Aブロック公式戦、3勝3敗と五分の星まで戻した棚橋と、4勝2敗と白星先行の丸藤が激突。

 

　開始のゴング、場内は両者へのコールが交錯する。ロックアップで組み合うと、棚橋は丸藤をロープまで押し込んで、離れ際に張り手を繰り出す。しかし、丸藤はこれをかわすと、トラースキックを放つが、棚橋も回避。続いてバックの取り合いから、丸藤が足を絡めてグラウンドに持ち込む。
　スタンドに戻ると棚橋はヘッドロック。そこからロープワークの展開を経て、コーナー際の攻防へ。ここで棚橋は場外に降りると、リング上の丸藤の右足をうしろから捕らえてダウンさせ、そのまま右足をコーナーに叩きつける。
　そして、棚橋はリングに戻ると、丸藤の右足をレッグロック。続いて両腕で右足を持ち上げ、マットに叩きつけてダメージを与えていく。さらに棚橋はリバースインディアンデスロックのかたちで、丸藤の右足を徹底的に攻め立てる。
　続いて棚橋はエプロンサイドで丸藤の右足を捕らえると、ドラゴンスクリューを狙う。しかし、丸藤はヒザを棚橋の顔面へ叩き込んでひるませ、エプロンサイドの硬い部分でパイルドライバーを敢行。

　棚橋はカウント19でリングに生還。ペースを握った丸藤は、棚橋にコーナーを背負わせると、逆水平チョップで快音を響かせる。そして、丸藤はスリーパー。棚橋はエルボーで切り抜けると、丸藤の胸板に張り手を連発。しかし、丸藤は逆水平チョップで棚橋をダウンさせる。さらにチンロックで固めるが、棚橋もエルボーで反撃。だが、丸藤は逆水平チョップで後退させ、棚橋をロープに飛ばす。すると、棚橋はフライングフォアアームをヒット。
　棚橋は太陽ブローを叩き込むと、セカンドロープからサンセットフリップ。場内に「エース」コールが響く中、棚橋は丸藤をロープに飛ばそうとする。しかし、丸藤は側転からドロップキック一閃。そして、エプロンまで下がった棚橋に、リング内からスワンダイブのドロップキック。そして、場外に落ちた棚橋に滞空時間の長いプランチャを敢行。
　場外で棚橋は鉄柵攻撃を狙うが、丸藤は足で鉄柵を蹴って防ぐと、すぐにエプロンに駆け上がり、リングの棚橋に向けてスワンダイブのミサイルキック。
　ここから丸藤は逆水平チョップ、棚橋は胸板への張り手で打撃戦へ。丸藤はトラースキックをヒットし、追撃の一発を狙うが、棚橋はこの足を捕らえてドラゴンスクリュー。続いて棚橋は串刺し攻撃を狙うが、かわした丸藤は虎王を炸裂。

　さらに丸藤は追撃のトラースキック。続いて不知火を狙うが、丸藤は回避。しかし、丸藤はトラースキックを叩き込むと、間髪入れずに不知火を仕掛けるが、棚橋はファイナルカットのようにして切り返す。
　さらに棚橋はダルマ式ジャーマンへ。そして、すばやいロープワークの展開からスリングブレイド。ここで棚橋は一気にハイフライフローを繰り出すも、丸藤はその腹に虎王。ここで両者ともに、マットにダウン。

　立ち上がった丸藤は死角からトラースキックを見舞い、虎王をヒットするも、棚橋はカウント2でキックアウト。ならばと丸藤はポールシフトの体勢に入るが、棚橋はツイスト&シャウトで切り返す。ここですばやい技の読み合いから、丸藤がトラースキックを炸裂するが、棚橋もスリングブレイドをヒット。そして、最後はハイフライフロー二連発をお見舞いし、3カウントをゲット。棚橋が3連敗からの4連勝を飾った。

棚橋「よしっ。これで勝ち星先行。4勝3敗。ひとつ負けたら崖っぷちっていうね、それが4試合目から続いてるから。それはもう精神状態が研ぎ澄まされていくよね。4年ぶりの丸藤選手との対戦だったけど。やっぱり……ニュアンスで伝えますけど、プロレス、メディア、いろんなものを巻き込んでいまの棚橋があります。丸藤選手はそういった部分より純度の高い技術、プロレスを求めてこの時間を過ごしました。進化、プロレスの上達度っていうのはよくわかんないけど、そういうのは絶対……今日は勝ったけど丸藤選手のほうが長けてる部分があって。ただ、エースだから。向こうもエースだけど、こっちもエースだから負けれないっていう……伝わったかな？ 伝わったかな？ 伝わってててほしい。俺から言わせれば丸藤選手はNOAHの光。存在が光。そして俺もまたしかり、むしろ光。なんか闘ってて『キラキラの夏は俺だけじゃねえな』って。これは巻き込んでいきますよ。向こうは迷惑かもしれないけど」

——丸藤は純粋にプロレスにうち込めてるのでは?

棚橋「本当ね、こんだけのお客さんが詰めかけて、熱狂があって。選手は燃えますよ。もっとこの熱が全体に、プロレス界全体に……そしてプロレスって4文字に伝わって、広がっていけば。それが俺がこれから目指していくところです」