第9試合のBブロック公式戦はケニー・オメガ(5勝0敗)とザック・セイバーJr. (3勝2敗)が対峙。両者は過去に一度、イギリスマットで対戦し、そのときはケニーが勝利。日本では初シングルとなる。
ザックとともに入場したTAKAみちのくは、マイクを握ると「『G1 CLIMAX』Bブロック公式戦、ザック・セイバーJr.vsケニー・オメガ。勝つのは、誰ですかーー!? 『G1 CLIMAX』、優勝するのは誰ですかーー!? 『G1 CLIMAX 2018』、優勝するのは、いつ何時、どんな体勢でも関節技・サブミッションホールドが極められるこの男。今シリーズ、一撃必殺ザックドライバーを公開したこの男。ザックの技が決まれば、誰が相手でもジャスト! タップ! アウト! ザックの勝利あるのみ。ヒー・イズ! プロレスリングマスター。ヒー・イズ! ZSJ。ヒー・イ~ズ! ザック! セイバ~~~! Jr.~~~!!(場内拍手)。IWGPヘビー級チャンピオン、ケニー・オメガ、ここまで全勝らしいが、それも今日までだ。このザックが、オマエを止める。 カモン! オーバー・ヒア!」とアピールし、ケニーを呼び込む。ケニーはIWGPヘビーのベルトを巻いて堂々入場。
開始のゴング、両者はグラウンド状態に入ると、めまぐるしい関節の取り合いを展開。ザックが腕ひしぎ逆十字を仕掛けると、ケニーは高々と持ち上げ、両者は一旦距離を取る。続いてザックがヘッドロックで固めるが、ケニーはロープワークの展開に持ち込む。だが、リープフロッグで飛んだ足を、ザックが捕獲。そして弓矢固めに持ち込む。しかし、すばやくかわしたケニーはVトリガー。ザックもかわし、ボディにヘッドバット。
負けじとケニーもフロントキック、スライディングキックでザックを場外に落とす。ケニーは空中技を狙うが、ザックは場外からケニーの右足を捕獲しアンクルホールド。さらにケニーの右足を狙うも、ケニーは蹴り飛ばしてザックを鉄柵の外へ。そしてケニーは鉄柵にうしろ向きで飛び乗り、ラ・ケブラーダを炸裂。
しかし、ザックはスキをついてケニーの左腕を捕獲。ケニーはハンマーパンチで切り抜け、ザックを鉄柵に叩きつける。さらに花道でボディスラムを見舞おうとするが、ザックはアンクルホールドに切り返し、続いて逆片エビ固め、STFと関節技で翻弄。そしてリングに戻る。
ケニーがリングに戻ると、ザックはリバースパイパーホールド。そして両足でケニーの右ヒザを固め、一気にツイスト。続いてローを見舞ってからエルボーアッパー。ケニーもエルボーを返すが、ザックは右ロー。ハイキックはかわされるも、水面蹴りのようなキックでケニーをダウンさせる。
ザックは串刺し攻撃を狙うも、ケニーはエルボーで迎撃。そしてコタロークラッシャーを決め、ザックをロープに飛ばそうとする。こらえたザックは、ケニーの左腕にオーバーヘッドキック。だが、ケニーもカウンターのフランケンシュタイナーで迎撃。
ここからケニーはカミカゼのモーションに入るも、ザックはしがみついてスリーパー。そのままザックはうしろにさがって、ザックをコーナーにたたきつける。そして意地でカミカゼを決めると、一瞬ヒザの痛みを気にしてからムーンサルトを決めるも、ザックは三角絞めで捕獲。ケニーはあわててロープエスケープ。
ザックは串刺しエルボー。ケニーはかわすとロープに飛んでトルネードDDT。場外に逃げたザックに対し、今度はトルニージョを敢行。ケニーはザックをリングに戻し、トップコーナーへ。だが、ザックはコーナー上のケニーをアームロックに捕らえる。
ケニーは力づくでザックをリングに落とすとフライングクロスボディ。だが、ザックはその勢いを利用して切り返し、右腕を捕獲。しかし、ケニーは力尽くのジャーマンで投げ捨てる。
