第8試合はNEVER無差別級王者の後藤洋央紀が、タイチを相手に二度目の防衛戦。タイチは今年3月に本格的にヘビー級転向を果たすも、6月の大阪城ホール大会では後藤、マイケル・エルガンとのNEVERを賭けた3WAYマッチに敗退。その後、『G1』の出場メンバーからも外れ、鬱憤が溜まったタイチは、もう一度後藤をターゲットに。ここまで前哨戦ではタイチの無法ファイトの前に苦戦を強いられた後藤だが、王座戦の結果はいかに?
タイチは専属ディーバのあべみほ嬢を伴って入場。セコンドには金丸がつく。対する王者・後藤はNEVERのベルトを腰に堂々とリングイン。
開始のゴング、タイチはコーナーに寄りかかり不敵な笑みを浮かべ、前に出てこない。後藤が距離を詰めると、タイチは半身をロープの外に出してエスケープの体勢。さらに心理戦を仕掛けるように場外に下り、リングの周囲を回る。そしてリングに上がると見せかけ、またすぐに場外へ。すると後藤はリング中央であぐらをかき、目をつむる。
後藤が手招きすると、タイチはようやくエプロンへ。間髪入れずに後藤は襲いかかり、ロープにハンマースルー。しかし、タイチはそのまま場外にエスケープ。そしてあべみほ嬢をリングに上げる。海野レフェリーとあべみほ嬢のやり取りに後藤が気を取られていると、タイチがその背後から襲撃。そして場外に投げると、金丸がパンチとストンピングを見舞う。だが、後藤も金丸を鉄柵に投げ捨ててエルボー。しかし、その背後からタイチがイスで後藤に一撃。タイチは後藤を観客席に投げ捨て、さらにイスで殴りかかる。
タイチはNEVERのベルトを手にし、リング中央で掲げる。後藤は場外カウント19でなんとかリングに生還。タイチはそのベルトで攻撃を狙うも、レフェリーが阻止。するとタイチはベルトを場外に投げ捨てる暴挙。
タイチは後藤の顔面に踏みつけ攻撃。さらにアゴヒゲを引っ張ってヒザまづかせると、「終わりか?」と顔面を蹴りつけていく。そして顔面かきむしりで後退させ、串刺しアックスボンバー。ここからまた場外戦となり、タイチはイスを後藤の背中に勢いよく振り下ろす。さらに花道でタイチ式ラストライドを仕掛けるも、後藤は切り抜け、逆にブレーンバスターを炸裂。さらに後藤は金丸をブレーンバスターで、タイチの上に叩きつける。
後藤はタイチをリングに戻し、村正を敢行。そしてバックドロップで叩きつけ、牛殺しの体勢へ。これをタイチが切り抜けると、後藤は突進。だが、タイチはかわして顔面にジャンピングキック。さらにバズソーキックを繰り出すも、後藤は蹴り足を受け止めてエルボー。だが、タイチは口元を触って笑みを浮かべるとローキック。ここからエルボーとキックの応酬へ。優勢になった後藤が「どうした、オラ!?」と挑発すると、タイチは強烈なミドルキック。後藤も左ミドルを返すが、タイチはソバットで動きを止め、顔面にジャンピングハイキック一閃。
ここから両者はラリアットの相討ち。だが、二発目は後藤が打ち勝つ。続いてロープワークで互いの動きを読みながら、タイチが狙いすましたアックスボンバーをヒット。そして追撃のバズソーキックからフォールに入るも、後藤はカウント2で返す。
タイチは気合と共にパンタロンを脱ぎ去ると、天翔十字鳳を繰り出す。だが、後藤はかわしてスリーパー。しかし、タイチは高角度のバックドロップ。さらにジャンピングハイキックを決めるが、後藤はどうにかカウント2でキックアウト。
ここを勝機と見たタイチはタイチ式ラストライドの体勢へ。持ち上がらないと見るや、後藤の顔面にステップキックを連発。そしてもう一度ラストライドを狙うも、これは後藤がリバース。さらにバックドロップを狙うが、タイチが踏ん張ると、後藤は相手の左腕を股のあいだに通してクラッチし、そのままうしろに投げ捨てる荒技を披露。
後藤は「立てー!」と気合を入れ、スリーパーへ。タイチの意識が遠のくと、後藤は自らほどいてGTRを狙う。ここでタイチはレフェリーをつかみ、死角を作る。すると金丸が乱入し、後藤を襲撃。だが、後藤は金丸に豪快なラリアットを食らわせ、場外に投棄。
後藤はタイチを牛殺しの体勢で抱え上げるが、今度はデスペラードが乱入。しかし、後藤はラリアットで場外に突き落とす。ここでROPPONGI 3Kが金丸とデスペラードを阻止すべく、バックステージに連れ出す。
リング上、タイチはマイクスタンドを手にして襲いかかるも、後藤はかわして今度こそ牛殺しを炸裂。そしてGTRの体勢に入るが、タイチが切り抜けると、昇天・改を炸裂。すかさずフォールに入るも、先ほどの攻防に巻き込まれたレフェリーは場外でダウンしているためノーカウント。
