第3試合はジュース・ロビンソン(0勝2敗)がデビッド・フィンレーをパートナーに、内藤哲也(1勝1敗)&SANADA(1勝1敗)組と対決。内藤は英語実況席のロッキー・ロメロにツバを吐きかけ挑発してから入場。ジュースはIWGP USヘビー級のベルトを腰に巻いてリングイン。試合前、ジュースが左手のギブスで攻撃するのは反則扱いになる旨がアナウンスされる。
先発はジュースと内藤。場内は両者へのコールが乱れ飛ぶが、やや「内藤」コールが大きい。内藤はジュースの左腕をアームロックに捕らえるも、これはロープエスケープ。続くロープワークでは、ジュースがアームドホイップを連発。内藤も低空ドロップキックで反撃するが、ジュースはすばやい動きでかわす。
続いて内藤は手四つの体勢に誘うも、ジュースが応じようとするとスカしてSANADAにタッチ。ジュースもフィンレーにスイッチ。SANADAはヘッドロックに固め、そこからロープワークになると、フィンレーがリープフロッグからドロップキックを炸裂。続いてすばやい動きでロープに走るも、場外から内藤が妨害。怒ったフィンレーが背を見せると、SANADAが襲撃。内藤は場外でジュースの痛めている左手に攻撃を見舞う。さらに英語実況席の机にジュースの左手を固定し、そこめがけてエルボー。
リング上、SANADAはフィンレーを自軍コーナーに持ち込み、顔面をかきむしる。続いてL・I・Jタッグはダブルのヒップトスから、内藤がフィンレーをキャメルクラッチに固めたところに、SANADAが低空ドロップキック。
内藤はフィンレーにエルボー連発。だが、串刺し攻撃はフィンレーがエルボーで迎撃し、さらにランニングのエルボーアッパー。次はジュースが内藤にエルボーラリアット二連発。さらにランニングラリアットから、腕を上下に振り上げるとリズミカルにナックルパート。しかし、最後に逆水平チョップを叩き込もうとしたところを、内藤はツバ攻撃。
怒りのジュースは左ギブスで攻撃を仕掛けようとするも、これはレフェリーが阻止。そして内藤はヒップトスから、左手に低空ドロップキック。さらに左手をひねり上げていくも、これはフィンレーがカット。
SANADAはリング中央で悶絶するジュースを立ち上がらせると、左手をねじ上げる。だが、脱出したジュースは相手コーナーの内藤にエルボー。そしてコーナーにあったL・I・Jの帽子を叩きつけ、SANADAにスピンキック。しかし、SANADAはこれをかわしてバックドロップへ。これを着地したジュースは、スピンキック一閃、
スイッチしたフィンレーは串刺しエルボー連発。そしてセカンドロープから飛び込むも、SANADAはかわして、セカンドロープからトンボを切る。そして技の読み合いから、フィンレーが変形のバックブリーカー。続いてトレイン攻撃を狙うが、SANADAはフィンレーの攻撃をかわすと、ジュースに低空ドロップキック。内藤も追撃の低空ドロップキックをジュースの左腕に放つ。
リング上、SANADAがフィンレーにその場飛びムーンサルトプレス。だが、これはカウント2。するとSANADAはスタンディングのドラゴンスリーパーに捕らえるが、フィンレーは切り返してブレーンバスター。しかし、SANADAは着地し、フィンレーのバックを取って後方に回転し、スタンディングのドラゴンスリーパーで捕らえたままスイング。そのままSkull Endで締め上げて、SANADAがギブアップ勝ちを収めた。
試合後、内藤がフィンレーの左手をエプロンに固定し、エルボースタンプ。ジュースは悲鳴を上げて悶絶。そして勝ち名乗りを受けた内藤は不敵な笑みを浮かべ、ジュースを挑発し、悠然とリングをあとに。ジュースは悔しげな表情を浮かべて退場。
内藤「いやあ、随分、左腕が痛そうだね。リーグ戦だから狙われるのはしょうがないよ。よっぽど痛いんでしょう。我慢できないんだったらね、休めばいいんじゃない? もう何度も言っているけどさ、ジュース・ロビンソンが初めて新日本プロレスに来た時のタッグパートナーは俺だから。あの時、さんざん俺にいたぶられて、悔しい思いをしたからこそ、きっと今の彼があるんだよ。彼がんばってるじゃん。一番とは言わないけどさ、このリーグ戦の中で俺の楽しみな試合の中の一つであることは間違いないから。まあ結果はもう見えちゃってるけどさ。サプライズはないけど、せいぜい俺を、そして後楽園ホールのお客様、『新日本プロレスワールド』を通じて世界中のお客様を楽しませてください。そのうえで……(しばらく沈黙)……なんだろうな? 出てこなくなっちゃった。それくらい余裕だよ。じゃあ、皆様、また明日、後楽園ホールでお会いしましょう。アディオス!」
※SANADAはノーコメント
フィンレー「手は大丈夫か? 折れてないか?」
ジュース「うーん、どうかな? そうかもな、分かんないけど。『G1 CLIMAX』なんか大っ嫌いだよ! 試合に出るたびにこんなに痛めつけられて、何が何だか分かんない。何が起きるか分からないのは当然なんだけど、今日も俺たちは残念ながら負けてしまった。俺は毎試合、この(IWGP USヘビー級)ベルトの防衛戦だと思って戦ってるけど、今、0勝2敗だ。もちろん、飯伏幸太が俺より強くて、最高のプロレスラーだということは分かっていたけど、残念だ。明日は内藤との対戦だ。あの、クールでカッコいい、スターダスト・ジーニアスの内藤だ。でも今日、彼がやったことを見たか? 彼は賢い男だから、明日は俺との試合を手っ取り早く終わらせようとしてくるだろう。実は昨日、この手を医者に診てもらったんだ。70%ぐらいは治ってきているが、人をパンチしたり、踏まれたり、サブミッションをやられたりは一切やっちゃいけないと言われたんだ。でも、そんなことを聞いてられるか! ここはニュージャパンなんだよ! 人の言うことを聞いててやっていけるわけがない。だから俺は、70%の腕でも戦わなきゃいけないんだ。内藤がどういう試合をしてくるか分からないが、俺との試合の後にも6試合あるから、俺にはどんな小ずるい手を使ってでも勝ちに来ると思う。このベルトを勝ち獲ったら、俺は王様のような気分になれるはずだったのに、今は自分が負け犬になったような気分なんだ(※と、先に控室へ)」
フィンレー「ジュースは負け犬なんかじゃないよ。もし今、新日本の選手の中で光ってる選手がいるとすれば、それはジュースなんだ。今日は残念ながら自分が負けてしまったので、彼が落ち込んでいる要因の一つは自分にあるかもしれない。それはすごく申し訳ないと思う。俺は、やるべきことをやらなくてはならない。やるべきことと言えば、Cブロックだ。今日みたいなタッグマッチだろうが、シングルマッチだろうが、俺にとってはどれも真剣に向き合うべき大事な試合だ。ヘナーレに対して何ができるか、どういう試合ができるか。もちろんCブロックで勝ちたい。でも、SANADAやタンガ・ロアを越えた選手に俺はやられてばっかりだ。『G1 CLIMAX』はあと14大会ある。その中には日本武道館での大会も3つある。武道館で俺は何ができるか、何を見せられるか。そして俺自身、Cブロックのチャンピオンになりたい」