LOS INGOBERNABLES de JAPONのヒロムと、BULLET CLUBの石森が激突『BEST OF THE SUPER Jr.25』優勝決定戦。ヒロムはBブロック、石森はAブロックを1位で通過。どちらが勝っても今回が初優勝となる。
序盤、ヒロムがドロップキックで石森を場外へ落とし、ロープへ走る。しかし、石森が素早くリングへ戻り、ヘッドシザースホイップで挽回。
それでもヒロムはトップロープ越えのカナディアンデストロイヤーを仕掛けるが、石森が抵抗し、バク宙で場外へ着地。そこから両者がエルボーを打ち合い、そのまま南側の客席へ突入。そして、ヒロムが顔面かきむしりから距離を取り、通路を約15メートル疾走してドロップキックをお見舞い。
続いてヒロムはパワーボムの体勢に入るが、石森がヘッドシザースホイップに切り返す。これでヒロムは勢いよく階段を転がり、1階まで落ちてしまう。
これで石森のペースとなり、ネックツイスト、イス攻撃、延髄斬り、スライディング式ジャーマンスープレックスホイップなどで攻め立てる。
さらに石森はスリーパーホールドで絞め上げるが、ヒロムが次のスワンダイブ攻撃を妨害。そして、トップロープ越えのカナディアンデストロイヤーで叩きつけ、石森に大ダメージを負わせる。
リングへ戻り、ヒロムが串刺しラリアット、低空ドロップキック、逆水平チョップなどで石森に追撃。さらに、タランチュラ式首4の字固めで絞め上げる。
続いてヒロムは石森をフェースバスターで場外マットへ叩きつけ、エプロンからミサイルキックをお見舞い。そして、リング上ではダイビングセントーンで石森をなぎ倒す。それでも石森はハンドスプリング攻撃を繰り出すが、ヒロムが背後からラリアットを食らわせる。
続いてヒロムはファイヤーマンズキャリーで担ぐが、石森が前方回転エビ固めに切り返す。これはヒロムがキックアウトするが、直後に石森がYes Lockを極めてロープエスケープさせる。
それでもヒロムはエルボー連打からロープへ走るが、石森がラリアットをかわし、旋回式でYes Lockを極める。そして、ブレイク前にポジションを変えてさらに絞り上げるが、ヒロムは辛うじてロープへ足を伸ばす。
そこから石森が串刺しジャンピングニーアタックを繰り出すと、ヒロムが回避して串刺しラリアットに行く。それを石森がさらにかわして串刺しニーアタックを狙い、ヒロムのカウンターフロントスープレックスを読んでコーナーへ飛び乗る。
その直後、ヒロムがジャーマンスープレックスで投げると、石森はバク宙で着地。そこから突進して行くが、ヒロムが今度こそカウンターフロントスープレックスでニュートラルコーナーへ叩きつける。
続いてヒロムは、ランニングラリアットで石森に追撃し、ダイナマイトプランジャーからフォールするが、カウントは2。
その後、ヒロムが串刺しラリアットから雪崩式カサドーラを敢行するが、これも石森が3カウントを免れる。
するとヒロムは、デスバレーボムの形で石森をニュートラルコーナーで激突させる。そして、ファイヤーマンズキャリーで担ぐが、石森が脱出し、直後のトラースキックをかわす。
しかしヒロムは、石森のジャンピングニーアタックをブロックし、トラースキックをお見舞い。その直後、石森がフロントハイキックで巻き返し、リバースフランケンシュタイナーでヒロムを叩きつける。ところが、ヒロムもすぐに立ち上がり、リバースフランケンシュタイナーをお返し。
ダブルダウンを挟み、両者が激しいエルボー合戦を展開。1度はひざまずいたヒロムが左右のエルボーを連打すると、石森がショートレンジジャンピングニーアタックを食らわせ、カウンターラリアットで吹き飛ばす。
さらに石森は、ランニング低空ドロップキックでヒロムをニュートラルコーナーに吹き飛ばし、串刺し低空ダブルニーアタック、サイファーウタキで追撃。そして、ピストルサインを突きつけてブラディクロスを仕掛けるが、ヒロムがアームホイップに切り返し、Dを繰り出す。これを石森が受け止めてパワーボムに切り返すが、ヒロムがクラッチを離さずに三角絞めで絞る。これはガッチリ極まっていたが、石森がその体勢からヒロムを持ち上げ、青コーナーに叩きつけて脱出。
その後、石森が串刺しラリアット、チョークスラムで挽回。そして、コーナー最上段からファイヤーバードスプラッシュを敢行するが、ヒロムが両膝を立ててブロック。
その直後、ヒロムは再びDを繰り出すが、石森が辛うじて脱出。するとヒロムはDの悪夢でから三角絞めを極めるが、石森はロープエスケープ。
続いてヒロムがTIME BOMBを仕掛けると、石森が抵抗してブラディクロスを狙う。しかし、ヒロムが石森を持ち上げ、デスバレーボムの体勢で青コーナーへ叩きつける。そして、今度こそTIME BOMBを炸裂させ、ついに石森から3カウントを奪取。『SUPER Jr.』初優勝を飾った。
