棚橋とジェイが激突するIWGP IC戦。第16代王者の棚橋は、11月5日大阪大会で飯伏を下して3度目の防衛に成功。しかし、そこに“スイッチブレード”と化したジェイが現れ、いきなりブレードランナーで棚橋をKO。さらには、12月18日後楽園ホールでも棚橋を襲撃し、またもやブレードランナーでKOしている。
序盤、棚橋がカウンターフライングフォーアームで先制し、エルボーでジェイを場外へ落とす。そして、直後にプランチャを繰り出すが、ジェイにかわされて右膝を痛めてしまう。
すかさずジェイが鉄柵やエプロンを悪用して棚橋の右膝を攻め、リングへ戻っても膝攻撃を続行。グラウンドドラゴンスクリューを連発して棚橋を悶絶させると、インディアンデスロックで絞り上げる。
しかし棚橋は、ドラゴンスクリューで逆襲。さらに、エルボー&太陽ブロー連射、河津落とし、ボディスラム、ダイビングサンセットフリップで追い討ちをかける。
その後、棚橋がジェイの右脚をセカンドロープへかけ、左脚を取ってドラゴンスクリュー。そして、セカンドロープ越しのドラゴンスクリューで場外へ追い込み、コーナー最上段からボディアタック式ハイフライフローを食らわせる。
だが、リングへ戻ったジェイがカウンター逆水平チョップで反撃し、ブッコ抜きジャーマンスープレックスホイップで追撃。ここから場外戦となり、ジェイがブレーンバスターの体勢で棚橋の脳天をエプロンへ突き刺す。
続いてジェイは棚橋をリングへ押し込み、コーナー最上段で両腕を広げてアピール。そして、そのままリング内へ降りると、ニュートラルコーナー下でうずくまる棚橋に逆水平チョップ、膝蹴りを食らわせる。
すると棚橋は、強烈な張り手で報復し、さらにもう1発張り手を食らわせる。だが、ジェイが変型ダブルアームスープレックスでニュートラルコーナーに激突させ、バックドロップ、デスバレーボムで追撃。
次にジェイはコーナー最上段からミサイルキックを放つが、棚橋が回避し、グラウンドドラゴンスクリューをお返し。そして、ネックスクリューで追い討ちをかけ、コーナーへのぼる。それをジェイが追いかけて雪崩式攻撃を仕掛けるが、棚橋が抵抗し、雪崩式ツイスト&シャウトを敢行。
その後、棚橋が張り手2連発を浴びせると、ジェイはハーフネルソンスープレックスで逆襲。しかし棚橋は、すぐさまスリングブレイドで挽回。そして、ハンマースルーを切り返し、その場飛びスリングブレイドに繋ぐ。
次に棚橋は、ボディアタック式ハイフライフローでジェイをなぎ倒す。そして、(正調)ハイフライフローを繰り出すも、かわされて膝を痛打してしまう。
ここでジェイが棚橋の顔面にエルボースタンプを連発し、変型エメラルドフロウジョンで追撃。そして、ブレードランナーの体勢に入るが、棚橋が脱出してドラゴンスープレックスホールド。
続いて棚橋はコーナーへのぼり、立ち上がったジェイに張り手を見舞う。そして、背後からボディアタック式ハイフライフローを食らわせると、今度こそ(正調)ハイフライフローでジェイにとどめを刺した。
ブシモ 5th ANNIVERSARY WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム
- 日時
- 2018年1月4日(木) 15:30開場 17:00開始
- 会場
- 東京・東京ドーム
- 観衆
- 34,995人
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第7試合 60分1本勝負
IWGPインターコンチネンタル選手権試合<第16代チャンピオン>
<チャレンジャー>
※棚橋が4度目の防衛に成功レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
COMMENT
──4度目の防衛おめでとうございます。今回、エースとしての強さ、意地を見せる戦いになったかと思いますが、振り返っていかがでしょうか。
棚橋「もっと簡単に勝たないといけない。けどそれができなかった。昨日会見で言った通り、やはりジェイの輝かしい未来は待ってるはず。ただ、それは今じゃないってこと。俺がいるから」
──未知数だったジェイ・ホワイト選手と戦ってみていかがでしたか?
棚橋「まだ粗いね。粗いし若い。ただ、今日の勝ち方じゃあ大きなことは言えない。ただ、久しぶりにドームで勝った。今日はうれしい気持ちで帰れます」
──勝利した時の歓声はどのように聞こえましたか?
棚橋「レスラーでも、そうでなくても、期待っていうものは長く続かないんだと思います。結果を出し続けていかないといけない。2016年、メインイベント。2017年、セミファイナル。そして今日は第7試合。確実に、一つずつ試合順を下げてる。原因は分かってますから。原因は分かってる。体調を万全にして、皆が喜ぶような試合をすれば、自ずと試合順も上がるし、またもう一度俺に風が吹くから」
──今日はヒザの状態はいかがでしたか?
