BEST OF THE SUPER Jr.XXIII
- 日時
- 2016年6月7日(火) 17:00開場 18:30開始
- 会場
- 宮城・仙台サンプラザホール
- 観衆
- 2,167人(超満員)
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第8試合 無制限1本勝負
「BEST OF THE SUPER Jr. XXIII」優勝決定戦※オスプレイが「BEST OF THE SUPER Jr.XXIII」初優勝。レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
イギリス出身のオスプレイはイギリス国旗を羽織り、ロメロ&バレッタと共に登場。一方、宮城県岩沼市出身の田口は市のマークが描かれた旗を持参し、ライガー&タイガーと共に入場。そして、田口が「宮城県岩沼市出身」とコールされると、大歓声&「田口」コールが起きる。
テレビ放送席でIWGP Jr.王者KUSHIDAが見守る中、田口とオスプレイが握手をかわして試合がスタート。田口が腕を取ると、オスプレイが連続ヘッドスプリングで脱出する。しかし、田口がヘッドシザースホイップで投げ、直後にジャンピングヒップアタックを食らわせる。これでオスプレイが場外へ逃げると、田口はロープのあいだに尻を挟むフェイントを披露。その尻をオスプレイが殴ろうとするも、田口が前転で回避し、ギタりポーズで挑発。またも大「田口」コールが起きる。
しかし、リングへ戻ったオスプレイは、後転した田口を前方宙返りで飛び越し、ハンドスプリング&バク宙でフェイント。さらに、ドロップキックで田口を場外に落とすと、再びハンドスプリング&バク宙を繰り出し、ギタりポーズをパクって挑発した。
これでオスプレイのペースとなり、フライングメイヤーから田口の後頭部へ低空ドロップキック。さらに、変型卍固めで締め上げる。すると、田口が脚を取るが、オスプレイはバク宙で着地。ところが、その衝撃で足を痛めてしまい、すかさず田口が低空ドロップキックを浴びせる。そして、スライディングキックで場外へ落とすと、脚にストンピング連射を見舞い、膝を場外マットへ叩きつける。
リングへ戻った田口は、変型グラウンド卍固めでさらにオスプレイを痛めつけ、コーナーへ追い込む。そして、ロープに乗って股間をオスプレイの顔へこすりつけ、その体勢からヒップアタックを連射して行く。それでもオスプレイは田口をコーナー最上段へ固定してトラースキックを放つ。ところが、田口は尻でブロック。
しかし、オスプレイがハンドスプリングスピンキックで巻き返し、エプロンからのジャンピングハイキック、スワンダイブフライングフォーアーム、その場飛び変型カンクーントルネード、低空ドロップキックと畳み掛ける。
続いてオスプレイはレインメーカーポーズからレインメーカーを狙うが、田口が回避してカサドーラから回転エビ固め。さらに、アンクルホールドを繰り出すも、オスプレイがバックエルボーで脱出。
その後、両者が高速で互いの技を切り返し、そこから田口が変型スパイラルボム。そして、オスプレイの顔面に尻をこすりつけ、ランニングヒップアタック2連発、場外からのジャンピングハイキック、スワンダイブジャンピングヒップアタック、ノータッチトペコンヒーロと一気にラッシュ。
大ダメージを負ったオスプレイは、カウント19で辛うじてリングイン。すると田口は2連続ブレーンバスター&前落としで追撃。さらに、串刺し攻撃をかわしてオスプレイをコーナーへ激突させ、リバースパワースラムで叩きつける。
続いて田口はギタッてからケツイェを敢行するも、フォールはオスプレイが跳ね返す。これでまたもや大「田口」コールになり、田口がとどんを仕掛ける。しかし、オスプレイが前方回転エビ固めに切り返し、田口が跳ね返すとカウンターハイキックに繋ぐ。そして、ひざまずいた田口にローキックを浴びせ、直後にバックキックを見舞う。
しかし、田口がカウンター延髄斬りで巻き返し、再びどどんの体勢に入る。しかし、オスプレイが自分から肩へ飛び乗り、そこから体を反転させてフランケンシュタイナー。
次にオスプレイは田口を踏み台にしてサマーソルトで着地し、ラリアットで場外に落とす。そして、トルニージョ式サスケスペシャルで追撃。
続いてオスプレイはコーナー最上段へのぼり、ファイヤーバードスプラッシュを放つ。これを田口が回避すると、オスプレイは足から安全に着地する。ところが、その衝撃でまた足を痛めてしまい、田口が即座に低空ドロップキックを発射。ところが、オスプレイがジャンプでかわし、そのままジャンピングフットスタンプで踏み潰す。
ここからオスプレイはコークスクリューキックで追撃し、オスカッターを狙う。しかし、田口が受け止め、アンクルホールドで捕獲。オスプレイが激しく抵抗すると、田口はどどんからエビ固め。それでもオスプレイがギリギリで肩を上げると、田口はまたもやアンクルホールドを極め、グラウンドへ持ち込む。
しかし、オスプレイが脚力で田口を弾き飛ばし、カウンターのその場飛びスパニッシュフライで逆転。それでも田口がフォールをギリギリで返すと、場内が大「田口」コールに包まれる。
ここでオスプレイがコーナーへのぼり、田口が追いかける。ところが、オスプレイが脱出して田口をコーナー最上段へ固定し、顔面付近へトラースキックを浴びせる。そして、リバースファイヤーバードスプラッシュから今度こそオスカッターを炸裂させ、ついに優勝の栄冠を掴んだ。
