棚橋とザックが激突する「ブリティッシュヘビー戦」。棚橋は9.1ロンドンでザックから同王座を獲得。今回は2週間ぶりのリターンマッチとなる。
序盤、リストの取り合いで両者が互角の勝負を繰り広げる。そこからザックがサーフボードストレッチを繰り出すと、棚橋が切り返して体勢を入れ替える。
その後、ザックのエルボースマッシュに対し、棚橋はカウンターバックエルボーでお返し。そして、素早くフライングボディアタックで追撃すると、ザックの膝裏に低空タックルを見舞う。
そこから棚橋はインディアンデスロックを極め、ザックを場外へエスケープさせる。そして、ロープを開けてリングインを促すと、ザックが怒ってパイプイスを振りかざす。そのイスを上村が取り上げると、ザックが激怒して襲い掛かる。しかし、棚橋もリングを降り、鉄柵攻撃をお見舞い。
その後、棚橋がエルボースマッシュからジャンピングエルボードロップを繰り出すが、ザックは腕をキャッチして腕ひしぎ逆十字固めで逆襲。そして、棚橋の腕を折り畳み、ストンピングで踏み潰す。
それでも棚橋はブレーンバスターの体勢に入るが、直後にザックが脇固めへ切り返す。そこから棚橋がなんとか逃れると、ザックは両脚で腕を捻り上げる。
苦しくなった棚橋は、フライングフォーアームで逆襲し、カウンター低空ドロップキック、ドラゴンスクリューで追い討ち。そして、ニュートラルコーナーにのぼって片腕で逸材ポーズを決めると、ダイビングサンセットフリップで押し潰す。
棚橋の攻勢は続き、卍固めからグラウンド卍固め。これでザックが場外に落ちると、棚橋はニュートラルコーナー最上段へのぼる。するとザックは北側から西側の場外へ逃走。それを見た棚橋がスライディングキックを放つが、ザックが脚をキャッチし、膝十字固め、アンクルホールドで逆襲。さらに、腕ひしぎ逆十字固めで絞り上げる。
続いてザックはロープをまたぐが、棚橋がドラゴンスクリューを敢行し、低空ドロップキックからもう1度ドラゴンスクリュー。そして、テキサスクローバーホールドを仕掛けるも、ザックが三角絞めに切り返す。
そこから棚橋が脱出して腕ひしぎ逆十字固めに行くが、ザックがさらに切り返す。だが、棚橋は技が極まる前に体勢を入れ替え、今度こそ腕ひしぎ逆十字固め。
しかし、そこからザックが脱出し、クラーキーキャットで捕獲。そこから脚も取って絞るが、棚橋は辛うじてロープへ逃れる。
その後、ザックがエルボー連打を浴びせると、棚橋はエルボー→太陽ブロー→エルボースマッシュのコンビネーションをお見舞い。それでもザックは逆さ押さえ込みの体勢に入るが、棚橋が回避し、スリングブレイドでなぎ倒す。
さらに棚橋は背後からのスリングブレイドでザックをうつ伏せで叩きつけ、ハイフライフローを投下。そして、変型テキサスクローバーホールドを繰り出すが、ザックがロープに触れる。
続いてザックは両脚で棚橋の体に絡みつき、フロントネックロックを決める。すると棚橋はネックツイストを連発するが、ザックがザックドライバーで逆転。
そこから両者がエルボースマッシュを打ち合い、ザックが棚橋の腕にオーバーヘッドキックを浴びせる。そして、ランニングローキックを放つも、棚橋が蹴り脚をキャッチし、軸足に低空ドロップキックを食らわせる。
続いて棚橋はダルマ式ジャーマンスープレックスホールドを繰り出すが、カウントは2。そこからザックがヨーロピアンクラッチを仕掛けると、棚橋が切り返して反対に押さえ込む。これをザックが跳ね返して腕ひしぎ逆十字固めに行くが、棚橋が上体を起こして上からエビ固めで押さえ込む。
ここで両者が立ち上がり、コブラツイストの掛け合いを棚橋が制する。ところが、ザックが体制を入れ替えて丸め込み、3カウントを奪取した。
