第8試合はAブロック公式戦として棚橋弘至(0勝2敗)がザック・セイバーJr.(0勝2敗)と対峙。ともに開幕二連敗、ここはなんとしても初日を出したいところ。
両者は今年、すでに二度にわたって対決。『NEW JAPAN CUP』準々決勝では棚橋が勝利を収めるも、4.6MSGではザックの複合関節の前に散り、その後は6.5両国まで欠場に追い込まれている。1勝1敗で迎えた今年三度目の対決、その結末は?
ザックはブリティッシュヘビーのベルトを巻いて入場。
開始のゴング、ザックが距離を詰めるが、棚橋は間を取る。続いて組手争いとなり、棚橋がコーナーに追い詰めるも、ザックが絡みつくと棚橋は距離を取る。
続いてザックはリング中央でネックロック。すると棚橋は左足を奪ってテイクダウン。だが、ザックは間を外す。そして、低空タックルから棚橋の左足を締め上げていく。 だが、棚橋もニヤッと笑みを浮かべてヒールホールドで応戦。ザックに対し、棚橋は真っ向からグラウンドで渡り合い、場内は拍手に包まれる。
ザックはコーナーを蹴り飛ばしイラ立ちを見せる。続いてグラウンドの攻防となり、ザックは両足で棚橋の上半身を挟み込むが、これはロープエスケープ。
棚橋はタックルでザックをダウンさせ、左のつま先をねじ上げる。ザックは棚橋の口と鼻をつかんで脱出を試みるが、棚橋はしつこく左足を攻める。
なんとか切り抜けたザックはヘッドロックで捕獲。棚橋はロープワークの展開に持ち込むが、ザックはコブラツイスト。しかし、棚橋もコブラで切り返してグラウンドに持ち込む。
さらに棚橋はザックの串刺し攻撃をかわして押さえ込み。そこから丸め込み合戦を経て、棚橋がツイスト&シャウトを炸裂。
続いて棚橋はスリングブレイドを仕掛けるも、ザックはこの動きを読んで卍固めで捕獲。だが、棚橋は足をつかんで脱出し、ドラゴンスクリューを敢行。
ここから両者はアッパーエルボーの応酬に。棚橋は逆さ押さえ込みに捕らえるが、ザックは耐え抜く。そこから逆さ押さえ込みを巡り、力のこもった腕の取り合いに。
棚橋は腕を振り払うと、その場飛びのスリングブレイド。続いてドラゴンスープレックスを狙うが、切り返した棚橋はジャパニーズレッグクラッチホールド。だが、返したザックは腕ひしぎ逆十字へ。
棚橋は切り抜けてテキサスクローバーを狙うが、ザックは脱出してジム・ブレイクス・アームバー。執拗に締め上げ、棚橋は苦悶の表情を浮かべるが、なんとかロープエスケープ。
ザックは棚橋の痛めている右腕にストンピング。さらにサッカーボールキックを放つが、棚橋はその蹴り足をつかむ。ザックは張り手を連発するが、棚橋は耐え抜いてドラゴンスクリュー。
続いて棚橋はスリングブレイドを決め、トップロープからスタンド状態のザックにハイフライフロー。そして追撃のハイフライフローを放つが、ザックはヒザで迎撃。
そしてザックは三角締めを決めるも、棚橋はジャックナイフ式エビ固めに切り返し、見事3カウントを奪取。これで棚橋が一勝目をスコア、ザックは悪夢の三連敗。
試合後、ザックは怒りをあらわにし、自分のリングシューズを叩きつける。さらにセコンドのヤングライオンに張り手を見舞い、花道でうずくまって悔しさをあらわにする。一方の棚橋はリング上で右上を突き上げ、会心の勝利をアピール。
棚橋「あぁ〜。古くて、新しかった。ん〜迷子の振りしてみたけど、ヤングライオンの頃、ヤングライオンの時、何を考えていたのか。自分から、自分から攻めて勝ちに行って、自分から攻めて、足とって手とって締めて! 受けて立ち上がることがプロレスで大切って言ってきた。けど、どっちが先か。攻めて、受ける。攻めるのが先だ。本当に今日は新鮮だった。迷子終了。こんなにも、こんなにもピュアな気持ちで試合したのは、初めてとは言わないけど、凄い久しぶりだ。もしそこに『ストロングスタイルは呪いです』と言った、言ってしまった棚橋、以前の棚橋がいたとしたら、“ストロングスタイル”はどこかにあるのかもしれないし、ひょっとしたら“ストロングスタイル”は、海の向こうに生きてるかもしれない!(笑顔で)」
ザック「何なんだ、何なんだ、何なんだーっ!(※と叫びながらインタビュールームに現れ、ベンチに座ると脱いでいた片方のシューズを床に何度もたたきつけながら)もう本当に納得いかない! レフェリーが全然カウントしないじゃないか! これは言葉の壁なのか? でも「ワン・ツー・スリー」(※と、またシューズをたたきつけながら)なんてどこの国でも一緒だろう! 何なんだ、やってられない! ヒザ、首、体中が痛んでる。『G1 CLIMAX』をアメリカで開幕させるなんてところから、そもそも間違ってたんだ! 初戦の負けが全ての元凶だ! そしてオカダについては二度としゃべりたくない! アイツとはロンドンで戦って、必ずベルトを奪ってやるんだ! みんな俺が決勝戦に行けないと思ってるんだろう? でも俺は敗退することはない! 史上初めて、開幕3連敗から決勝に勝ち進んでやるからな! ここからは負けは絶対にあり得ない! ずっと内藤のことが一番嫌いだと思っていたが、今はオカダ、“カズチャン”のことが一番嫌いかもしれない。なぜならアイツは俺のベルトを持っているからだ! クソ!(※と、顔を上げた勢いで壁に後頭部を打ちつけてしまう)いてぇ! クソ、何だこの壁は! クソーッ!(※と、インタビューバックを剥がしてしまうが、その勢いで倒れ、インタビューバックの布にくるまってジタバタするが、やっと起き上がると)ここからは負けないからな!(※と叫びながら控室へ)」