Road to THE NEW BEGINNING
- 日時
- 2016年1月30日(土) 17:30開場 18:30開始
- 会場
- 東京・後楽園ホール
- 観衆
- 1,806人(超満員札止め)
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第7試合 30分1本勝負
中邑真輔 壮行試合レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
中邑にとって棚橋は、共に新日本プロレスをけん引してきた最大のライバル。後藤は2002年入門の同期で、何度も激闘を繰り広げてきた男。そして柴田は、かつて中邑・棚橋と共に新闘魂三銃士と呼ばれ、ライバル関係にあった。
なお、この一戦は、2・11大阪で行われるIWGPヘビー戦オカダvs後藤、NEVER戦・柴田vs石井のダブル前哨戦でもある。
試合開始前、中邑の足跡を振り返るVTRが流れ、場内のムードが一気に高まる。そして、大歓声と「真輔」コールを受け、中邑が入場。オカダ&石井がロープを開け、リング内へ招き入れた。
後藤対オカダで試合が始まり、後藤がクリーンブレイクせずにエルボー連打。さらに、フロントハイキックを回避し、ショルダータックルでなぎ倒す。これでオカダは場外へ追い込まれるが、素早くリングへ戻り、エプロン上の後藤をランニングフロントキックで吹き飛ばした。
柴田対石井の場面。石井が逆水平チョップを連射するも、柴田がすべて受け止め、エルボー連打で反撃。これを今度は石井が受けきり、エルボー合戦へ移行する。その後、石井がフロントハイキックを回避してエルボーを見舞うが、柴田が改めてフロントハイキックを食らわせ、足4の字固めで追い討ちした。
棚橋対中邑の場面。脱力してロープブレイクした中邑が棚橋を押し倒し、ストンピング&ローキック。これを棚橋が回避して中邑を挑発し、アームホイップで投げ飛ばした。
柴田対中邑となり、柴田が中邑のように脱力してロープブレイク。そこから両者がバックを取り合い、柴田がフライングメイヤーからサッカーボールキック。そして、顔面にストンピングを連射するも、中邑がフェイント式ニールキックで逆襲した。
ここから柴田が孤立する展開となり、中邑がバイブレーション式踏みつけ攻撃、ジャンピングニードロップ、石井&中邑&オカダがトリプルフロントハイキック&合体ヒップドロップ、オカダがトップロープ越えのセントーンアトミコ、中邑がフロントネックロック。しかし柴田は、オカダにカウンターミドルキックを浴びせて脱出。
後藤対オカダの場面。大ブーイングの中、後藤がミドルキック連射、串刺しニールキック、バックドロップ。すると、今度は「オカダ」コールが起こり、オカダが串刺しバックエルボー、DDT、低空ランニングエルボースマッシュで逆転。その後、後藤がフロントハイキックを受け止めるも、オカダがフラップジャックですぐに挽回した。
後藤対中邑となり、中邑が後藤の胸板へローキックを連発。それでも後藤は追走式ラリアットで逆襲するが、またもファンからブーイングを浴びた。
棚橋対中邑の場面。両者がリング中央で睨み合ったのち、棚橋がいきなり張り手。そこからエルボー合戦で2人が一歩も引かず、棚橋がフライングフォーアーム、ボディスラム、ダイビングサンセットフリップ。
これで「真輔」コールが起きるも、棚橋はドラゴンスクリューで中邑に追撃。しかし、中邑が串刺し攻撃を回避して棚橋をコーナー最上段へ追い込み、ガラ空きのボディにジャンピングニーアタックを食らわせる。
続いて中邑はボマイェを狙うが、柴田が飛び込んでドロップキックで迎撃。そして、ブーイングの中、後藤が牛殺しで追い討ちをかける。すると、中邑が棚橋のハイフライフローを両膝でブロックし、再びボマイェを発射。だが、棚橋がカウンタースリングブレイドでなぎ倒した。
柴田対石井の場面。石井がショルダータックルからエルボー連打。しかし、柴田が構わず前進し、追走式串刺しジャンピングフロントハイキック。さらに、串刺し低空ドロップキック、フロントネックチャンスリーに繋ぐ。
すると石井はブレーンバスターで逆転し、串刺しラリアットで追撃。そこからパワーボムを狙うが、後藤がラリアットでカットする。
ここで柴田が石井を羽交い絞めにするも、後藤のラリアットはかわされて誤爆。その直後、オカダがフロントハイキックで後藤を排除し、石井が柴田を持ち上げて中邑がジャンピングハイキック。そして、オカダがセントーンで追い討ちすると、即座に石井がスライディングラリアットを見舞う。
それでも柴田が石井を突き飛ばし、後藤がカウンターラリアットでなぎ倒す。ここから両軍の選手が次々とリングに飛び込む乱戦となり、オカダが後藤にフロントハイキック、棚橋がオカダにドラゴンスクリュー、中邑が棚橋にジャンピングカラテキック、柴田が中邑にジャンピングニーアタック、中邑が柴田にエルボー。
その後、石井が柴田にカウンターラリアットに見舞うと、柴田がツバメ返し、飛びつき三角絞めで逆襲。さらにスリーパーホールドで絞り上げ、ロープに逃れた石井にミドルキックを食らわせる。
続いて柴田はPKを発射するが、オカダがドロップキックで妨害し、中邑がスライディングボマイェで追撃。最後は、石井が垂直落下式ブレーンバスターで柴田を沈めた。
COMMENT
——プロレス人生を旅に例えられていた中邑選手ですが、これまでで一番大きい分岐でだと思いますが?
