メインイベントは現IWGP王者のオカダと昨年の『G1』覇者・棚橋が激突するAブロック公式戦。昨年の公式戦では30分時間切れとなった新日本の看板カードでダラス大会を締めくくる。
大歓声の中、ゴング。鳴り止まない大歓声で両者、なかなか組み合わないが、ようやくロックアップで試合スタート。ここはオカダがロープに押し込みチョップを打つと見せかけてクリーンブレイク。だが、このオカダの余裕の態度に怒った棚橋がエルボーで一撃。するとオカダも応じて両者エルボー合戦だ。
そして両者髪の毛を掴んでにらみ合うとオカダがフロントキック。続いてオカダが放ったドロップキックをかわした棚橋。ならばとオカダは早くもレインメーカーの体勢に。これを阻止した棚橋はフルネルソン。オカダが逃れるとすぐさま捕まえてアームホイップで投げる。オカダもヘッドシザースで切り返して両者身体を離してにらみ合いだ。
再び組み合うと棚橋がエルボーからボディスラム。さらに青天井エルボーを決めてエアギターだ。そしてオカダにコーナーに振り返されると自ら上がって反転式のボディアタックを放とうとする。
だが、オカダはこれを阻止してコーナートップに棚橋を上げると、下から突き上げるようなドロップキックを発射。棚橋を場外に転落させる。そして自ら場外に降りると棚橋を捕まえてDDTだ。
棚橋が戻ってくると座ってる状態のところにドロップキックを側頭部に炸裂させる。そして棚橋を踏みつけてレインメーカーポーズだ。さらにオカダは棚橋をタックルでコーナーに叩きつけバックエルボーを連打。棚橋もエルボーで反撃するが、ガットショットを打ったところを蹴り足を捕まれドラゴンスクリューを被弾してしまった。
さらにオカダはネックブリーカー。続けてチンロックで固めていく。棚橋は徐々に立ち上がりこれを外す。そしてオカダにロープに振られながらもガットショット。またも蹴り足を掴まれてしまったが、今度は踏ん張りドラゴンスクリューを許さない。逆にオカダが放ってきたフロントキックの蹴り足を掴んでドラゴンスクリューでお返しだ。
そして太陽ブロー、エルボーを連発してからフライングフォアアーム。さらに串刺し式ドロップキックを見舞うとボディスラムで叩きつけてから、セカンドロープからのサマーソルトドロップを投下だ。
そしてスリングブレイドを放った棚橋。しかし、オカダはこれを避けてバックエルボーアタック。そしてコーナーに振ると串刺し式のバックエルボーからDDTで追撃だ。さらに棚橋を捕まえるとリバースネックブリーカーの体勢に。
だが、棚橋もこれを阻止。オカダのショルダースルーでエプロンに追いやられながらもオカダの蹴り足をキャッチし、ロープ越しの危険なドラゴンスクリューだ。ならばとオカダも棚橋が戻ってきたところでフラップジャックでお返しして追撃を許さない。
そしてエルボースマッシュを食らわせたオカダ。棚橋もすぐに低空ドロップキックで一発返すが、オカダはすぐに棚橋を捕まえてリバースネックブリーカー。棚橋の首にダメージを与えていく。
そしてボディスラムで棚橋を叩きつけたオカダはコーナートップに上がってダイビングエルボードロップを投下。さらに大歓声を受けながらレインメーカーポーズ。しかし、棚橋も冷静だ。その隙き突いてサムソンクラッチ。さらに足を獲ってグラウンド式のドラゴンスクリューからテキサスクローバーホールドだ。
ここはオカダもロープエスケープ。そのオカダの右足を掴んで再びグラウンド式のドラゴンスクリューで追撃した棚橋。オカダが場外に逃げるとコーナーに駆け上がり、場外に向かってハイフライフローを発射。捨て身の一撃でオカダに大ダメージを与える。