後藤は場外のレフェリーにリングに上がるよう促し、タイチにエルボー。そして印を結んで気合を入れると、サッカーボールキック。さらにヘッドバットを叩き込み、裏GTRを炸裂。しかし、タイチはカウント2でキックアウト。
ならばと後藤はGTRを狙うが、ここで飯塚が乱入。レフェリーが阻止していると、後藤がその背後からエプロンの飯塚にエルボー。すると、レフェリーの死角をついてタイチが後藤に急所攻撃。そしてタイチ式外道クラッチで丸め込むが、これはカウント3寸前で後藤が跳ね返す。試合は20分を経過。
ここでタイチは天翔十字鳳を炸裂。そして気合を入れ、タイチ式ラストライドで叩きつけるが、後藤はなんとかキックアウト。ならばとタイチはブラックメフィストを決め、ついに3カウントを奪取。タイチがNEVER初戴冠を成し遂げた。
タイチ「(※あべみほを引き連れてコメントスペースに現れ、NEVERベルトを床へ投げ捨てる)拾え。拾え! 新日本のヤツら、拾え。上層部どこ行った!? 拾え。(※新日本プロレスのスタッフに)テメェ社員だろ、拾え、オラ。(※ベルトを受け取り)このベルトは誰のもとに来たんだよ!? 言えよ。あ!? 言ってみろよ。あ!? “『G1(CLIMAX)』に落選した男・タイチ選手のもとにあります”って言えよ、テメェ。言えよ!」
スタッフ「『G1』に落選した男・タイチ選手のもとにNEVERのベルトはあります」
タイチ「(※ベルトを踏みつけ)そうだろう。どうすんだ、オラ!? どうすんだ!? 言ったよな? このベルト獲ったら、上層部のヤツら、新米社長(ハロルド・ジョージ・メイ社長)含め、俺んトコに頭下げに来いって言ったよな!? どこ行ったんだよ!? ああ! どこ行ったんだよ、テメェ!? そんなこったろうと思ったよ、どうせ(苦笑)。下のモンにはよ、強く出てか!? パワハラまがいのことしてよ、テメェのミスがあったとなると、“だんまり”でかくれんぼか!? そうだと思ったぜ、オメェらのやり口。どうすんだよ! “世紀の大誤審”証明されましたよ? どうすんだ、お前!? これでも俺が(『G1』)落選したのは普通だと言えるのかよ!? この結果と、ファンのあんだけの声、合わせて、それでも正当だったと言えるのか、お前!? なんだよ!? どうすんだ、この責任はよ!?(※と言いながら踏んでいるベルトをスタンドマイクの柄で何度も叩く) “第三者委員会”でも立ち上げるか!? そいつらに判断してもらうか!? いやいや、これでよ、気がはえぇけど、来年の『G1 CLIMAX』、メンバー選出、ハードル上がっちゃったね。もっとシビアになるぜ。客の目はよ、こういうことが起きてんだよ。史上初じゃねぇか!? (※記者たちにマイクを向けて)書いとけよ。『G1』に落選した男が次のシリーズでベルト戴冠。史上初だって。書いとけよ。な? 書けよ。デカデカと。こんなことあったかよ!? まあ、後藤はよ、好きにしろよ。好きなトコ行け。好きなだけ、好きなトコ行って、静かに残る余生暮らせ。もうわかったろ、これで? まあ、俺の横に来たいっつうんだったら、受け入れてもいいよ。俺はやさしいからな。そのかわり、モヒカンにサングラスに火炎放射器で試合しろ。“ザコA”だ(笑)。俺を“ザコ”呼ばわりしたお前は“ザコA”だ。それで…!? 誰か来たの!? 普通来るんじゃない!? こういうことになったらよ。こんなことされて。え!? こんなことされて(※と言いながらベルトを激しく踏みにじる)。『次は俺だ』って。ない!? 普通。(※記者たちに向かって)お前か!? 東スポ!? お前やるか!? (※と東京スポーツ岡本佑介記者に詰め寄ると、続いてほかの記者やカメラマンに対し)お前か!? お前か!? オイ、お前、そこのハゲ。お前か!? いらねぇってよ、誰も。『G1』に落選したようなヤツが獲るベルト、いらねぇってよ! (※手に持ったベルトを見て)じゃあ、これはいらねぇな、もう。いらねぇんだな。そうだな? 北海道がちょっと元気なくなっちまったからよ。持ち帰って、誰かにくれてやるよ。そんだけいらねぇんだったら。それでこのベルト終わりだよ。封印だよ。それでいっか? 俺は聖帝。どんなことがあっても、退かぬ。誰にも、何に対しても、媚びぬ。自らの行動をすべて、省みぬ。俺に逃走はない。さて、“聖帝十字陵”の完成が見えて来たな。フハハハハハハハ!」
※後藤はノーコメント