NJPW SOUTHERN SHOWDOWN in MELBOURNE

日時
2019年6月29日(土)   17:00開場 19:00開始
会場
オーストラリア・メルボルン・フェスティバルホール
観衆
1,798人

第7試合 60分1本勝負
IWGP Jr. ヘビー級選手権試合

  • <第85代チャンピオン>

  • <チャレンジャー>

VS

  • ※ 初防衛戦

境界線

※王者オスプレイが初防衛に成功
レフェリー|レッドシューズ海野

MATCH REPORT

 第7試合ではIWGPジュニアヘビー級王者のウィル・オスプレイが、ロビー・イーグルスを相手に初防衛戦。
 オスプレイは今年の『BEST OF THE SUPER Jr.』で3年ぶり二度目の優勝を成し遂げると、その勢いを駆って6.9大阪城ではドラゴン・リーとの死闘を制し、IWGPジュニアヘビーを奪取。その試合後、オスプレイは「イーグルスとベルトを賭けて戦いたい」と次期挑戦者にBULLET CLUBの“スナイパー・オブ。ザ・スカイ”を逆指名した。
 両者は5.26幕張での『SUPER Jr.』公式戦で激突し好勝負を展開するが、終盤にエル・ファンタズモが介入。結果はイーグルスが勝利を収めるも「こんな勝ち、いらねえよ!」と、不完全燃焼な結末に怒りを見せていた。
 今回、IWGPジュニアヘビー初挑戦のチャンスをつかんだイーグルスは、故郷オーストラリアでの王座戴冠に向けて気合い充分。オスプレイとしては『G1』初出場を前に、ここはキッチリと勝利を収めたいところ。
 イーグルスは大歓声の中、闘志あふれる表情でリングイン。オスプレイは日本刀を持って入場し、リングに入るとサヤを抜いて、その刃をイーグルスに向ける。
 ゴング前、場内は「ロビー! イーグルス!!」コールと「オスプレイ」コールが交錯。だが、オスプレイがコーナーに上るとブーイング。逆にイーグルスがコーナーに上ってアピールすると大歓声。イーグルスのセコンドにはファンタズモの姿が見えるが、イーグルスは邪魔しないように指示。
 リング上、イーグルスはロックアップでオスプレイを押し込んでクリーンブレイク。次はオスプレイがイーグルスを押し込み、クリーンブレイクと見せかけ逆水平チョップ。だが、イーグルスはかわす。そこからすばやい技の読み合いとなり、オスプレイのオスカッターをイーグルスが切り抜けると場内は大歓声に包まれる。
 続くショルダータックル合戦は互角の展開。すると、オスプレイが不意打ちの強烈な逆水平チョップ。しかし、すばやいロープワークからイーグルスが華麗なドロップキックをヒット。オスプレイが場外に落ちると、イーグルスはロープのあいだをくぐりぬけてトペ・コンヒーロを炸裂。
 イーグルスは場外で逆水平チョップ。そしてオスプレイをリングに戻し、低空ドロップキックをヒット。続いてイーグルスは串刺し攻撃を狙うが、オスプレイは切り抜けると、コーナーに上ったイーグルスを逆水平チョップでリングに落とす。
 場外でイーグルスはオスプレイを鉄柵に投げつけるが、オスプレイはジャンプして着地。そして鉄柵を使ってフライングエルボー。続いてオスプレイはイーグルスを鉄柱に叩きつけ、さらに鉄柱越しのトラースキック。
 そしてオスプレイはイーグルスをリングに戻し、サードロープに固定したイーグルスの顔面にドロップキックを炸裂。
 リング上、オスプレイはイーグルスにボディスラムからニードロップ。そして逆水平チョップの連発から、串刺しの低空ドロップキック。
 オスプレイのチンロックを切り抜けたイーグルスは、右ハイを食らわせる。さらにオスプレイの串刺し攻撃を切り抜け、すばやく丸め込みへ。続くロープワークの攻防から、オスプレイがイーグルスを抱え上げるも、イーグルスは旋回式DDTを炸裂。
 イーグルスはヒザ立ち状態のオスプレイの胸板に左ローを連発し、さらにレッグラリアット。そして串刺しのダブルニー。そこからコーナー際の攻防となり、オスプレイがニーをお見舞い。
 そしてセカンドロープにもたれかかったイーグルスの頭部にドロップキックを狙う。これをかわしたイーグルスは、オスプレイにトップロープ越しのフットスタンプをお見舞い。
 だが、オスプレイも延髄斬りから619、スワンダイブエルボーとたたみかける。オスプレイはサマーソルトキックを繰り出すが、着地の際にヒザを痛めてしまう。するとイーグルスはニークラッシャー。だが、オスプレイもハイキックで反撃。そしてストームブレイカーを狙うが、切り抜けたイーグルスはキックを連発。すかさずフォールに入るが、オスプレイはカウント2でキックアウト。
