにベルトを見せつける。すると、デスペラードは腰布を石森の顔面に放り投げ、視界を奪うと奇襲攻撃。
デスペラードは場外に石森を連れ出すと鉄柵、さらに鉄柱に叩きつける。そして、ノド元を踏みつける拷問攻撃。続いてデスペラードは石森の耳をつかみ、リングに投げ入れる。石森は苦悶の表情。
デスペラードは石森のベルトを手にすると、「オマエのだよな?」と言いながら顔面に押し付ける。これは即座にレフェリーが阻止する。
続いてデスペラードは石森にチョーク攻撃。だが、石森はデスペラードの串刺し攻撃を切り抜けると、すばやい動きからスワンダイブ式ヒップドロップ。
そして、石森は場外戦に持ち込むと、さっきのお返しとばかりにデスペラードを鉄柵に二度にわたり叩きつける。デスペラードの悲痛な叫びが場内に響きわたる。
石森はデスペラードをリングに戻すと、相手の左腕を捕らえてニーを叩きつける。さらに腕固めで痛めつけていく。デスペラードがロープに手を伸ばすが、石森は反則ギリギリまで技を解除せず。
続いて石森はロープを用いてデスペラードの左腕を捕獲し、肩にエルボーを連発。さらにアームブリーカーを決め、徹底的にデスペラードの腕を攻め立てていく。
勢いに乗る石森は、デスペラードの左肩を三度にわたりコーナーパッドに叩きつける。そしてカバーするが、これはカウント2。
石森は逆エビ固めからデスペラードにハンマースルー。デスペラードは前方回転エビ固めを繰り出し、ここから丸め込み合戦に。そして、石森は流れるような動きで腕固め。そのまま、テコの原理で左腕にダメージを与える。
劣勢のデスペラードは、突進してきた石森にレフェリーを突き飛ばす。だが、デスペラードの低空ドロップキックをかわした石森はネックツイストをお見舞い。
苦しい戦いとなったデスペラードだが、スキをついてカウンターのスパインバスターで反撃。さらに石森の右足をロープに固定すると、左ヒザに低空ドロップキック。さらにドラゴンスクリューを食らわせてから、ストレッチマフラーへ。石森がロープに逃げるも、デスペラードは反則ギリギリまで締め上げる。
デスペラードは石森の左ヒザにジャンピングボディプレスを食らわせ、ギターラ・デ・アンヘルの体勢に。石森が着地すると、デスペラードは横入り式エビ固めの体勢からストレッチマフラーへ。
だが、ヌメロ・ドスをこらえた石森はYes Lockで切り返す。これはデスペラードがロープエスケープ。
石森は左肩にエルボーを連発。しかし、デスペラードは石森のヒザにキック。そしてロープに走るが、石森はショルダーバスター。
続いて石森はミスティカ式のYes Lockで捕獲。デスペラードが逃げようとすると、石森はリング中央に戻そうとするが、デスペラードは巧みにストレッチマフラーを決める。しかし、石森はなんとかロープエスケープ。
ここから両者はエルボーの応酬。競り勝った石森がラリアットを狙うが、デスペラードはかわしてギターラ・デ・アンヘルへ。これを石森が回避すると、デスペラードは急所蹴りを放つが、この動きを読んだ石森は、もう一度ミスティカ式のYes Lock。
しかし、デスペラードはこらえ、一気にギターラ・デ・アンヘルを炸裂。続くピンチェ・ロコを切り返した石森は、突進してきたデスペラードにカウンターのサイファーウタキ。
石森は雄叫びを上げ銃口を向けると、ブラディークロスへ。だが、こらえたデスペラードはそのまま突進。すると、レフェリーが石森とコーナーのサンドイッチとなり、転倒してしまう。
すかさずデスペラードは石森のヒザに低空ドロップキック。そしてベルトを手にし、石森に襲いかかる。だが、石森はジャンピングニーで迎撃。ここからブラディークロスを狙うも、レフェリーの様子を見ると技を解除。
そして、ベルトを手にし、デスペラードに殴りかかろうとする。だが、これは気づいたレフェリーが阻止。すると、デスペラードがレフェリーの死角をついて、石森に背後からローブロー。さらにロコ・モノをヒットさせ、一気にピンチェ・ロコを炸裂。この一撃でデスペラードが価値ある勝利をゲット。
これでデスペラード、石森共に5勝2敗に。
WORLD TAG LEAGUE 2020 & BEST OF THE SUPER Jr.27
- 日時
- 2020年12月2日(水) 17:00開場 18:30開始
- 会場
- 大阪・大阪市中央体育館・メインアリーナ(丸善インテックアリーナ大阪)
- 放送
- 観衆
- 1,220人
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第5試合 30分1本勝負
『BEST OF THE SUPER Jr. 27』公式戦レフェリー|マーティー浅見
MATCH REPORT
COMMENT
デスペラード「(インタビュースペースに来るなり倒れ込み仰向けになって)痛え……痛え……痛え! あああ、クソ! しゃべんねえとかよ、地味だとか、手足短いとか、失礼だったな。撤回するよ。なんだよ、チャンピオンって凄えな、やっぱり。俺が勝ったのは偶然だ。偶然だ、もう。ああ、あんなもん負けだ、負け! クソッ! 勝ち点だけもらった負けだよ、こんなもん。クソーッ! ああ、いいよ、クソ、この野郎。公式戦ではもう終わった。あとはあるとすれば、何がどうなりゃいいのか知らないけどよ、俺は数字が嫌いだから。もう一回決勝か? なあ? 最終戦、日本武道館で……だよね?(記者が肯いたのを確認して)よかった。
ヒロムもなあ、捨てがたいんだよな。やべえな、こんなに、こんなに楽しい奴だったのか、石森チャンピオン様。今はまだチャンピオンだ。“チャンピオン様”って言っといてやる。“石森”なんて呼び捨てにしねえよ。“石森チャンピオン”だ。最強じゃねえ? クソッ! ああ、昔のガラケーみたいな腹筋しやがって。でもな、決勝でお前と俺が当たるっていうのは星取的にようわからん。だけどな、同じ新日本のリングに上がってんだ。いつでもできるだろう」
石森「(インタビュースペースに来るなり倒れ込み)マジか……俺、負け? ああああ……敗因はあれだ。今シリーズ、俺はあいつのことをずっと“デスペさん”って言ってただろ? それであいつは俺のことを“チャンピオン様”って言っていた。だから、勝手に俺の中であいつはまともな紳士みたいな奴だと思って、油断しちまったよ。ああ、本当に油断した。俺、大事なこと忘れてた! だって、あいつ鈴木軍じゃん。汚えことでもなんでもやる奴らじゃん。それでよ、(IWGPジュニアのベルトを見せながら)俺がよ、仕掛けたらさ、(急所打ちのジェスチャーをしながら)あんなんで、あんなんで負けるなんて……。逆じゃねえ? ああああ……! デスペ、冷静で虎視眈々と優勝とベルトを狙う強い気持ち、それは認める。だがな、これ(IWGPジュニアのベルト)はな、漫談のチャンピオンのベルトじゃねえんだよ。口の上手さと汚えやり口でな、奪われるのだけはごめんだ。今日はマッスルチワワの逆襲できずに……(大声で)負けッ!」