そしてリングに戻って雄叫びを上げるとスリングブレイド。しかし、オカダはこれを避けてファイヤーマンズキャリーで持ち上げる。棚橋はこれを阻止してツイスト&シャウト。ならばとオカダはショットガンドロップキックで反撃。それに対して棚橋がスリングブレイドを放って返してくるが、オカダはすぐさまドロップキックで反撃しツームストンパイルドライバーでマットに串刺しだ。
そして、レインメーカーの体勢に。だが、棚橋もこれをスリングブレイドで切り返し、コーナーに上がってハイフライフローを発射。そして、倒れたオカダにもう一発ハイフライフローで追撃だ。
しかし、オカダはこれを剣山で迎撃。そして再びツームストンパイルドライバーの体勢に持ち込むオカダ。棚橋も踏ん張ってこれを許さない。逆に棚橋もツームストンで持ち上げようとする。しかし、オカダも許さない。両者サイドを掴んだままの状態が続く中、なんとか持ちこたえた棚橋は、エルボー、太陽ブロー、エルボースマッシュ、張り手のコンビネーション。そしてスリングブレイドへ。
だが、オカダはこれを逆さ押さえ込みで切り返し、立ち上がらせてレインメーカー。そしてリストを掴んだまま棚橋を強引に立たせてもう一発ラリアット。さらにレインメーカーを放ったオカダ。
だが、棚橋はこれをスモールパッケージで切り返すと、立ち上がってきたオカダをフルネルソンで捕らえてドラゴンスープレックスホールドだ。オカダもこれをキックアウト。ならばとスリングブレイドを放った棚橋。しかし、オカダはこれをキャッチしてレインメーカー。棚橋も許さず張り手で応戦だ。
しかし、オカダも棚橋の手首を放さない。棚橋は張り手を2発放って振りほどき、ロープに飛んでスリングブレイドへ。だが、オカダはこれをカウンターで捕まえて旋回式のツームストンパイルドライバーでマットに串刺し。これで棚橋も万事休す。最後はオカダが正調のレインメーカーでなぎ倒し、3カウント。オカダが棚橋を破り、幸先良い1勝目を上げたのだった。
オカダ「本当に『G1 CLIMAX』初戦を終えて思うことは、『G1 CLIMAX』、キツいね、激しいね、そして熱いねと。正直、キツくない闘いが起きるような対戦相手は、出場選手のなかにはいないと思うので。これが当たり前だと思いますし、まだ1勝だけど、棚橋弘至から取った1勝っていうのは大きい1勝なんじゃないかなと思います。この大きい1勝の勢いに乗ってしっかり優勝に向かっていきたいと思います。本当にダラスのお客さん、と言わずにアメリカのお客さん、もちろん日本にだってこの闘いは伝わっていると思いますし、初めてこの『G1 CLIMAX』の闘いを見たお客さんは分からないと思いますが、このような闘いがあと18試合、1カ月のうちにおこなわれると。そんなことやってる団体は世界に新日本プロレスだけだと思います。本当にこの世界一の闘いをどんどんどんどん広めていって、今日のダラスにいたお客さんが、時差はあるけど、日本の闘いをたくさん見て寝不足にならないことを祈りたいと思います」
――対棚橋戦を海外の観客に見せられたことは?
オカダ「今日のお客さんの反応がすべてなんじゃないかなと思いますね。本当に国外だろうと、相手は棚橋弘至ですし。強さは変わることはないので、変わらず強い相手でしたし、本当にこうして『G1』が初めて海外でおこなわれる、メインイベントの相手にふさわしかったんじゃないかなと思いますね」
――つぎはザック戦だが?
オカダ「つぎの公式戦までまだ少し時間があるので、もう少し時間が経ってから考えようかなと。今日はこのダラスの歓声に浸って、日本に帰ろうかなと思いますね」
――鈴木選手が『G1』を潰すと宣言し、オカダ選手の名前も出してましたが?
