猪木氏のビデオメッセージが終わると、ライガーはスクリーンに向かって深々と礼。そして、ファンに向けて最後の挨拶を行なった。
ライガー「(※大『ライガ』ーコール)平成元年に東京ドームで、獣神サンダー・ライガーはデビューいたしました。そして、昨夜、同じく東京ドームで、最後の試合させていただきました。対戦相手のヒロム選手にも粉々に砕かれましたが、これで、なんの悔いもなく、引退できると確信いたしました。31年間、ファンの皆様、ご声援、本当にありがとうございました(※大拍手)。プロレスラー獣神サンダー・ライガーは今日で終わりますが、新日本プロレスは、ますます! 大きくなり続けて行くと思いますので、変わらぬご声援を皆さんにお願いいたしまして、挨拶とかえさせていただきます。それから、最後に、個人的なコメントさせていただきたいと思います。今日、会場に、広島から母親が、この会場に来てくれています(※大拍手)。お母ちゃん、頑丈な体に産んでくれて、本当にありがとう。感謝してます。ありがとう!(※大拍手)
それから、チィちゃん(千景夫人の愛称)、貴光、いままでさみしい思いをさせたぶん、父親らしいことをこれからして行きたいと思いますので、よろしくお願いいたします(※大拍手)。本当に皆様!! 31年間!! ありがとうございました!!(※大拍手&大『ライガー』コール)」
ここから引退の10カウントゴングが打ち鳴らされ、阿部誠リングアナウンサーがライガーの名前をコール。それに合わせてライガーがポーズを決め、「怒りの獣神」が場内鳴り響いた。
ファンが大コールを送る中でライガーはリングを降りるが、オカダに促されてUターン。そして、オカダがロープを開け、ライガーは再びリングへ上がる。
これで本隊の選手とCHAOSの選手がリングに集結し、オカダと棚橋が中心となってライガーを胴上げ。3回宙を舞ったライガーは、みんなと握手をかわした。
さらに、棚橋が「ライガーさん、会場にいる全員で『怒りの獣神』を歌って送らせて下さい」とマイクアピール。ここから改めて「怒りの獣神」が場内に流れ、選手とファンが大合唱。そして、棚橋はライガーと肩を組んで歌ったのち、「ライガーさん、ホントに、お疲れ様でした!!」と挨拶。
ここで今度こそライガーの退場となり、大「ライガー」コールが巻き起こる。そして、ライガーは選手たちをリングへ残し、手を振りながらリングの周りを1周。最後は赤コーナーのゲートをくぐり、偉大なプロレスラー人生に終止符を打った。
■獣神サンダー・ライガー選手のバックステージコメント
ライガー「お世話になりました! ありがとうございました!」
──セレモニーを終えて、今の気持ちは?
ライガー「わりと冷静な自分がいましたね。別角度から自分を見ている自分がいるような感じがしました。ただ、『ああ、これで終わるんだな』と、そういう実感がありますね。
──セレモニーでは猪木さんからのメッセージもありましたが。
ライガー「いや、ビックリしました。僕はホントに、アントニオ猪木の教え子としては落第生だったので。よく怒られてましたし、ロクなことしてませんでしたから。でも最後に、猪木さんからああいうメッセージをいただいて、本当にありがたいですね。これもやっぱり感謝ですね。感謝しかありません。
──ご家族とお母様にもメッセージがありましたが。
ライガー「普段、なかなか母親には言えないし、憎まれ口ばっかりお互いが叩いてますんでね。まぁ、親孝行かなと思って。最後、カミさんと息子が出てきた時に、ちょっとヤバかったですね。汚いオジサンの涙を見せるところでしたけど、貴光のバカが先に泣きやがって、ボロボロ泣いてるんだもん(笑)。『えええ~っ!?』と思って、それで冷静になりました。息子のおかげです。オジサンの涙見せずにすみました。そういう意味でも感謝ですね(笑)。息子に関しては」
──最後、フルコスチュームでのお披露目となりましたが。
ライガー「今日、ファンクラブ会員の皆様と写真撮影会があって、それは私服でやらせていただきました。変化があった方がいいだろうと思いまして。それと、獣神サンダー・ライガーっていうのは、コレ(コスチューム姿)がやっぱり獣神サンダー・ライガーなんですよ。もう試合もないので、フルコスチュームでっていうのはあんまり考えませんでしたけど、今日は特別かなと思いましたし。よかったんじゃないかなと、僕は感じてます。ホントに31年間、素顔の時代も合わせると36年、当然マスコミの皆様にもお世話になりましたし、会場のみんなにもお世話になった。世界中の皆さんにお世話になった。そして今、ファンの皆さんはもちろんですけども、いろんな方々がさらに、僕が引退した後、『こうしたらどうか』『ああしたらどうか』と、力になってくれてます。ライガーの歴史は皆様の支えによる歴史だと思ってますから、そういう考えを持った皆さんをガッカリさせないように、猪木さんも言われてましたけども、第2の人生を頑張ってほしいということでしたので、頑張りたいと思っております」
──その第2の人生ですが、明日からはどういう活動を?
ライガー「明日からですか!? まぁ明日から、まだ取材とか1月はかなり入ってます。で、いろいろ計画されてることもありますので、またそれはおいおい、発表できると思うんですけども。武藤選手が、『ライガー、ほとぼり冷めたら帰ってきたらいいから』って。ほとぼり冷めませんから、僕は! もうずっと引退ですので(笑)。『プロレスリング・マスターズ』での復帰というのも全くありません。これだけのファンの皆さん、レスラーの皆さん、関係者の皆さんに見送ってもらったんです。カムバックは絶対にない! これは誓います。だから武藤選手には『ゴメンね』って伝えておいてください」
──現役中、できなかったこともたくさんあると思うんですが、今一番やりたいことは?
ライガー「今はゆっくり寝たいですね。ちょっとゆっくり寝たい。練習も何もしないで、食っちゃ寝、食っちゃ寝、1日2日、やってみたいですね。体はこのままずっと練習して、動かし続けていくと思いますけど、とりあえず1日2日は、何もしない日というのを作ってみたいと思います。それからまた第2の人生、頑張ります。本当に皆さん、ありがとうございました! 31年、ありがとうございました!(※報道陣、関係者の拍手に送られて控室へ)」