COMMENT
オスプレイ「(※1人となり、トロフィーを見つめ、時折、涙を浮かべながら)プリンス・デヴィット、イブシ、タグチ、リコシェ、クシダ……彼らが手にしたこのトロフィーを手にできるなんて……僕も彼らスーパースターの仲間入りできたかな?多くの人は、僕が勝つなんて思ってなかっただろうね。でも、みんなに感謝したい。こうやって日本に来てることだけでも信じられないのに、何て言えばいいんだろう……本当に天にも昇る気持ちだ。いままで僕のことをプロレスラーって言ってくれる人はほとんどいなかった。先生と、友達と、ガールフレンドぐらいで。それがこれだけ多くの人に囲まれて、みんなプロレスラーとして応援してくるんだからね。アメリカでもこんなことなかったし。日本のファンのみんなのリアクションには驚かされたよ。興奮して足を踏み鳴らすんだからね。どんなにサンキューって言っても足りないほどだよ。何か聞きたいことはある?」
——おそらく『BEST OF THE SUPER Jr.』史上、最年少優勝になると思います。
オスプレイ「エッ、何て言ったの?最年少?そうなんだ……イギリス人初ってことばっかり頭にあった。それだけでもビックリなのに、最年少だって?たった一晩で、こんなにたくさんの記録を作ったなんて……でも、これで止まってなんかいられない。次は6月19日、『DOMINION』でKUSHIDAともう1回だ。タイトルマッチでね。KUSHIDAも受けてくれるはずだ。僕もこのタイトルを持っていくよ。CHAOSの一員としての誇りもね」
——1年前はどうしてました?
オスプレイ「1年前?みんなで僕の誕生日のお祝いをしてたよ。親戚もみんな集まってね。それに小さな大会で試合をしてた。70人とか、多くても150人ぐらいの会場で。今日(観客)は何人ぐらいいたの?」
——2000人以上です。
オスプレイ「そんなに?そんなにたくさんの人が、ジッと僕の試合を見てくれたんだ。ニュージャパンでの経験は、イギリスでもWWEでもTNAでもできないぐらい刺激的だよ。そのために一生懸命、頑張ってきた。まずはレスラーって見られるように。オカダやビッグ・マイク(マイケル・エルガン)は誰が見たってそう思うだろ?リコシェにしてもそうだよね。でも僕を見てごらん?レスラーに見える?僕のなかではレスラーだって思ってても、みんなはそう思わない。でも、そう見られたいって思ってやってきた。今日、やっとレスラーとして生まれたって感じ。ずっとレスリングをやってきて、やっとね。会場に来てくれたみんな、そして『NEW JAPAN WORLD』で見てくれてたみんなに『ありがとう』って伝えたい」
——イギリスに帰って、誰にどう報告したいですか?
オスプレイ「いの一番に両親に報告するよ。特に父親にはね。1年前、父は心臓発作を起こしたんだ。幸い一命をとり止めたけど、それから仕事ができなくなって。パイプを埋め込む手術をした。いまは元気になったけど、イギリスでの試合を見に来てくれてるんだ。そんな父に、これ(トロフィー)を見せてあげたい。そして僕を応援してくれてる友達にもね。でも一番には両親さ。でも、(トロフィーを)見たらビックリして(また心臓発作を起こして)死んでしまうかもしれないけど(笑)」
田口「(※床に倒れ込み)ハァハァ、ヤング……ヤングだね。今の自分の力が、ここまで通用するのか、ここまでしか通用しなかったのか……ここまでしか通用しなかったということでしょう。ハァハァ、気力で立ってたけど、リングの上は……気力だけでは補えない。なんっつうか、気力、知力……“精力”ですか?まだまだ三大欲求に、もっと磨きをかけて。特に……“性欲”剛を制す。“性欲”剛を制すで、この次の『SUPER Jr.』まで1年、“性欲”剛も制す。柔をも、剛も制す。そう、“性欲”柔をも、剛を制する。この1年で、どこまで磨きをかけられるか。しかし、オスプレイ、強かった。メスプレイなんて言ってる場合じゃなかった。ふざけて、入浴……入浴じゃない。入場をマジメにした反動で、試合中にちょっとふざけてしまった。あれも敗因かもしれない。しかし、これは私の道ですから。危ぶむ勿れです。この道を行けばどうなるものか……迷わずイケよ、イケば気持ちいさ!ありがとう」
KUSHIDA「いやぁ、凄い試合でした。ほんとはね、前々から言ってるように、『BEST OF THE SUPER Jr.』っていうのは、このIWGPジュニアヘビー級の次期挑戦者決定戦ではないから。彼もチャンピオンですよ。ほんと凄いと思う。あの場ってのは、やっぱ去年自分が経験して、いろんなもの犠牲にして、いろんな挫折をして、じゃないとね、あそこに辿り着けないし。ましてやね、勝てないから。あの舞台ってのは、ほんとに凄いと思う。で、今年集まったメンバー、ほんとに凄いから。『BEST OF THE SUPER Jr. XXIII』エントリーしたその事実だけでも、ボクとしては誇り高いし、もうチャンピオンでしょ、彼が。ただ、ボクもこのIWGPジュニアヘビー級の防衛戦を重ねてきてるから。このチャンピオンシップに、チャレンジャーはいない。両方ともチャンピオン、どっちが強いか、勝負しよう。Congratulations、ウィル・オスプレイ」