昨日の山形大会で決勝戦進出の望みを絶たれたジュースとフィンレーだが、最後の公式戦に臨む。今宵の相手はこのシリーズ中、度々突然の暴走を見せるチャッキーとバレッタのベスト・フレンズだ。
先発はフィンレーとチャッキー。まずは両者レスリングで渡り合う。続いてはジュースとバレッタが対戦。コーナーに追い込まれたバレッタだったが、レフェリーのブレイクの隙きを突いてエルボーで一撃。グラウンドで袈裟固めだ。
一方のジュースもショルダータックルで反撃すると、フィンレーを呼び込んでダブルのフェイスバスター、ダブルのドロップキックを連続で決める。そして、2人同時にプランチャを発射。しかし、これを避けたベスト・フレンズはチャッキーがトペ・コンヒーロだ。
これで流れを掴んだベスト・フレンズは場外でジュースを鉄柵に叩きつける。そして、チャッキーがフィンレーを鉄柵の上に固定すると、バレッタがエプロンから走ってフットスタンプを投下だ。リングに戻すとチャッキーのドロップキックが炸裂。代わったバレッタもフィンレーに逆水平チョップだ。コーナーに飛ばされてもゴブストッパーで反撃。そしてチャッキーを呼び込むとハグからのダブルエルボードロップだ。
続いてチャッキーはフィンレーをスリーパーで絞めてからバレッタにタッチ。バレッタはエプロンに逃げたフィンレーにブレーンバスターを仕掛ける。しかし、フィンレーも踏ん張って阻止。そこをチャッキーが襲うが、フィンレーは返り討ちだ。そして、ロープを越えようとジャンプしたフィンレー。バレッタはこれをキャッチすると、そのままノーザンライトスープレックスで叩きつけてみせた。
そして再び出てきたチャッキーはバックドロップを仕掛ける。だが、フィンレーはこれを後方に着地すると逆にバックドロップ。両陣営、ジュースとバレッタにタッチ。ジュースはパンチで攻め込み、フェイントからDDT。バレッタのデュードバスターDDTをかわしてコーナーに叩きつけると、座り込んだところにキャノンボールだ。
さらにフルネルソンバスターで叩きつけてからフィンレーにタッチしてリングに呼び込みトレイン攻撃。しかし、バレッタはこれをかわしてフィンレーをコーナーで自爆させると、そのまま踏み台にしてのデュードバスターDDTでジュースをマットに串刺しだ。
代わったチャッキーにフィンレーがエルボースマッシュで攻め込む。しかし、チャッキーは突撃してきたフィンレーにカウンターでヒザをぶち込、続けてファルコンアロー。さらにパイルドライバーで追撃だ。しかし、フィンレーも3カウントを許さない。いらつき始めるチャッキー。続くチャッキーの攻撃を、フィンレーはカウンターのエルボーで迎撃した。
すると、ここでチャッキーの様子が変わる。リング下からイスを取り出し、「ノー! ノー!」と止めるバレッタの言うことも聞かない。場外を走って止めに来たジュースも鉄柵に叩きつけてしまう。そして、リングに戻るとフィンレーに一撃。すぐさまゴングが鳴らされ、ベスト・フレンズの反則負けとなった。
ジュース「オイ、こっち来いよ、ブラザー。おいデビ(フィンレー)、どうお思う? せっかくこの場所に来たのに、なんなんだ、この試合は? 勝った気がしないよ。あれがレスリングか? 俺はレスラーとして闘いたいんだ。タイトルマッチへの道が閉ざされたからって、ぶち壊しやがって。お前1人でやってるんじゃないぞ。俺はそんなのまっぴらごめんだ。パートナーだったら、ちゃんとコントロールしろよ。あんな狂ったタッグパートナーを引き連れやがって! チャッキーTめ。昨日、失った2点を取り返したっていってもなあ……。なあ、デビ?」
フィンレー「これは大事な得点争いなんだぞ」
ジュース「そうだ、得点争いだ。いきなりダッシュして飛び出して……」
フィンレー「オイ、そんなことはいい」
ジュース「イスを持ち出して暴れるだけ暴れて、最後はケンタサン(佐藤レフェリー)にパイルドライバーを見舞ってKOするって、何をしでかすんだ!」
フィンレー「あんなパートナーを連れてくるのなら、もう1人レフェリーがいる」
ジュース「お前はアスリートの風上にもおけない。罰金ものだぞ」
フィンレー「あんなヤツ相手に試合してられるか」
ジュース「彼は俺たちより5時間も前に会場入りして、俺たちが存分に闘える舞台をセッティングしてくれてるんだ。そんな彼をKOするなんて。なんの理由ああるんだ? お前たちを最高に見せるために準備してくれてるんだぞ。それで俺たちが16点になったからって、全然うれしくない」
フィンレー「まあ、2人で組んで1年目にしては、ここまでできるとは思ってなかった」
ジュース「2点を奪うことがどれだけのことか。16点まで伸ばした俺たちにリスペクトの気持ちを持てないのか。『WORLD TAG LEAGUE 2019』も俺はデビチャンと組んで出て、ぶちのめしてやる。来年、仕返してやる。でも、あんなことはもうたくさんだ。まったく理解できない」
フィンレー「そういうことだ。じゃあな(※と言って先に1人で控室へ)」
ジュース「(※先ほどまでのエキサイトしてのコメントとはトーンを変えて静かな口調で)Cody、これは真面目な話だぞ。かかって来い。お前の電話番号を知らないから、どうやってお前のTwitterやソーシャルメディアにつなげばいいかもわからない。お前は『ニューパン・ワールド(NJPW WORLD)』を見てないかもしれない。ニュージャパンの最新情報をキャッチしてないかもしれない。なんで『ニュージャパン・ワールド』を見ない? なんでここ3週間前から情報をストップさせてるんだ? そんなことだと、この国では上に行けないぞ。俺はバスに揺られて、あらゆる場所に行って闘いをしている。大きな都市や小さな町に関係なく。お前は年5回やって来るだけ。俺をやっつけたのは、ここでじゃない。せっかく手にしたタイトルを、俺の手から剥ぎ取っていった。でも、俺はチャンスを取り戻す。お前に挑戦する。いつだろうと、どこだろうと、俺は構わない。決められた時間、場所でやってやる。どういう形でもいい。そのかわり、100%のお前で来い。俺のことなら心配するな。タイトル挑戦が決まれば、最高に仕上げていってやる。いいな? さて、ケンタサンの状態をチャックしなくっちゃ」
バレッタ「タッグパートナーがまた勝手に暴走して負けた。昨日の試合にしても、俺はあんな勝ち方は望んでない。俺たちは
このままパートナーとしてやっていくかどうか話し合って、場合によっては考え直さないといけないな。(※遅れてコメントスペースにやって来たチャッキーの姿を見て)オイ、お前……」
チャッキー「(※笑みを浮かべながら)みんなを楽しませてやったよ」
バレッタ「違うぞ。あれでいいと思ってるのか?」
チャッキー「もう得点計算なんて関係ないだろ」
バレッタ「だけどな……」
チャッキー「ヘヘヘ。さ、行くぞ(※先に1人で控室へ向かう)」
バレッタ「…………(※しばらくその場に残っていたが、呆れた顔をしてチャッキーのあとを追う)」