第1試合は辻陽太vsゲイブリエル・キッド。9.11後楽園のバックステージで、辻と上村はヤングライオン杯の開催をアピール。今シリーズではゲイブリエル・キッドを加えた三人で、10.17両国までの18大会で辻vs上村、辻vsゲイブリエル、上村vsゲイブリエルを6試合ずつ、順繰りに実施。若獅子たちが第一試合でしのぎを削る。今シリーズの両者の直接対決の戦績は辻の1勝0敗。

　開始のゴングと同時に両者は雄叫びを上げる。バックの取り合いから、ゲイブリエルがフロントネックロック。辻は切り抜けるが、ゲイブリエルはバックを取る。ここで辻はロープエスケープ。
　続いてリストの取り合いでは、ゲイブリエルがブリッジワークから巧みな動きで辻をネジ伏せる。しかし、辻は足を取ってテイクダウン、そしてレッグロックを仕掛ける。だが、ゲイブリエルは腕ひしぎ逆十字で切り返す。それを辻が返そうとすると、ゲイブリエルはロープに手を伸ばす。
　ロックアップで組み合うと、辻がヘッドロックへ。ゲイブリエルが返そうとするも、辻は許さない。しかし、ゲイブリエルも意地で切り返し、逆にヘッドロックでやり返す。
　続いてロープワークの攻防では、辻が力強いショルダータックルでダウンを奪う。辻はエルボーの連打からハンマースルー。そして、高さのあるショルダースルーをお見舞い。
　ここから辻はボディスラム、ジャンピングボディプレスとたたみかける。勢いに乗る辻は逆片エビ固めへ。ゲイブリエルは必死の形相でロープエスケープ。
　辻は強烈な逆水平チョップ、胸板への張り手、エルボーからロープへ。しかし、ゲイブリエルはカウンターのバックエルボー。そして、「オイ！　オイ！」と手拍子を煽り、辻に串刺しエルボー。
　さらにゲイブリエルはコーナーに辻の頭部を叩きつけてからショルダータックルで吹っ飛ばし、カバーへ。しかし、これはカウント2。
　ここからゲイブリエルはブレーンバスターを狙うが、辻が回避し、エルボー合戦に突入。競り勝ったゲイブリエルはもう一度ブレーンバスターを仕掛けるも、逆に辻が豪快に投げ返す。
　辻は気合いを入れると、強烈な串刺しエルボー。そして、ロープに走るが、ゲイブリエルは打点の高いドロップキックをヒット。続いてダブルアームスープレックスを決め、辻から3カウントを奪取。
　ゲイブリエルが辻から初勝利を収めた。

ゲイブリエル「今これを見ているみんなも、よく聞いてくれ…。ツジ、俺に対してずいぶんと偉そうにいろいろ文句をつけてたよな。俺が前シリーズの仙台で出したコメントにもいろいろ言ってた。プロレスラーという職業がどんなにキツいかはお前もよく知ってるはずだ。道場の生活は厳しい。でも俺たちには闘魂がある。だから何があっても挫けず続けていけるんだ。でもお前は俺にはガッツが足りないと言いたいんだろ。少し落ち込んだからって、俺が弱虫だと？そんなことで俺は弱くなったりしないし、証拠に今日俺はお前に勝った。お前は新日本の誰一人から勝てないって言ってたけどな、俺はお前の大好きなセルリアンブルーのリングで、お前とウエムラの2人から続けてフォール勝ちしたぞ。これ以上偉そうに俺を批判するな！
新日本に上がる前の俺のキャリアは知らないと言っていたな。そうだ、お前は俺のこと何も知らない！デビューして何年だ？ 2年か？ 俺はもう10年近くやってんだ。お前なんかよりもっともっと経験してんだよ！わかったか！イギリスとカナダでどれだけキツい経験をして、やっとの思い出ここまで辿り着いたなんてお前には想像もできないだろうな。お前は世界一の団体に入門してデビューできた。それがどんなに恵まれてることかわかるか。お前が入門した頃、俺は銀行の残高もゼロの状態だった。俺はお前みたいに恵まれた環境にはいなかった。俺がそこからどんな思いをしてここまで這い上がってきたのか、お前には想像できないだろう。
偉そうに口出す前に、少しは俺の経歴を調べたらどうだ。俺はチャンピオンになったこともあるんだぞ！確かに3週間の俺はすごく落ち込んでいた。でもその時から状況は一変した。シングル戦で2勝。真の王者は落ちても絶対に這い上がる。お前は一度だってベルトを巻いたことはあるのか？ 教えてやるよ、俺はお前がデビューするもっと前にベルトを巻いてた。これ以上、俺にデカい口を叩くな！」
　

　
辻「上村に続いて、俺にも勝ったな、ゲイブ。今日だけはおめでとうと言ってやる。新日本初勝利、そして連勝、これはお前がアメリカのLA道場に帰らず、野毛道場に残って練習してきた成果だな。ただな、一回負けただけで引き下がる俺じゃねえ。戦いはこのあとも続く。まだまだ。何試合だ？　4試合か、ゲイブとやるのは。もう一度たりともお前には負けない。今のうち勝利の余韻に浸っておけ」