ケニーは右腕を気にしつつ、ザックに蒼い衝動。そしてピストルポーズを見せるが、ザックはその右腕を捕らえ三角絞め。しかし、ケニーはパワーボムで切り返してVトリガーをヒット。そして片翼の天使の体勢に入るが、ザックは前方回転しながら腕ひしぎ逆十字へ。
だが、ケニーは腕が伸びた勢いを利用してうまく切り抜け、高速のドラゴンスープレックス。そして片翼の天使をもう一度仕掛けるが、こらえたザックはヨーロピアンクラッチ。ケニーはカウントを返すとVトリガーを放つも、ザックは足をキャッチして逆片エビ固め。そしてヒールホールドに持ち込み、さらにケニーの右腕も捕らえると同時に、両足でケニーの頭部も挟む複合関節技へ。
ケニーは必死で逃げようとするが、ザックは右足を離さない。ケニーが立ち上がってロープをつかむと、ザックはジャーマンへ。そして胸板にサッカーボールキックを決め、ヒザ固めからオリエンテーリング・ウィズ・ナパーム・デスへ。体勢が崩れると、ザックは変形のカーフキラーに移行するが、ケニーはどうにかロープへ。
ザックはサッカーボールキックを繰り出すも、ケニーもチョップで反撃。しかし、ザックも打撃を返し、ザックドライバーの体勢へ。ケニーは切り抜けてフルネルソンに捕らえるも、ザックはバックエルボー。だが、ケニーは逆さ押さえ込みの要領で回転させるとニーを発射。これをザックはディフェンスするも、ケニーはもう一度発射。そしてラ・マヒストラルへ。一度はザックにキックアウトされるが、すかさずケニーは十字架固めを決め、執念で3カウントを奪取。
試合後、ザックは鉄柵を蹴り飛ばすと、さらにテーブルをひっくり返し荒れながら退場。全勝を守ったケニーはベルトを掲げて花道をあとに。
ケニー「ああ、ほとんどの人が、俺に負けてほしいと思ったんじゃないか? このまま俺が勝つと(優勝争いが)面白くないからね。まぁ、オレの友達と家族以外のみんなは、そう願っただろう。ロッカールームのみんなも、そうかもしれない。だけど、この結果だ。このまま無敗で走り続ける。全勝優勝はこの俺、ケニーしかできないのさ。そして、100パーセントの確率でそれを成し遂げると、この場で伝えておこう。この1年を振り返ると何度か負けているけど、ここでは100パーセントの自信をもって宣言しておく。それを80パーセントにダウンさせることができるのは、最後にブドーカンで対戦が待っているイブシだけだ。あくまでその可能性があるというだけだけどね。それも今日勝たないとダメだけど。とりあえず今日、彼が負けたザック・セイバーJr.戦を乗り越えた。みんなに声を大にしてこれだけは伝えておこう。ザック・セイバーJr.はプロレス界において、ある部分においては突出したレスラーだ。だけどその彼を、ハイフライヤーである俺は破った。確かに厳しい闘いを強いられた。ザックにいいように扱われた。だけど、それも今では過ぎ去ったことになった。これで無敗のままで12点。(※そのまま引き揚げかけるが)あ、忘れてた。(※と言って戻って来て)グッバイ&グッナイト、Bang」
ザック「(※コメントスペースにたどり着くなり、フロアにうつ伏せに寝ころび顔を伏せる。代わってTAKAが言葉を発する)」
TAKA「オイ、完全によ、追い込んでたよな。チャンピオンがあそこまで追い込まれた試合あったか? なんだ最後、チャンピオン、丸め込みか? まさかあんなことするとは思わなかったよ、チャンピオン。そこまで追い込まれたか、チャンピオン? オイ、見たヤツはわかるよな、今日? 五分……いや五分じゃねぇ。ザックの方がはるかに上回ってたよ。次があればよ、怖ぇぞ」
※TAKAがコメントしている間、ザックは何度か顔を上げるも言葉を発せず。ないか言いたそうに、TAKAの明日はを両手でつかむが、言葉は出てこない。軽く首を横に振って起き上がり、ノーコメントのまま控室へ。
TAKA「(※ザックを負うように引き揚げていく途中で言葉を漏らすように)あと3つ。全部勝てばな、なんとかなるよな? まだ終わってねえよな?」