『G1 CLIMAX 25』Aブロック公式戦。
現在、Aブロック1勝同士の棚橋と天山が激突。『G1』では04年の優勝決定戦以来(天山の勝利)、11年ぶりの対決となる。
開始と同時に、場内は地元出身の天山に対して大コール。まずは組み合った両雄、棚橋はロープに天山を追い込むと、胸板に強烈な張り手。続いてリストの取り合いから、グラウンドの攻防へ。すると、棚橋は再び天山に強烈な張り手。続くタックル合戦で競り勝った天山は、モンゴリアンチョップ三連発で棚橋からダウンを奪う。
手四つからの力比べに入ると、天山は不意打ちのヘッドバットを見舞い、さらにラリアットで棚橋を場外へ投棄。そして自らも場外に降りるが、棚橋はエルボーで迎撃。さらに天山をエプロンサイドに固定すると、上から下からエルボーを乱れ打ち。そして場内にアピールするが、ブーイングが巻き起こる。
戦場をリング内に戻すと、棚橋は天山の頭をコーナーに何度も叩きつけ、さらにチンロックで弱点である首を攻め立てていく。天山も張り手で反撃開始。棚橋も負けじとヘッドバットを叩きこむが、逆に自分が頭を痛めてしまう。しかし、棚橋はひるまずモンゴリアンチョップを敢行。そして、ロープに飛ぶが、待っていたのは天山のマウンテンドロップ。さらに天山は串刺しラリアットからブレーンバスター。そしてアナコンダバイスを狙うが、これは棚橋がロープブレイク。
天山はエプロンサイドの棚橋にヘッドバット、モンゴリアンチョップを叩き込むと、ブレーンバスターを狙う。しかし、これを切り抜けた棚橋は、ロープ越しにダイヤモンドカッター。そしてリング内で天山をスリーパーに捕らえると、そこからドラゴンスリーパーに移行する。続いて棚橋はドロップキックを見舞うが、天山もフライングニールキックで反撃。さらに小股すくいスープレックスで投げきると、トップコーナーからダイビングヘッドバットを狙うが、棚橋が交わして自爆。続いて棚橋はハイフライフローを敢行するが、待っていたのは天山の剣山。
一進一退の攻防を繰り広げる両雄。棚橋のスリングブレイドをネックブリーカーで切り替えした天山は、アナコンダバイスで棚橋を絞め上げていく。さらにアナコンダバスターで棚橋を叩きつけるが、これはカウント2。すると、天山はアナコンダマックスを繰り出すが、棚橋は体勢を起こしてフォールを狙う。これをカウント2で返した天山は、棚橋の土手っ腹にヘッドバットを叩き込むと、TTDの体勢に入るが、棚橋はうまく切り抜けると首へのドラゴンスクリュー。続くスリングブレイドはカウント2となるも、最後はハイフライフローを決め、天山に激勝。『G1』2勝目をもぎ取った。
試合後、天山が握手を求めるも、棚橋は応じず。しかし、互いに頭を下げて、健闘を称え合う。
その後、退場しようとした棚橋だが、「棚橋」コールに押されてマイクを握ると、「新日本プロレスが京都に帰って来たぞぉ! 大応援、大天山コール、ありがとうございました。大棚橋コール、ありがとうございました。これからも『G1 CLIMAX』続いていきますんで、皆さん必ずチェックしてください。今日はありがとうございました」とコメント。
そして新曲を含むエアギター3曲を披露すると、最後は「俺に付き合ってくれて、ありがとうございました。じゃあ『G1 CLIMAX』ちょっくら優勝していきます。じゃあ最後に、京都の皆さん、愛してま〜す!!」と京都大会を締めくくった。
またリングを下りた棚橋は、再度マイクを持ち、「すいません。今から俺、みんなとタッチします。けど小さいお子さんが多いから絶対押さないでください。よろしくお願いします」と会場のお客さんへ伝えると、リングサイドのファンと1人1人とタッチを交わしていった。
棚橋「地元に帰ってきて、『G1』という印象もあるし、天山選手は警戒してたし、京都でしょ? これはもう、見に覚えのある石井戦だったり、矢野戦だったり、そういうのかなって自分で思ってたんですけど、読み違えてましたね。おかげでまたダメージ残っちゃいましたけど。結構、うれしい発見が…。俺の思った以上に、ファンの人に愛されて、応援されてました。それをこれからエネルギーに変えて。そうだね、京都…所縁あるもんね。力もらいましたし、新しい発見もありました。また『G1』、突っ走っていきます」
天山「いやあ、やるだけのことはやりましたけど、やっぱりエースと言われる棚橋は強かったです。十何年ぶりのシングル、やってみてやっぱり、ほんまのチャンピオンやと認めざるを得ない。でも、俺は今日、バリバリでぶつかったけど、何か足りない。アナコンダ(バイス)も早々に逃げられて、(アナコンダ)MAXさえも決められない、丸め込まれて。ほんの一瞬のスキでも棚橋は見逃さない。さすがやと思う。あんまり褒めるのもなんやけど、この『G1』、公式戦二つ目やから、今日勝って勢いをつけて、このまま突っ走ってっていう腹積もりやったけど、計算狂った。でも一つや二つ(の敗戦は)俺にとったらどうでもいいこと。『G1』始まった以上は、最後まで食らいついてでも、死に物狂いでガッチリ闘い抜いて…。まだ1敗や。たかが1敗、されど1敗。まだまだ生き残って、3戦目、4戦目につないでいかんと。絶対、誰にも負けへんで。それだけですよ。『G1 CLIMAX』、始まった以上、どっぷり食らいついてやるから。地元・京都で、みんながあんなに応援してくれて、メッチャうれしかった。心の底から『ありがとう』って言いたい。棚橋に勝って、それが言いたかったね。やっぱりね、24年間、今年で(『G1』出場は)20回目やけど、こんだけやってて、やっと『G1』が京都に来た。そんな感じやった。しかもメインイベント。俺にとっては千載一遇のチャンス。とらなあかんかったけど。ええとこは(棚橋に)全部持っていかれたけど、また来年、再来年、(『G1』が)また京都であった時には、その時は見とけよって。そういう気持ちですよ。『G1』どうなろうが、天山広吉はあきらめへん。いつも言ってるけど、それだけです」