オカダ「潰せるものなら潰してみなさい、という感じですかね。ボクの名前が出たのは、単純にチャンピオンだから、いちばんおいしい獲物だからっていうことじゃないかなと思うんですけど。まあ、悔しいんじゃないかなと思いますけどね、今日の盛り上がりを見たら。ただ、ボクは潰させないですし、しっかりこのG1の闘いを世界のお客さんに伝えていくだけですね」
――棚橋選手が、オカダ選手とはかなり差があると発言していたが?
オカダ「強いですよ。強いですけど、ボクが言った差ではないので、それは。棚橋さんが感じた差だと思うので。本当にそれぐらい差があると思いますし、その差を縮められるのであれば縮めればいいと思いますし、ボクはどんどんどんどんその差を広げていきたいなと思います」
――2000年以降、IWGPヘビー級王者の優勝者は出ていないが、自身で可能性をどのように感じている?
オカダ「今年はいいスタートが切れたので。毎回チャンピオンであっても、チャンピオンでなくてももちろん優勝は目指してますし、一回もあきらめたことはないですし。今日の闘いを見て、それが可能か不可能かは、ぜひ家に帰って、お酒でも飲みながらいろんな人と語り合ってほしいなと思います」
――今日の観客の反応は予想していた?
オカダ「ある程度は予想してましたけど、実際、闘いが起きて、予想以上の反応はありましたし。不思議な感覚ですね、毎回、海外で試合をやるたびに、オカダ、オカダと呼ばれて。スゴいありがたいことですね」
――KENTA選手など、新しい選手と対戦する際の作戦などはある?
オカダ「まだ正直、そこまで考えてないというのがありまして。つぎはザック・セイバーなので、それだけを考えて。KENTA選手との対戦は、その直前ぐらいに考えようかなと。いまは目の前の対戦相手を研究していく感じですね」
――いま新日本プロレスは海外での興行が増えているが?
オカダ「しすぎるのもよくないですし、まったくしないのもよくないですし。正直なにが答えかは分からないですけど、試合が組まれれば、ボクらはしっかり試合をして。それが日本だろうとアメリカだろうと、新日本プロレスの闘いを見せていくだけだと思いますね。試合のことに関しては正直ボクたちがどうこう言うことじゃないと思うので。組まれれば、素晴らしい試合をお見せします」
――今日は新しいコスチュームだったが?
オカダ「『G1』だから、ある意味、気合を入れるために新しいコスチュームで。新たな気持ちじゃないですけど、そういう気持ちでいきましたけど。今日だけじゃなく何回も着ていきますし、これで前のコスチュームを着ないわけではないので。またそのいろんなコスチュームを楽しみにしてもらえればいいんじゃないですかね」
――今日はなにをして祝杯をする?
オカダ「本当だったら、いつもだったら海外来たらテキーラでお祝いしてるんですけど、『G1 CLIMAX』も始まりましたし、そんなお酒を飲んでワイワイしている場合ではないので。本当はいろいろと、せっかくダラスに来たので羽を伸ばしたいところなんですけど、つぎに備えてゆっくり休みたいなと思っています」
棚橋「ハァハァ……。(息を整えて)いまの、棚橋が、どれぐらいか? 知ることができた。(ここから英語で)2011年、ボクは挑戦者のチャーリー・ハースとアメリカでIWGPヘビー級選手権を闘いました。それから8年後、ボクがここ(右手を自分の胸の前に上げて)だとしたら、オカダはここ(右手を思い切り高く上げて)です。でも、ボクはここでは終われない。ネバー・ネバー・ギブアップ。なぜなら、ボクは疲れたことがないからね。
(ここから、再び日本語で)ボク自身が、今日はどのぐらいの状況か? 今日は知ることができた。だからこそ、次を考えられる。本当にオカダは恐ろしい選手になった。でも、俺はあきらめない。なぜなら、なぜなら! 俺は棚橋弘至だから。サンキュー!」