第4試合は『NJC』一回戦、本間朋晃と現IWGPジュニアヘビー級王者の高橋ヒロムが激突。ヒロムは前日の大会のメイン終了後に優勝を宣言。トーナメントを制すと、3.3大田区でマッチメイクされていた内藤哲也との一戦が実現するだけに、期するものがあるのは間違いない。本間としてはヘビーの意地を見せたいところ。
ヒロムは入場すると、鉄柵の外にある優勝トロフィーに手を伸ばすジェスチャー。本間が入場してくると、ヒロムはこけしの仕草を見せて挑発。本間は憮然とした表情を向ける。
開始のゴング、両者は牽制しながらロックアップ。続くショルダータックル合戦は本間が競り勝つ。
本間はヒロムの背中にハンマーパンチを振り下ろしてから、スタンディングのネックロック。そしてフライングメイヤーからチンロックを決める。ヒロムはロープエスケープ。
本間はボディスラムから小こけしを繰り出すが、これはヒロムがかわす。そして気合いの雄叫びを上げ、ショルダータックルで本間からダウンを奪う。
ヒロムは逆水平チョップの連発から、串刺しラリアット。さらに低空ドロップキックを叩き込むと、本間は場外にエスケープ。
すると、ヒロムはエプロンからドロップキックをヒット。そして、ヒロムは手拍子を煽り、場外を一周回って本間にドロップキック。本間は鉄柵に吹っ飛んでしまう。
ヒロムはトップコーナーに上るが、本間はリングに戻る。すると、ヒロムは首にヒザを押し付けていく。さらにフライングメイヤーから首4の字へ。本間は必死にロープエスケープ。しかし、ヒロムは「取れねえんだよ!」と足をなかなか離さない。
ヒロムは「こんなもんか?」と、本間の顔を蹴りとばす。さらにエルボーを連発するが、本間は雄叫びを上げると、DDTでヒロムを突き刺す。
ヒロムはロープに走るも、本間はカウンターのバックエルボー。さらに強烈な逆水平チョップの連発から串刺しエルボー、フェイスクラッシャー。さらに小こけしを繰り出すが、ヒロムはかわし、逆に掟破りの小こけし。しかし、本間も負けじとかわす。
本間はブレーンバスターでヒロムを叩きつける。そして逆水平チョップ3連発を見舞うと、ヒロムはヒザから崩れる。
ここから本間はこけし落としを狙うが、ヒロムは切り抜けてエルボー。エルボー合戦に突入すると、競り勝った本間がロープへ。ヒロムがエルボーを食らわし、ロープに走るが、本間も追走してエルボー。
続いて両者はラリアットの相打ちを二度繰り返したのち、本間がヒロムに急角度のジャーマン。
今度はヒロムがジャーマンを狙うも、本間は切り抜けてロープへ。だが、ヒロムはカウンターのラリアットでダウンを奪う。ここで両者共に大の字。
本間がエプロンまで転がり、ロープをつかんで立ち上がると、ヒロムは場外に向けてサンセットパワーボムの体勢に。しかし、本間は踏ん張ってこらえ、ヒロムの顔面にストンピング。
そして、本間はエプロンのヒロムにこけしロケット。ここで本間は大こけしを狙ってコーナーに登るが、これはヒロムが阻止。さらに両肩に本間を担ぎ、エプロンでデスバレーボムを炸裂。本間は場外に落ちてダウン。そして、カウント19でリングにギリギリ生還。
ヒロムは本間の顔面に蹴りを叩き込み、立ち上がらせようとするが、本間は足がもつれてしまう。本間は必死に立ち上がるも、エルボーに力が入らない。
ヒロムは本間の頭を踏みつける。本間は意地で立ち上がり、エルボーの打ち合いへ。そこから逆水平チョップ合戦となり、本間が気合の一撃でダウンを奪う。そして小こけしを繰り出すも、ヒロムはかわす。
ヒロムはTIME BOMBを狙うも、本間は切り抜ける。しかし、ヒロムはトラースキックからロープへ。すると、本間はカウンターのこけしロケット、そしてついに小こけしをヒット。
勢いに乗る本間は低空のこけしロケットからカバーに入るが、ヒロムはカウント2でキックアウト。ならばと本間はボディスラムからこけしを繰り出すも、ヒロムはかわす。そして、首固めで丸め込むが、本間はカウント2で返す。
ヒロムは「立てー!」と叫び、エルボーの打ち合いに。ヒロムが背を見せると、本間は背中にこけしロケット。そしてロープに走るが、ヒロムはカウンターのカチ上げラリアット。だが、カバーを本間はカウント1で返す。