 イーグルスはスライス・ブレッド#2を狙うも、オスプレイはトップロープにイーグルスを設置。そして雪崩式攻撃の体勢に入るが、イーグルスはバックエルボー。だが、オスプレイはオーバーヘッドキックでイーグルスを宙吊りにする。
 オスプレイは宙吊り状態のイーグルスの顔面に張り手。しかし、イーグルスもその体勢で張り手を返す。するとオスプレイはキックを連発。
 そして、オスプレイは雪崩式スープレックスを狙うが、イーグルスは切り抜ける。するとオスプレイはイーグルスをドロップキックで場外に転落させる。ここからオスプレイはトルニージョアタックを敢行。イーグルスはカウント19でリングにギリギリ生還。
 するとオスプレイはドロップキックからリバースのブラディサンデー。そしてロビンソンスペシャルを決め、セカンドロープからのオスカッターを狙う。だが、イーグルスはスライス・ブレッド#2で切り返す。
 ここから両者はヒザ立ち状態でエルボー合戦。そして立ち上がると、エルボーの応酬を続行。オスプレイはキックを放つが、イーグルスはスキをついてターボ・バックパックを狙う。だが、オスプレイも切り抜け、そこから激しい技の切り返しとなり、オスプレイはシットウダウン式パワーボムのように抱え上げ変形のフェイスクラッシャー。さらにオスプレイは高角度ライガーボムを決めるが、イーグルスはカウント2でキックアウト。 
 オスプレイはトップロープに上るも、エプロンに上ったファンタズモに気を取られてしまう。するとイーグルスがトップロープに飛び乗り、オスプレイに雪崩式フランケンシュタイナー。そして450°スプラッシュを繰り出すが、オスプレイは間一髪でかわす。
 オスプレイはトラースキックを決め、イーグルスを肩車で持ち上げえうとそのままセカンドロープへ。そして雪崩式のアイコノクラズム。だが、イーグルスはカウント2で必死に跳ね返す。
 ここでファンタズモはイスをリングに投げ入れる。しかし、オスプレイは気にせずイーグルスにオスカッターを狙う。ならばとファンタズモが場外でベルトを手にし、オスプレイの動きが止まる。すると、イーグルスがファンタズモにトペ・スイシーダを炸裂。
 その反動でオスプレイは足がロープに引っ掛けてしまう。そこにイーグルスは450°スプラッシュ。そしてターボ・バックパックを決め、ロン・ミラー・スペシャルへ。オスプレイは必死にロープに逃げるが、イーグルスは左腕も捕獲。しかし、オスプレイは右手でロープに逃げる。
 イーグルスはオスプレイにピストルポーズからアルゼンチンバックブリーカー。だが、オスプレイは切り抜ける。しかし、イーグルスがスワンダイブ。するとオスプレイはカウンターのオスカッター。さらにもう一発オスカッターを決めるが、ファンタズモがレフェリーの足を引っ張ってカウントを阻止。
 ファンタズモはオスプレイに馬乗りになってパンチを連発。さらにベルトを手に持ち、オスプレイに殴りかかろうとするが、イーグルスが阻止。オスプレイはファンタズモに死角からトラースキック。
 ここでイーグルスがベルトを手に取り、オスプレイを見やってからおとなしくレフェリーに渡す。そしてイーグルスとオスプレイは額を突き合わせ、激しいエルボー合戦。競り勝ったイーグルスはエルボーの連打からストンピングを連発。
 イーグルスは気合を入れ直し、ターボ・バックパックを狙うが、オスプレイはこらえて低空スープレックス。さらにショートレンジラリアットを決め、エセックス・デストロイヤー。しかし、イーグルスはカウント2でキックアウト。
 オスプレイはストームブレイカーを仕掛けるも、イーグルスは脱出。だが、オスプレイはハイキックからトラースキック。そしてもう一度ストームブレイカーへ。
 しかし、イーグルスはカナディアンデストロイヤーで切り返す。そしてキックのコンビネーションから、リバースのスライス・ブレッド#2。フォールはオスプレイも必死にカウント2ではねかえす。
 イーグルスは雄叫びを上げ、左ヒザに450°スプラッシュ。そしてロン・ミラー・スペシャルを決めるが、オスプレイは丸め込みで返す。そこから技の読み合いとなり、オスプレイはカウンターのスパニッシュ・フライ。
 オスプレイはシューティングスタープレスを決めるが、イーグルスは意地を見せるようにカウント1で返す。すると、オスプレイはイーグルスの後頭部にヒドゥン・ブレイドを決め、ついにストームブレイカーを炸裂。オスプレイが30分越えの死闘を制し、王座防衛に成功した。