ザック「俺の美しいベルトが無事に戻ってきた。俺は10年以上もイギリスプロレス界のトップに君臨し続けてきた。このベルトが証明している。(※テーブルとイスがないことに気づき)ちょっと待ってくれよ…別府の会場には期待してなかったけど、ここに立って話せと!? 俺が日本人だったらテーブルとぬるいビールを用意したくせに。俺には紙吹雪さえなしか。新日本、俺に対する扱いが酷くないか!? 惨めだ。チャンピオンなのに…もっと良い扱いをしてくれよ。俺がIWGPのベルトを獲ったら、新日本を労働者協同組合に変えてやる。そしたら、こんな状況も変わる。まず第一に、常にテーブルを用意しておく。(※イスが運ばれてきて)おっ、文句言って悪かったな。(※イスに座り)実は自分で乾杯用のジントニックを持ってきた。俺が別府で勝つのは確実だったから。でも冷蔵庫で冷やしたまま忘れて…今は何も飲むものがない…。バカ野郎ども、俺に質問はあるか? (※自ら質問を始める)『ザック、イギリス人史上最高のプロレスラーでいるってどんな気分ですか?』『自分のスタイルをどう分析する、ジャック?』…ジャックは俺の弟の名前だ。『あなたのスタイルはキャッチ・アズ・キャッチ・キャンと柔術の融合ですか?』『でもあなたのプロレスは他の誰にも真似できない、完全なるオリジナルですね』。あぁ、それが俺のプロレスというものだ。俺のスタイルは“テッカーズ”。100%ピュアオーガニックなテッカーズだ。棚橋は史上最高のレスラーの1人だが、俺はその相手からグラウンドコブラツイストホールドで勝ったんだ。自分でもちょっとビックリしたよハッキリ言って今年の新日本には失望してる。もちろんこのベルトは誇らしく思ってるが、もう新日本のリングで2年半も闘ってるのに、まだIWGPベルトが俺の手元にない。会社のスケジュールなんて俺の知ったことか。俺は今ここで挑戦表明をしたい。来年の東京ドームは2日間だ。俺は1日目にこのベルトを防衛し、2日目にIWGPに挑戦する。その後でインターコンチも獲ってやる。だが、あれは真っ直ぐゴミ箱行きだ。あのベルトが視界に入るだけでも虫酸が走る。俺はいつも日本の記者に向かってアピールしてきたが、ここには誰も記者がいないのか? 俺はシェピー島の出身だ。いつも曇っている惨めな島だ。それでも俺の故郷には変わりない。だから、島を代表してアピールしていきたい。地元の新聞からは未だに1度もインタビューされたことがない。こないだサイトをチェックしたんだが、先週は地元で一番安いAIR BNBがトピックだった。それに去年なんて、1面が“木に挟まった猫”のニュースだったんだぞ。ここにブリティッシュ・ヘビー級王者がいるってのに! いつも東スポ、週プロの記者には話してやってるけど、テレビ朝日と新日本プロレスワールドは1番のバカだから本当は話したくもない。もっと他に質問は?『次なる目標は?』。良い質問じゃないか。もう2度とこのベルト落とさない。これは俺の遺体と一緒に墓に埋める運命だ。俺の墓はカール・マルクスの隣だ。この試合をわざわざ別府なんかでやる必要はなかった。今お前たちに話してるのも時間の無駄でしかない。今ここにジントニックがあれば良かったのに。よし、話はこのくらいだ。もうお前らをからかう力も残ってない。『DESTRUCTION』は最低のシリーズだ。別府なんかに時間を無駄にしたくなかった。まぁ、ベルトが戻ってきただけマシだ。今日は怒り狂う俺の姿が見れなくて残念だったろ? 『ザックがテーブルをひっくり返してボリス・ジョンソンの話するとこ、サイコーに可笑しいよな』。あぁ、ボリスか…お前のことも忘れてないぞ」
棚橋「(※コメントスペースにたどり着くなり、フロアに大の字になって。しばらくの沈黙ののち)悔しい。そして、恥だ。別府のみんなに、『愛してます』を言いたかった。IWGPも1カ月。ブリティッシュヘビー、約2週間。ハア……俺は、どういう闘いをして、どういうレスラーになって、どうしてチャンピオンになっていくかっていうのが、わかんない。わかんなくなってきた。(※うつ伏せになって、ゆっくりを起き上がって)最初から、いや、ポンコツからだっていい、出直してきます」