棚橋「(※ひと息ついて)大丈夫です。再発の可能性はいつでもあるよと言われてますし、今日1日だけでもいいからもってくれと、そういう気持ちで試合しました」
──今回4度目の防衛に成功し、また一つインターコンチのベルトの価値が上がったのではないかと思うんですが、いい意味でファンのみなさんは棚橋選手に期待していると思います。2018年をどんな年にしたいと思いますか?
棚橋「映画があるんですよ、2018年公開の。『パパはわるものチャンピオン』っていう。僕の娘が中2になって、息子が小6になって、父親の仕事を理解できる年齢になったので、今日はしっかりと『パパはいいものチャンピオン』っていうところを見せれました。よかったです」
──ファンのみなさんには、この1年、どんな姿を見せていきたいですか?
棚橋「棚橋ファンのみなさんは辛抱強い。そしていつでも応援してくれる、本当にありがたい存在。そしてね、今日はここ何年かで最高の動員。花道のゲートを潜って入ってきて、本当に感動しました」
──どんな光景に見えましたか?
棚橋「皆がプロレスを楽しんでくれることが、一番うれしいです」
──昨年の1月5日にNEVER6人タッグのベルトを獲ってから始まったこの1年でしたが、やっぱり棚橋選手のところにベルトは戻ってますね。
棚橋「いや、すげぇね、冷静な口調で語ってますけど、試合順っていうのはレスラーにとってものすごく大切なものなので、一つでも上の試合で組まれるように、これからやっていきます」
──「真ん中に戻る」というのは、再びメインに戻るということ?
棚橋「そうですね、ニアイコールです。話題の中心になりたい。ぶっちゃけ言うと、チヤホヤされたい(笑)」
──今からクリス・ジェリコ選手の試合が始まりますが、ジェリコ選手からは棚橋選手の名前も出ています。興味は?
棚橋「ケニーVSジェリコ、すごく興味があるので、今から急いで見ます」
──ヒザの状態が悪い中であれだけ飛べたのは?
棚橋「トレーナーの先生のおかげもあるし、治療していただいた方のおかげもあるし……覚悟ですかね」
──どん底時代の棚橋頼みから始まって、今日はこれだけの観客が集まりました。これまでの10数年を振り返ると、どんな思いですか?
棚橋「(※両手で顔を覆って)くやしいーッ! くやしいーッ! 俺がメインの時にはこれだけ呼べなかったんでね。『悔しい』しか言葉がないです。俺も4万人集めたいです」
──またメインに返り咲けば、その夢も叶うのではないかと思いますが。
棚橋「原因は分かってますから。俺自身にありますから」
──やっぱり白い色のベルトでは違和感があったりしますか?
棚橋「(※口に指を当てて)シーッ! アイ・ラブ・インターコンチ(※と、ベルトを抱きしめる) かわいいヤツですよ」
※脇腹を押さえ、ゆっくりとインタビュールームにやってきた。テーブルの前まで来ると、手にしていたペットボトルを投げ捨てて席に着く。そしてゆっくりと語りかけるようにコメントを出し始めた.
ジェイ「残念ながら、自分が思っていた通りには事は運ばなかった。それを問題というのか、美しい試合だったというのか、それはわからない。この混沌のなかで闘っているその時の中で自分自身の身を置くと、どういうことが行われているか自分の中でわからない時もある。しかしタナハシ、お前の中で恐れというものはさらに増したのじゃないかな? 80パーセントほどは計画通りにことは運んだ。タナハシ、おまえは自分自身がまだエースであるということを見せられるのかな? 今日は見せられてなかったのかもしれない。でも、以前のように髪をしっかりとセットして戻ってきて、今日はなかなかかわいいルックスだったと思うよ(不敵な笑み)。自分自身は幻の中にいるわけではない。でも今ここにいる自分は、まだベルトも負ければ、リングの中で大きく手を上げることもなく、自分自身の時間を感じることができないままリングを下りてしまった。残念ながらベルトはまだ、お前の下にある。自分はどこにもいかないし、ここに残ってシンニホンをいつか自分のものにしてみせる。それまでタナハシ、お前は体にせいぜい気をつけて、自分がまた再戦する時のことを考えて待っていてほしい。その時にもし、お前の下にベルトがなかったとしても、俺はまた必ずお前にリベンジする。そしてこの新日本プロレスを自分のものにしよう。今は残念ながら『タナ、おめでとう』と言わなければいけない。しかし自分はどんなに道筋から外れようと、自分は必ず戻って来る。明日は『NEW YEAR DASH』。なにが行われるかわからないけど、自分はそこで何か見せたいと思う。そして自分はSWITCH BLADEであり続ける」