COMMENT

オスプレイ「オーストラリアのファンは世界で一番情熱的で素晴らしい。俺がブーイングを浴びたのも、予想してた通りだ。ロビーに限界まで追い詰められた。おまえのロン・ミラー・スペシャルで、一瞬ギブアップしそうになった。ファンがみんなロビーを応援する中、闘い続けるのはキツかったが、同時に彼らがそれだけ地元のレスラーを強く認めてるんだと感じた。彼らはハイレベルな試合を求めている。だから俺たちの試合を心から喜んでくれた。ロビー、リング上でも言ったが、おまえがバレットクラブのメンバーでも、おまえに対する尊敬は変わらない。おまえは兄弟同然の存在だ。また君と闘いたい。 無事防衛戦も終わったことだし、次なるチャレンジ……。『G1 CLIMAX』に目を向けよう。俺は、オカダ、KENTA、棚橋、飯伏、ファレ、アーチャー、SANADA、EVILと同じブロックだ。その中で俺一人がジュニアだ。俺はファンからすれば優勝候補の最下位だろうけどね。 そして、オーストラリアのファン、俺が数年前に誓った約束を覚えているだろうか? オーストラリアのプロレス界をもっと大きく成長させたいと言った。今でもそのつもりだ。だから、またPWAかMCWにゲストとして戻ってきたいと思う。そしてさらにたくさんのベルトを手にするつもりだ。 同じく、ジュニアの地位ももっと高めていきたい。このIWGPジュニアのベルトはIWGP、インターコンチ、USと同等の価値であるべきだ。世界中に俺たちジュニアが新日本で一番強い階級だってことを証明してみせる。本当にありがとう」
 
ロビー「自分が不甲斐ないよ。こんなの俺が望んでた結果じゃない。大チャンスだったのに、勝てなかった。しかもオーストラリアで負けて本当に申し訳なく感じてる。やっとオーストラリアで新日本のビッグマッチをやれたのに、何も残せなかった。去年の『SUPER Jr. TAG LEAGUE』と今年の『SUPER Jr.』に出場し、世界中に俺が世界最強のジュニアの一人だと証明することはできた。でも、ウィルからとてつもないダメージを喰らった。もう息をするのも立っているのも精一杯だった。でも最後まで闘い抜いたよ。それはファンのみんなが俺の名前を呼んで後押ししてくれたからだ。だから、みんなの期待に応えたかった。オーストラリアのプロレス界はいつだって下に見られてきた。でも俺はオスプレイだろうとファンタズモだろうと、誰であろうと必ず超えてみせる。いや、超えないといけない。だからこれからも闘い続ける!」

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