第2試合は3.8後楽園の『NEW JAPAN CUP』一回戦で対峙する永田裕志と石井智宏が、それぞれトーア・ヘナーレとYOSHI-HASHIをパートナーに激突。永田と石井は今年の1.5後楽園の6人タッグの試合後に大乱闘を展開し、遺恨が勃発。2.21後楽園のタッグマッチでも激しいケンカファイトを繰り広げただけに、今回も真っ向勝負になるのは必至。
先発は永田と石井。ロックアップでは共に引かず。なんとか石井はロープに押し込むと、離れ際に永田に張り手。すると、永田がのど輪で石井をロープに押し込んでエルボー。そこから打撃のかわしあいを経て、永田が右ローを連発。さらに左ハイ、背中へのサッカーボールキックとたたみかける。
ヘナーレがタッチするも、石井は永田に突っ込んでいく。石井は永田をにらみつけながら、YOSHI-HASHIにスイッチ。
ヘナーレとYOSHI-HASHIは激しいエルボー合戦。共に快音を響かせ、最後はヘナーレがダブルチョップでダウンを奪う。さらにYOSHI-HASHIのノド元にトマホークチョップ。
しかし、YOSHI-HASHIもヘッドバスターの体勢へ。これはヘナーレが切り抜けてロープに走るも、YOSHI-HASHIは追走して場外に降り、相手を場外に引きずり込む頭脳プレー。そしてヘナーレを鉄柵に叩きつける。石井も永田に対し強烈な鉄柵攻撃。
YOSHI-HASHIはもう一度ヘナーレを鉄柵に叩きつけ、リングに戻す。タッチした石井はヘナーレにヘッドバット。ヘナーレも打撃を返すが、石井は逆水平チョップ一発でダウンを奪い、場外の永田に対して「永田、来てみろ!」と挑発。
次はYOSHI-HASHIがヘナーレにコーナーを背負わせて逆水平チョップ。さらに挑発するように張り手。すると怒りのヘナーレはエルボーを返すが、YOSHI-HASHIもすぐにエルボーを連発して鎮圧。
劣勢のヘナーレだったが、YOSHI-HASHIにスピアーを炸裂。次は永田と石井のマッチアップ。互いに延髄斬り、スライディングラリアットをかわしあうと、永田がフロントキックでダウンを奪う。さらに胸板に左ミドルを連発し、串刺しフロントキック。
だが、石井もショルダータックルでダウンを奪い、永田の背中にサッカーボールキック。ここから両者は気迫を全面に押し出してエルボー合戦。競り勝った石井はブレーンバスターを仕掛けるも、永田が腕固めに切り返す。しかし、白目の神が降臨する前にYOSHI-HASHIがカット。これに場内はブーイングを送る。
永田は石井にブレーンバスターを繰り出そうとするが、逆に石井が投げ返す。タッチしたYOSHI-HASHIは永田に逆水平チョップを連発。しかし、永田もキチンシンクをお見舞い。
次はヘナーレがエルボーの連発。お返しとばかりにYOSHI-HASHIは串刺し逆水平チョップを繰り出すが、ヘナーレは気合の雄叫びをあげ、串刺しラリアット、サモアンドロップと猛攻。
ヘナーレは気合を入れるとブレーンバスターの体勢へ。こらえたYOSHI-HASHIはエルボー。これを合図に両者はエルボー合戦に突入。ヘナーレが競り勝つも、YOSHI-HASHIはスキをついてスピンキック。しかし、ヘナーレも下からアゴに突き上げるようなヘッドバット。そしてブレーンバスターで叩きつけてフォールへ。だが、石井がカット。
するとヘナーレはヘッドバット。タッチした永田は石井にエクスプロイダー。さらにYOSHI-HASHIに串刺しニー。続いてヘナーレがYOSHI-HASHIに豪快なスピアーを決める。
ここでヘナーレはTOAボトムを狙うが、YOSHI-HASHIはバックに回る。それをはねのけたヘナーレがロープに走ると、ラリアットの相打ち。しかし、続くラリアットは、YOSHI-HASHIがカウンターのカチ上げ式ラリアットで競り勝つ。最後はYOSHI-HASHIがKUMAGOROSHIを決めてフォール勝ちを収めた。
試合後、永田と石井はにらみ合いを展開。
石井「永田! オイ、俺がよぉ、オメェのこと、ジジイとか、年寄りとか、ひと言でも言ったことあるか? ねぇだろ? アイツ、自分から言ってんだよ、『ジジイなめんな』とかよ、年寄りがどうだとかよ。自分でそんなこと言ってる野郎によぉ、俺が負けると思うか? オイ、永田、ジジイの意地見せて見ろよ?」
YOSHI-HASHI「ヘナーレと久しぶりに対戦して、俺がケガする前と、全然、全然変わってた。アイツも『NEW JAPAN CUP』にエントリーされてるし、俺もされてて、初戦の中西、あの人と戦うにはすごく“仮想・中西”としてヘナーレはもってこいの相手だったから。中西もそうだし、俺も『ケガから復帰してよかったね』って、そんなんで終わるために帰ってきたわけじゃないからね。俺だってほしいものがあるから、そのために中西学っていうのは絶対に越えなきゃいけないし、全く侮ってないからさ。今度の後楽園、キッチリ勝って上にどんどん、進んでいきます」
──いよいよ「NEW JAPAN CUP」の一回戦が2日後ですが。
永田「石井ってのは、新日本プロレスのトップの一角なんでしょ? いつの間にか、そうなってるんでしょ? まぁ、いろんな不満を持ちながらぶつかってきたけど、ここまで来たらもう何もないですよ」
──石井選手は先ほどのコメントで、「ジジイの意地を見せろ」と。
永田「ハハハ。それはこの前哨戦で十分わかってるだろうが。アイツは気が引き締まったはずだよ。テンション上げないと勝つことなんてできないと、思い知ったはずだよ、石井は。そんなの、『年寄りなめるな』ってずいぶん前から言い続けてるんだから。50歳を越えてね、人間の寿命も競技年齢も、全部伸びてるという現実を、俺は絶対に証明してやる、明後日のリングで。そして、50代のIWGP王座奪還、返り咲き。これを夢で終わらせない。そのために俺は諦めずにやってきたってことを、見せますよ、明後日。俺が石井に勝って『NEW JAPAN CUP』で優勝して、50代でIWGP王座を奪還する。それを成し遂げることで、全日本国民、いや、全世界の人々に、夢と希望を与えてみせますよ」
ヘナーレ「(日本語で)カンキャクノ・タメニ・タタカウ! みんな感じるか? みんな分かるか? 1年前と同じケガ、同じ痛みだ! だが、教えてやろう。新日本プロレスも、世界中の人々も、知ってるのか? このヘナーレが、マオリの闘将だということを! 俺はスピードもある! パワーもある! 石井や鈴木に負けない強い攻撃を放つことができる。何だってできるんだ! ただ、俺に足りないのは経験だけだ。それさえ身につけられれば、勝つことができるだろう。ランス・アーチャーは経験も持っているし、技も力もある。そしてヤツはレジェンドだ。ただ、俺にだってチャンスがないわけじゃない。そのチャンスさえ来れば、俺だって上に上がっていくことができるはずだ。俺はここで止まりはしない。106kgの、この筋肉をまとった正義の肉体があるからな! 負けは負けじゃない。俺にとっては、糧でしかないんだ!」