中邑「そうですねぇ。決断がそうであったように、今日の試合も自分にとっては、こんなつもりじゃなかったっすけど……もの凄く大切な、特別な日になったと思います」
——最後まで、「中邑真輔は中邑真輔のままでありたい」と、そんな風にも話されていましたが、大きく感情を揺さぶられるものがあったのではないですか?
中邑「まぁ共にここで闘ってきた仲間たちっていうのは、自分の感情を抑えることが出来ないぐらい、本当に凄く大きなモノです」
——苦しい時代もあったと思いますが、13年半頑張り続けてきて、あの超満員の大真輔コール、どのような気持ちで耳にしましたか?
中邑「まぁリングの上から、僕たちはある意味メッセージを来てくれるお客さん、そして画面の向こうに届けるのですが、今日はなんっつうか……リングの外から受け取るメッセージが、非常にデカくて、まぁちょっときちゃいましたね」
——最後、CHAOSの仲間たちがリングにやってきて、中邑選手を送ろうというあの気持ちに対しては、こみ上げてくるモノがあったのではないですか?
中邑「いやぁ、ズルイっすね、ほんとに。まぁ年間、家族よりも一緒にいる仲間たちなんで、リングおりてからもつるんで、CHAOSができてから何年っすか?結構長いっすよね。まぁ家族以上の、むしろ家族と思える仲間たちができて、ほんとに自分としては、喜びのなにものでもないですね」
——可愛がってきたチャンピオンのオカダ・カズチカ選手が大粒の涙を流してましたが?
中邑「まぁアイツがいるからこそ、自分も一つ歩むことが出来たんで、まぁ残すオカダに失礼ですが、『あとは頼むぜ』って言いたいですね」
——ほんとに今までに何度も旅立ちを決めるタイミングはあったと思いますが、今これだけ盛り上がりをみせている中で、「今ならばいける」という決意があったんですか?
中邑「そうっすね。この状況になったことっていうのが、いろんなきっかけや出会いが、すべてが必須だとして、こういう決断に至ったと思ってるので、後悔はありません」
——不安定な時期も支えてきたかと思いますが、安心して今行けますか?
中邑「もちろん。むしろ、自分がいなくても心配ないっつうか、どんなうねりを見せるのか、このリングの外から見てたいと思ってます」
——ただ、私もそうです。ファンもきっとそうかと思いますが、「このセルリアンブルーのリングで中邑真輔を見てみたい」という声も聞こえてきますが、ご自身としてはいかがですか?
中邑「ふぅ(※一息つき、目を閉じて沈黙)……まぁ『人生は旅だな』って言いますけど、今それ言っちゃたら、面白くないでしょ?」
——そして、Xが棚橋弘至だという点に関してはいかがですか?
中邑「(※棚橋選手がリング上でやったXのジェスチャーを真似し)これですよ。棚橋らしいなぁと。まぁでも本人の中では、最高にカッコよかったんでしょうけど。まぁ『あとは任したぜ』って言えるヤツが、こんなにもいるんで、自分は潔く『行ってきます』と言えます。ほんとに今まで、ありがとうございました(※深々と頭を下げた)」
※オカダ、石井はノーコメント
後藤「中邑、最後……まぁ引退するわけでもないんで、まだ最後だと思っちゃいないよ。まぁ一つだけ、彼と同じ時期に、同じ時代にレスリングできた。そのことだけは、誇りに思ってますよ」
——今日で中邑選手が新日本プロレスでの最終戦となりましたが?
棚橋「これはね、ファンも俺たちもレスラーも前に進んでいかないといけない。ただ、中邑がいなくなるという喪失感。この現実がデカすぎる。ただ、まず中邑がいないという現実を受け止める。それがまず俺たちができる第一歩。時間がかかるかもしれないけど、これに慣れていくしかない。忘れるぐらいに盛り上げていくしかない」
——今、笑顔が見えるのは、乗り越えられる自信があるからこそじゃないかと思いますが?
棚橋「もしこれで、『新日本、オイ大丈夫か?』ってなるようなことがあったら、中邑も思い切って活躍できないでしょ?それは、俺たちにとっても本意ではない。新日本プロレス、まだまだ盛り上げていきますよ」
——いつかどこかで巡り合うだろうという確信が、ファンにもあると思うんですが?
棚橋「どうですかね。楽しみにしてます」
——次は、インターコンチで、前回できなかった棚橋さんの新たな物語が始まりますね。
棚橋「そう、そう、そう!前は何ともできなかったから、鬼の居ぬ間に、俺のベルトに仕上げますよ」
※柴田はノーコメント
オメガ「俺の準備はできている。タナハシ、お前はビハインドを追っている。ユーアー、オールド。ユーアー、ファット。次のチャンピオンは、この俺、ケニー・オメガだ」