ヒロム「(※トロフィーを持って用意されたイスに座りながら)内藤、帰ったのか、あの野郎! (※壊れたトロフィーを元に戻そうとしながら)オイオイオイオイ、オイオイオイ。聞いてよ。あの、内藤哲也という男は、俺のトロフィーを奪い、そして壊れたことに気づき、俺に耳元で『ゴメン、ちょっと壊れた』と俺に渡してきた! 俺はパニックになった。どうしたらいいんだと。だったら、ちょっと笑いに走るしかねぇだろ! (※トロフィーに語りかけるように)ゴメンよ、ゴメンよ、全然悪気はないんだ。俺が責任持って直すから。ゴメンよ。
(※イスに反り返って天を仰ぎ)それにしても……うれしい……。うれしかった……。俺は不器用だよ。何をやっても、不器用だ。そんなことは、分かってるよ。分かってるよ。でも、そんなヤツでも心の底からプロレス楽しめるんだよ。リングの上で、あり得ない力を発揮するんだよ! そう、(※手首のテーピングに書かれた「夢」の文字を示しながら)夢のためにな。俺は怖いもん知らずだ。それが唯一の取り柄。そんな俺がこの『BEST OF THE SUPER Jr』の栄光を掴んだんだ。うれしいよ。リング上でも言ったけど、俺は、『BEST OF THE SUPER Jr』を挑戦者決定リーグ戦にはしたくない。そんなことは分かってる。俺がずーっと言ってきたことだ。だから、ゴメン。今年、何回も、オスプレイに挑んでる。だけどもう一度、挑ませてくれ。ウィル・オスプレイ、オマエは世界最強のジュニアだ。でも俺も、たった今、世界最強のジュニアになった。世界最強同士、どっちが本当の世界最強なのか、決着つけようぜ。なぁ、オスプレイ。(※報道陣に)何かあるか? こんなに集まってくれて、何もないわけないよね?」
──歴史に残る壮絶な決勝戦をやった手応えは?
ヒロム「手応え!? ガムシャラだよ! ガムシャラだよ! 相手はさ、誰でも、ガムシャラにやったよ。とりあえず、この『BEST OF THE SUPER Jr』公式戦、一戦一戦が、まさにタイトルマッチだよ。ほとんど20分越えたんじゃないの? 死闘だったよ」
──今年の『BEST OF THE SUPER Jr』は獣神サンダー・ライガー選手がエントリーしませんでした。まさに新時代かと思いますが。
ヒロム「だからこそ取りたかったよね。あの人がいない今、“元”新日本プロレスのジュニアの象徴の獣神サンダー・ライガーがいない今、象徴になるのは、この俺だ。新日本プロレスのジュニア、いや、新日本プロレスの新しい象徴が、この高橋ヒロムだ、間違いない」
──左手に「夢」と書かれてますが、その大きな夢に近づくためには、大阪で大きな戦いが待っています。
ヒロム「別にコレ、俺が書いたんじゃねぇけどな。朝起きたら勝手に書かれてたんだ。まぁこれに関してはさ、俺の、ここ(※と、胸を叩く)、ここが出ちゃうんだと思うよ」
──そして、大阪での大きな戦いが待ってます。
ヒロム「まだ考えらんないよ。まだ考えらんないけど、さっきも言った通り、世界最強のジュニアはどっちか、大阪城で決めようよ。それだけだよ」
──なかなかトロフィーが直りませんが、大丈夫でしょうか。
ヒロム「コレは俺が何とかするよ。肌身離さず、来年の『BEST OF THE SUPER Jr』まで、俺、この子と一緒に入場するから。誰も、誰一人として(※外れていた部品がハマる)ほーらほらほら。今年の『BEST OF THE SUPER Jr』を忘れさせないように、俺が、来年の『BEST OF THE SUPER Jr』まで、この子と一緒に入場して、仲良しになるよ。今はちょっと険悪なムードだからさ、何とかするよ、持ち帰って。以上かな。
(※急に顔を上げ、天に向かって)おーい! 聞こえるか? 2019年の高橋ヒロム! オマエも知ってると思うけど、2018年の『BEST OF THE SUPER Jr』は、メチャクチャ、史上最高に、盛り上がったぞ! なぁ! 2019年の高橋ヒロム! 必ず、越えてみろ! (※横の壁に額をつけて)後楽園ホールさん、いつも、いつもありがとうね。いつもありがとう~。分かってる、わかってるよ。ありがとうね。
(※立ち去ろうとしながら)……最後に一つだけ。知ってるぞ。この会場で、アナタが、アナタが見てたこと、知ってるぞ。イニシャル“K”!」
石森「負けたか……。負けたよ。今日のところはあいつが一番だ。でもな、でも、でも、まだまだまだまだ全部出しきれてねえだろ? なあ? 俺とお前はまだまだこんなもんじゃねえぞ。お前が言うさ、苦しくて、つらくて、でもおもしろい。(段々大声で)もっと! もっと! もっと! もっと! 限界を超えた闘いしようじゃねえかよ。ヒロム! これからも楽しもうぜ! It’s reborn!」
オスプレイ「石森が優勝していたら、未知の相手だったから分からなかったかもしれないが、次の相手もヒロムということになったから、これは俺にとっては楽かもしれない。本来ならば、レイ・ミステリオとやりたかった。『DOMINION』の前に、新日本のファンには謝っておこう。でも、ヒロムはジュニアヘビー級を背負って立つ選手にはなれないだろう。なぜなら、それは俺だからだ」