共に勝ち点6同士でAブロックの首位を走るタイガーとオスプレイの公式戦。石森と共にトップへ抜け出すのはどちらか?
序盤はオスプレイのエルボー攻撃が冴え、このペースで進むかと思われたが、タイガーもすぐさまカウンターで捕まえるとツームストンパイルドライバー。この一撃が思いのほかオスプレイにダメージを与える。オスプレイはカウント19でやっとのことでリングに戻ってきた。
リングに戻ってからもタイガーの強烈な打撃技がオスプレイを襲う。タイガーは容赦なくオスプレイの首にキックを見舞い、ストンピング攻撃だ。オスプレイもエルボーで反撃に出るものの、走ろうとするとうずくまるほどダメージが大きそうだ。
しかしオスプレイは気力でハンドスプリング式のレッグラリアットを決めて、今度こそ本当の反撃開始。トップロープ超えの619も決めると、リバースブラディサンデーの体勢に。しかし、タイガーは冷静に下からオスプレイの首を蹴り上げて阻止。コーナーに上げて、リバースフルネルソンに捕獲する。雪崩式ダブルアームスープレックスを放つつもりだ。
だが、オスプレイはタイガーをコーナーから叩き落としてこれを阻止。さらにサマーソルトキックからリバースブラディサンデーも決めてみせる。そして、タイガーをフルネルソンに捕まえたオスプレイ。タイガーもそうはさせじと技を決めさせない。結局、お互いに蹴りを打ち合い、ダブルダウン状態となったのだった。
ここからタイガーとオスプレイはエルボー合戦。気合いが乗ってきたオスプレイはテーピングを外し、エルボーパットも外すと強烈なエルボーをぶち込んで見せる。そしてロビンソンスペシャルから、オスカッターを放ったオスプレイ。しかし、タイガーはこれを読んでおりオスプレイの右腕をキャッチ。そのまま変形の腕固めで締め上げる。これが逃げられると、すかさずタイガードライバー。そして、再びオスプレイをコーナーに上げて、雪崩式のダブルアームスープレックスだ。
しかし、この大技を食らってもオスプレイは3カウントを許さない。タイガーのツームストンパイルドライバーを体勢を入れ替えて防ぐと、逆にカナディアンの体勢でタイガーを持ち上げる。そして、必殺のストームブレイカー! さすがのタイガーもこれは返せず。オスプレイが3カウントを奪い、石森に並ぶ勝ち点8で首位を守った。
試合後、勝利したものの、首のダメージでなかなか起き上がれないオスプレイに手を差し伸べて立ち上がらせたタイガー。ノーサイドでオスプレイと握手をかわして引き上げていったのだった。
オスプレイ「(※首を押さえながら)ここで負けていたら、俺の『BEST OF THE SUPER Jr.』は終わっていた。去年、(獣神サンダー・)ライガーと闘った後、彼は自分にジュニアを託してくれた。ジュニアヘビー級を、もっと高いレベルに持っていってくれとね。だからこそ今日、タイガーマスクを全身で感じた。単に公式戦というだけでなく、俺にとってはライガーから受け取った言葉がウソではないということをみんなにお見せする闘いだった。彼は遠慮なく俺を蹴ってきたし、弱点を攻めてきた。うまくストームブレイカーが決まったからよかったものの、どうなるかわからない闘いだった。死んでしまうんじゃないかっていう思いが頭をよぎったほどだ。あそこで決まっていなかったら、また違った結果になっていただろうし、本当にラッキーだったとしか言いようがない闘いだった。俺がタイガーマスクに勝ったんじゃない。ストームブレイカーが俺を勝たせてくれた。本当に“死闘”といっていい闘いだった。タイガーマスクにもストームブレイカーが通用したことは自信になった。だけど、これで逆に負けられなくなったのも確かだ。公式戦はもう1試合残っている。そこも乗り越えてこそ、今日、タイガーマスクに勝った意味が出てくる。とりあえず、今はドクターの診断を仰がないと。首のケガが悪化してないことを祈るよ。じゃあ、これぐらいで……」
タイガー「もちろん『SUPER Jr.』というこのリーグ戦で星を落としたのは、ものすごく悔しいですけど、オスプレイと、まあ彼はね、首が本調子じゃなかったようなんだけど、僕はもう、そんな上から目線でもないから、やはり彼らの、どの選手(が相手)でもそうだけど、やはり弱点を狙っていかなきゃ、僕に勝ち目はない(苦笑)。もちろん、狙いたくなかったんだけどね、彼もあれだけ痛めてながらも、まだまだああいう技を持ってるし、動きも素晴らしいし、やはり今の新日本プロレスを代表するIWGPのジュニアのチャンピオンかなと、改めて思ったし……。まあ、違う意味でいえば嬉しかったかな。ああいう選手と(シングルマッチが)できて。どうだろ、まだ(最前線の選手が相手でも)できるんじゃないかなっていう気がしませんでした? 俺は自分でやってて思ったです。まだまだ、こいつらに入っていけるなと思ったし、今日、確信できたってところかな。試合は負けてしまったけど、まだまだ彼らと十分に、互角にできるなって、そう思いました。やはり『SUPER Jr.』に17年連続で出させていただいてて、ただ出てるだけじゃなく、何か残さなきゃいけないし、残すにはこのIWGPジュニアヘビー級チャンピオンとやって何かを残さなきゃいけない。ファンの中でも『今日は、負けたけど、タイガー、オスプレイと(互角に)できるじゃん』と思ってくれたと思うし。まあ、でも、僕はそういうのに慢心しないで、また明日から練習して、最後の(公式戦)一戦、ACH……3連勝で来て3連敗しちゃったけどね。僕にとって、もう星は関係ない。毎日、言ってますけどね。強い者が最後に勝てばいいんだ。それだけ」
――最後、あああいう形で返されるとは思わなかったんじゃないですか?
タイガー「思ってなかったなあ……。やっぱりその、彼の中でもたぶん……もちろん、彼は別かもしれないけど、やっぱり初代タイガーマスク対ダイナマイト・キッドっていう部分、日本対イギリスっていう部分で、彼はそう見てる可能性もあったと思うけど。彼もよく、『タイガーとやる時は……』って(言ってることを)周りから聞いてたからね。でも、なかなか(シングルマッチを)やるチャンスはなかったんだけど。でも、そういう部分では、僕もやってて楽しいし、ある意味、ダイナマイト・キッドっていうのは、ああいうパワーファイターだったのかなと思うしね、あんだけ細くてもね。次、またやりたいですね。別の違う意味でね。また頑張ります」