ヒロムはもう一度TIME BOMBを狙うも、本間は脱出し、その場飛びのこけしロケット。そしてこけし落としの体勢に入るが、ヒロムは切り抜け、コーナーに向けてデスバレーボム。
ヒロムは気合の雄叫びを上げると、ついにTIME BOMBを炸裂。ヒロムが接戦を制し、二回戦進出を決めた。
試合後、ヒロムはジュニアヘビーのベルトを肩にかけ、マットを叩いて悔しがる本間を見やると「ヘビー級の強さ、わかった! おもしれえな、優勝してやる!」と叫ぶ。そして、退場時、トロフィーを指さして「俺がチャンピオンだ」とあらためて宣言してから退場。
ヒロム「痛すぎる! 痛すぎる! ナメてた! 本間朋晃をナメてたんじゃねぇ、“こけし”っていう技をナメてたんだ。こんな痛いなんて知らなかった。明日、試合じゃなくて良かった。オイッ! 本間! おまえ本当にケガしたのか? なぁ……首、本当にやってんのかよ? 俺がエルボー、何発してもビクともしねーじゃないか。全然曲がらない首だ。それでケガしただと? ふざけんな!! そのケガ、おまえはいつまでも引きずんじゃねーぞ。そして、見てる人間、アイツがケガをした、俺をケガした、俺がケガした、そんな風に思いながら見るんじゃねーぞ? そんな見方して何がおもしれーんだ。何回でも言うぞ? 何回でも言う。
さすがだ。正直、簡単に1回戦突破できると思ってたけど、ここまでキツいとは。ここまで身体が痛くなるとは思わなかった。本間朋晃、おもしれえ。何回でもヤりてえ相手だ。へっへっへ……。笑っちまったよ、ゾクゾクした。試合中にゾクゾクして興奮が止まらなかった! 本間に『この攻撃をしたらどんな悲鳴を聞かせてくれるんだい? なあ、どんな風に痛がってくれるんだい? 』って思いながら試合したのはとてつもなく気持ちいい。いい快感だった。フッフッフッフ! 気持ちかった。うーん、楽しいなぁ。こんな楽しい試合があと何回できるんだろう? 辞められないなあ~やっぱりプロレスっていうのは。さーて、次の対戦相手、決まったのか。誰だ?」
――矢野通選手になります
ヒロム「スーパーヘビー級じゃねーか(ニヤリ)。スゲー楽しいな。ここ最近見始めた人間にとっちゃ、俺と矢野は“YouTuber対決”とでも言いましょうか。ねぇ? そんなような感じでしょう? ねえ、矢野通。俺もあんまり記憶に……。矢野通……。(髪の毛をイジりながら、何かを思い出した様子で)
矢野通……? 矢野通!? イヤだあ! イヤだッ! 矢野とだけはやりたくない! ヤツはイヤだ! 矢野だけは止めてくれ!! 何で勝ち上がったんだ、矢野だけは止めてくれ! 止めてくれ! 今から何とかなりませんか!? 今から何とかなりませんか!? 矢野通だけは本当にイヤだ! イヤだイヤだ! 思い出したくもない、思い出したくもない! 終わりだ終わりだ! ふざけんな! 終わりだ! 矢野となんてやんねぇぞ! ハッ! 矢野となんてやるか! うわああああああ!(叫びながら走り去る)」
本間「(地ベタに座り込んで)あー、クソッ! 俺は、アイツを誤解してた。高橋ヒロム、ただただ、おちゃらけたヤツだと思ってた。でも、やっぱり、“IWGP ジュニアチャンピオン”。強えーよ。メチャクチャ強え。こんなこと言ったらヘビー級として、先輩としてダメなのかもしんない。でも、強かった……。首やっちゃったもん対決、クソみてーな対決だったけどよ、俺は負けた。でも、負けたこのままじゃ終わんねーよ?
そうそうこの新日本プロレスの選手層の厚いリーグの中でシングルマッチ組まれねーんだ。俺もやっとの、やっとの思いで掴み取ったんじゃねぇ。棚からボタ餅でこの騒動があったから俺がエントリーされただけかもしんねぇ。でもこのチャンス、絶対モノにしたかった……。でも出来なかった。これが俺の今の実力……。でも俺みたいな弱っちいヤツがいま、この時期、このご時世、こんな時だからこそ、俺が、俺みたいな弱っちいヤツががんばんなきゃ誰ががんばんだよ。みんなの手本となって、絶対折れは諦めねぇ! 絶対この、新日本プロレスのリングでトップ、ベルト諦めねぇからな。ぜってぇ諦めねぇ! あと最後に、ヒロム! 首が痛ぇよ……(首を押さえつつ、控室へ)」